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トリチウム汚染水海洋放出についての続報 | 日本の全原発の約3年分〜13年分を短期間にまとめて廃棄してしまう | 「風評被害」どころか現実の健康被害が予想される └──── (市民と科学者の内部被曝問題研究会)
◎日経新聞が2018年2月23日付で「汚染処理水 迫る決断の時」という論説を掲載 しました。 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27279470S8A220C1EA1000/ (登録すると無料で読むことができます)
論調は「政府がもっと前に出て」汚染水放出を主導するようにというものです。 その中に、このあいだから問題になっている、汚染水約100万トンに含まれる トリチウムの総量についてのヒントがありましたので、私の講演スライドの内容 に追加したいと思います。
同記事によると、汚染水タンク中のトリチウム水濃度は1リットルあたり100万 ベクレルとのことです。つまり、1トンあたり10億ベクレルです。 これから計算すると、現在のトリチウムの放射能量は、 10億Bq×100万トン=1000×10の12乗(兆Bq)=1×10の15乗(ペタBq) ということになります。 2014年時点で0.83ペタBqという東電による推計であったので、3割ほど増えた 訳です。
ただ、この日経新聞が引用している、1リットルあたり100万Bqという数字は、 東電の推計の下限値です。 2013年の東電の実測による評価では、最大値で500万Bqという幅がありました。 これだと、中央値で300万Bqとしても3ペタBq、最大値では5ペタBqとなる可能性 も十分あるわけです。
◎同記事では、事故前5年間の日本の全原発が出した平均の年間トリチウム水放 出量を380兆Bqと推計していますので、日本の全原発の約3年分〜13年分を短期間 にまとめて廃棄してしまおうとしているわけです。
これにより、「風評被害」どころか現実の健康被害が予想されます。 そしてその被害の規模も大きく集中的なものになろうとしています。 絶対に許してはならないと考えます。
.. 2018年02月27日 08:17 No.1343001
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