|
世界を核戦争から救った男 冷戦時代、ミサイル信号を誤報と判断 | “米国が本気なら5発あり得ず” | 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 その228 └──── (地震学者)
北朝鮮と米国の核ミサイルをめぐる情勢が風雲急を告げている。片方が核爆弾 を使えば、間違いなく相手側も使う。こうして全面的な核戦争になる可能性が高 い。 かつての冷戦時代には西側と東側がにらみ合っていて、おたがいに、相手が核 ミサイルの先制攻撃をするのではないかと、ピリピリしていた。 相手の核ミサイルの先制攻撃を受ければ、被害が出てから反撃の判断をしても 間に合わない。
このため、人工衛星とコンピューターを使った自動処理の判断が使われる。当 時、西側も東側も極秘ながら、この早期警戒システムを動作させていた。 早期警戒システムは光、電磁波などあらゆるセンサーを動員したものだ。現在 も、米国北朝鮮で動いているに違いない。一歩間違えれば、間違いなく全面核戦 争が始まってしまう仕組みである。
冷戦時代の1983年9月26日、旧ソ連の首都モスクワ近郊にある航空監視センター のコンピューターが、旧ソ連に向かっている5つのミサイル発射を表示した。人 工衛星からのデータだった。もし、本当なら、核爆弾を積んだミサイルを米国に 向けて発射しなければならない。 だが、あとから分かったことだったが、この「信号」はじつは誤報だった。人 工衛星が、雲の中の太陽放射からの反射をロケットエンジンの炎と誤認して、ロ ケット発射のエネルギー放電として感じたと報告したのだ。 宇宙空間からはふだんからいろいろな電磁波や光が地球に大量に飛び込んでき ている。そのうちで「意味のある」信号を拾い出すのはなかなかの難事なのであ る。多くの地震学者が信じない「電波を使った地震予知」も、地球内部からの電 磁波と、地球の外から来るさまざまな電磁波を見分けることの難しさが避けられ ない。
.. 2017年12月29日 08:40 No.1312001
|