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秋の沖縄県知事選に備えて (ルポライター)
沖縄県名護市の市長選で現職稲嶺進氏が敗退した。残念ながら、自民党、公明 党、維新の会による、寄ってたかっての、沖縄の未来と海への総攻撃を防衛しき れなかった。 「国政選挙並みの総力戦」と報道されたが辺野古の海に、ジュゴンがやってく る北限の海に、米軍の新しい巨大基地を建設するために投入される、無残な砕石 の轟音があたかも勝ち誇ったかのような選挙結果だった。
新市長は、これまでの「閉塞感」を批判し、安倍首相は「これからは落ち着い た政治を行ってもらいたい」と注文をつけた。これで市民の基地反対運動など消 えてしまう、との期待感を示す。「あとは市長の公約を国としても責任もって応 援する」とも語った。政策に抵抗すれば補助金を削り、屈服すれば増額する。 露骨な支配とそれへの迎合、忖度と報復の関係をもっぱらとする政治手法が安 倍政治の特徴。これは基本的人権と平等を大事にする民主主義政治などではまっ たくない。市長選挙は終わったがこれで反対行動が弱まるわけではない。埋め立 て工事の進捗率は、まだ1%にも満たない。
安倍内閣の暴政にたいする翁長雄志県知事の抵抗は、県民に支えられている。 秋に予定されている県知事選に備えて、東京に住むわたしたちになにができるの か。沖縄の思いを受けて、話し合いをはじめよう。 (2月6日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)
.. 2018年02月08日 10:09 No.1329002
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