|
前記の石原のことばは昭和16年7月28日の講演中の言葉である。その前の言葉は「・・・仮に英米ソと重慶の間に如何なる協定があろうとも、日本は実力をもって、単独講和を実現しなければならない。日本は三国同盟に対して信義を守るべきであり、独伊と日本との利害は英米と対立している。然し信義を守るために直ちに参戦すべしとの意見に対して軍事的見地から慎重なる考察を要するものと考える。」となっている。石原は三国同盟締結の前にはヒトラーの力を過大評価してはいけないと言っていたが、締結してしまった後では、三国同盟は拙いと言ってもしかたがないから批判は口にしなかったのであろう。日本国家は大勢を達観した石原の考えをもちいることができなかったのは運命だろうか何だろうか。ところで、現代に世界の大勢を達観している人がいるだろうか。道を示す人がいるだろうか。そういう人があらわれるまでは、各人ない智慧をしぼるべきである。失礼。
.. 2008年07月06日 16:47 No.135003
|