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日本国憲法の「さようなら戦争」の精神は日本人の誇り (ルポライター)
「国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。 これを戦争の放棄というのです」 文部省(当時)が1947年8月に発行、全国の中学生へ副読本として無料配布した 『あたらしい憲法のはなし』の一節である。 「『放棄』とは『すててしまう』ということです。しかしみなさんは、けっし て心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行 ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」
戦争によって国を滅ぼした日本人の反省である。と同時に、もう決して戦争は しないとの固い決意でもあって、国際的な平和主義の主張がすがすがしい。わた したちはこの平和憲法のもとで、侵略戦争はもとより、他国の戦争にも加担しな い、という平和と自由と民主主義の70年間を守りつづけてきた。
だが安倍内閣が集団的自衛権を独断で容認し、憲法違反との批判の強い戦争法 制、共謀罪も強行採決、戦争と不自由と独裁への歯止めが非民主的に決壊させら れた。そのあと「敵基地攻撃能力の保有」とか、核持ち込みの容認論まで出てい る。
原発再稼働とプルトニウム保持による、核武装の潜在能力維持論もある。 日本国憲法の「さようなら戦争」の精神は日本人の誇りである。 「さようなら平和」には絶対しない。 (10月17日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)
.. 2017年10月18日 11:45 No.1272001
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