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石原莞爾のことを書くのに悲劇の将軍というタイトルをつけた人がいる。けわしい道を歩くことになった人だけれど、どうも悲劇という感じがしない。他人としてみれば、喜劇になりそうなところもある。彼自身も最晩年にふりかえって、感謝にたえない一生であったという意味のことを手紙に書いている。人のことはわからないけれど、悲劇の将軍といえば、むしろ阿南惟幾などが、悲劇中の人物と思う。自身は前線で兵士とともに死ぬのが、本望であったろうが、陸軍大臣になって、板ばさみになって苦しんだように思える。そして武人としては立派かどうかしらないが、大臣としては正しい判断とは評価できない自決をもっておわったのは、運命の悲劇に思えるが、これも本人はどう感じていたかはわからない。
.. 2008年05月17日 21:23 No.130001
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