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原発被曝労働者の労働・生活実態分析 原発林立地域・若狭における聴き取り調査から | 著者・高木和美 (岐阜大学教授 地域科学部地域文化学科地域構造講座) └──── (元原発労働者梅田さんの裁判を 支援する会・事務局長)
本書は、「福祉研究者である著者が、原発労働の詳細な実態分析に取り組んだ 労作。1980年代後半に若狭地域の原発で働く日雇労働者の労働・生活問題をテー マにした学位論文と、原発労働での労災申請不支給処分をめぐる梅田裁判におけ る著者の意見書を元に完成させた」(明石書店HPより)
本書でも紹介されている、著者が梅田裁判に提出した意見書には、次の一節が ある。 「原発労働に従事して被曝し…労働能力を喪失したとしても、非正規雇用の被 曝労働者は、国民健康保険と自己負担において個人的な病気として治療を続け、 貯蓄等財産があればそれで生計を維持しながら、それらがほぼすべて費消された 段階でようやく生活保護法による生存権保障を受けることができるに過ぎない。 …健康保険にせよ、国民健康保険にせよ、ましてや生活保護制度は、労災制度 を肩代わりする筋合いにない。 …労災補償のシステム機能不全状態は、 …電力会社を頂点としてその傘下企業が加わった労働者やその家族への個別対 策によって、意図的に作られてきた側面が強い。」
末端の労働者の犠牲のもと繁栄してきた我が国の原発史や地域経済の実態を、 筆者自身が記録した労働者やその家族らの膨大な証言に基づいて解析した無二の 1冊である。 新刊(明石書店)本体5,500円+税
.. 2017年11月13日 14:17 No.1286001
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