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震災からまだ立ち直れない人たちがいる実情 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その233 (地球物理学者)
◎ 群馬県・草津白根山で噴火がおきて死傷者が出た。震災や噴火は、これから も日本のどこかを必ず襲って来る。 折りしも先週17日は阪神淡路大震災から23年の記念日だった。遠くなった震災 の記憶を呼びさます記事は多かったが、震災からまだ立ち直れない人がいること はほとんど報道されなかった。
◎ 「借り上げ復興住宅」というものがある。震災後、兵庫県内の自治体が都市 再生機構(UR)や民間から借り上げ、被災者に提供した住宅だ。兵庫県と県下 の神戸、西宮、尼崎、伊丹、宝塚の各市が最多時に7000戸以上を供給した。 この借り上げ復興住宅には20年という契約期限がある。しかし生活の再建がで きずに、今でも借り上げ復興住宅から出ていけない人が多い。 2015年度から順次、この契約期限が来ているが、2018年度にピークを迎える。 2018年度は145団地のうち60団地にもなる。 自治体によって入居者が期限後も入居できる要件は違うが、もっとも厳しい神 戸市と西宮市は借り上げ復興住宅の一部の住民に明け渡しを求めて提訴した。神 戸市は9世帯に訴訟を起こし、西宮市も7世帯に訴えを起こしている。 昨年10月に、その最初の裁判の結果が神戸地裁で出た。被告は一人暮らしの 79歳の女性。判決は女性側に部屋の明け渡しと契約期限後の家賃の支払いを命じ た。絡む
◎ 高齢の一人暮らしが多い入居者にとっては裁判に被告として引きずり出され るだけでも大変なストレスになろう。住み慣れた部屋から追い出されれば、親し んできた近くの親睦の輪が失われるかもしれないし、命や健康が害されるかもし れない。 この女性は、住んでいたマンションが震災で半壊し、避難所生活を経て、地震 後7年もたった2002年にようやく復興住宅に入居した。2013年には腰を骨折して 室内移動にも歩行器が必要になった。いま借りている復興住宅は段差がなく、室 内には手すりがついており、暮らしやすいという。 裁判に負けた女性の代理人弁護士は判決を不服として大阪高裁に控訴した。結 果が出るのは、まだ先になる。
.. 2018年01月30日 09:26 No.1324001
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