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オズボーンの野望は別にして、実はイギリスには反中国意識も高いです。中国はこれまで、無理やり経済成長率を維持するために、過剰投資、過剰生産を続けてきました。そのために鉄鋼などの国際価格が暴落し、各国の鉄鋼業界は大きな迷惑を被ってきました。
日本ではあまり報じられませんでしたが、習近平の訪英時にも、イギリスの鉄鋼業界による中国への抗議デモが発生していたのです。加えて、チベット問題・人権問題に非常に熱心でダライ・ラマを支持するという立場を明確にしてきたチャールズ皇太子は、このときの習近平との公式の晩餐会を欠席しました。
中国に対して暗に「NO」を突きつけたものといえます。こうした勢力がイギリスには少なからずおり、オズボーンを中心とした親中勢力に対して快く思っていないのです。習近平は訪英の際、103発の礼砲を受けました。
国際儀礼では本来、国家元首への祝砲・礼砲は21発と決められていますが、それを大幅に上まわる数の礼砲があったことから、これをイギリス流の厚遇の表れと見る向きもあります。しかし、規定以上の礼砲を撃ったということは、礼砲自体を無意味化するという意図があったという観測もあるのです。
たとえば、公式の晩餐会において習近平に出された赤ワインは、1989年のものでした。いうまでもなく1989年は天安門事件があった年であり、まるで天安門事件で流された民主化運動家の血を表わしているかのようです。いわゆる国賓として招いた場合、ホスト国は招いた国に嫌な思いをさせないというのが基本的な外交儀礼になります。
また、習近平はイギリス議会で演説を行ったが、それに対する反応は冷ややかで、ほとんど拍手が聞こえなかったとも伝えられています。さらにいえば、10月19日にロンドン・ヒースロー空港到着後に行われた習近平とイギリス外相との会談は、空港のトイレの前で行われているのです。
客人をトイレに近い席に案内するのは、暗に「さっさと帰れ」ということを意味します。香港ではこの写真がメディアに掲載されて、「トイレ外交」などと揶揄されました。もちろん、イギリスがそうした意図をはっきり示したわけではないので、これらは推測でしかない。しかし、反中勢力が暗にこうした嫌みを演出した可能性も十分にあるのです。
.. 2018年03月06日 09:06 No.1349001
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