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脱原発の社会を目指して (下) | 顧客離れにうろたえる関西電力−原発の電気は買いたくない− | 電力自由化と消費者の責任 └──── (つちだたかし、「使い捨て時代を考える会」京都)
経営危機と再稼働の“麻薬”
理不尽極まりない値上げの結果、関電の決算は黒字になったものの、経 営状況は依然として深刻なのである。16年3月決算(15年度)と17年3月決 算とを比べると、売り上げは2,500億円(8.9%)の減収であり、営業利益も 400億円の減益である。 販売電力量が省エネと節電によって減少しつづけているからであり、顧 客離れの故である。福島第一原発事故以前と比べると1,511億kW時から16年 度は1,215億kW時へ、20%も減少している。中部電力(1,218億kW時)に業界 第2位の地位をあけわたした。 2度にわたる大幅値上げにもかかわらず、いや、それ故に、高い電気料 金が顧客離れを呼ぶ。値下げしなければ顧客離れは止まらぬが、値下げす れば売り上げは落ちる。進退は窮まっている。原発の足カセは実に重いの である。 しかし、展望のない原発にしがみつくのが現実の関電である。原発の燃 料代は火力と比べて安く、当面の運転のためのコスト、限界費用は小さい からである。 “金だけ 今だけ 自分だけ”の経営姿勢では今後の悲劇への配慮も出 来ず、原発の再稼働は“麻薬的”誘惑となるのである。 しかし、原発のための固定的支出、3,000億円/年を取り戻そうとすれば、 高浜3、4の再稼働だけでは、大きく不足する。大飯3、4はもちろん、 40年超の老朽原発の再稼働にも執心せざるをえない。危険なことである。
「原発の電気は買わない」の声を
その危険を阻止するためには、脱原発の声を強める必要のあることは言 うまでもない。私の所属する「使い捨て時代を考える会」では、福島第一 原発事故以降、2011年4月から、ほぼ毎月1回、関電京都支店と話し合う 機会を持っている。
.. 2018年02月05日 08:11 No.1325006
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