|
「希釈後海洋放出」は、総量80万トンのトリチウム汚染水を1日400トン処分し、告示 濃度の1リットル当たり6万ベクレル以下に海水と混ぜて海に最長66ヶ月(約5.5年)流す シナリオです。東京電力の運用基準1リットル当たり1500ベクレルを40倍緩め、2013年12 月時点でも800兆ベクレルとされるトリチウム総量は、事故前の東京電力保安規定の年間 放出管理基準値22兆ベクレルの40倍近くです。事故前2009年度の福島第一原発のトリチ ウム海洋放出実績は2兆ベクレル、タンク貯蔵トリチウム総量800兆ベクレルの海洋放出 は、約5.5年で400年分を放出することになります。トリチウムの放出は、サブドレン等 の汚染水だけで一日9.65億ベクレルとされ、貯蔵タンクを含め総量1,000兆ベクレルもの トリチウムの海洋投棄は、海洋生態系への影響と共に、事故後の福島の漁業と水産業に 深刻な社会的影響を与えることが否定できません。 貴職は、首長訪問の結果、「海洋放出することに対し首長の中に大きな反対はなかっ た」「科学的、技術的に影響が出ないことは理解してもらえているようだが、風評被害 の問題は大きく捉えているようだ」「規制当局の役割を超えてでも説明に加わりたい」 とし、放出する処理水の濃度制限値や水量の管理目標値の科学的根拠などを説明すると 述べた、とされています。 貴職が「海産物や環境に影響が無いことは科学的に明確だ」という時、「ならば東京 湾に流してほしい」と怨嗟の声が沿岸住民からきこえてきます。東京電力が先頭に立た ないから問題なのではありません。規制当局でありながら、東京電力福島第1原発事故 の収束作業中に、なお、被害住民や被災者はじめ関係当事者を蔑ろにして、一方的に物 事を決め、押し付ける、いのちよりコストを優先する、貴職と原子力規制委員会の姿勢 こそ、問われているのではないでしょうか。安易すぎるトリチウム汚染水の海洋放出 は、許されるものではありません。 第一原発サイト内旧7・8号機増設予定地や中間貯蔵施設用地なども含めて、安全な陸上 保管を求めるものです。 この際、文書による30日以内の回答を求めるものです。
<要請団体> 脱原発福島ネットワーク(福島県) ほか144団体(略)
.. 2018年02月13日 09:36 No.1331003
|