|
「次の大地震」 | 宝永地震なみの大きさになる可能性も | 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その211 └──── (地震学者)
◎ お盆なので、怪談をひとつ。 7月から、四国西部の地下深くで不思議な低周波地震が続いている。普通と違 う地震だ。7月に入ってから、いままでにないほど多くの低周波地震が起きてい る。、な 低周波地震とは普通の地震よりも周波数が低い地震で、日本各地でときどき観 測される。低周波地震は、固体ではなくて流体的なものが起こしているのではな いかと思われている。 これらの低周波地震が来るべき大地震の先駆けになるのかどうかは、現在の地 震学では分からない。かつて静岡の地下でいくつも起きた。そのときには「すわ 大地震か」と緊張が走ったが、結局何も起きなかった。だが、これからも大地震 に無関係かどうかは分からない。 近年、低周波地震が集中しているのは、東海地方から四国までという、南海ト ラフ地震が起きそうなところだ。それだけに気味が悪い。
◎ ところで、大分県佐伯市の間越(はざこ)海岸に小さな池がある。砂丘でせ き止められた龍神池と呼ばれる潟湖で、さしわたし100メートルあまりしかない小 さな池だ。 最近、この池の掘削で3つの砂の層が見つかった。この池は、過去の南海トラ フ地震の先祖がどのくらい大きなものだったかを調べるカギを握っている。この 研究は大分県東部から浜名湖までの日本の太平洋沿岸にある約30の湖沼で津波堆 積物の調査を行った一環だった。 もし大きな津波があれば、海際にある湖沼の底に津波が運んできた海の砂が堆 積する。海の底では波で消えてしまう堆積物が、湖沼の底では残る。約30の湖沼 のうち、もっともはっきりした結果が出たのがこの龍神池だった。 見つかったいちばん上の海砂の層は1707年の宝永地震、2つ目は1361年の正平 地震、3つ目は684年の天武地震の津波の痕跡だった。 過去約10回の南海トラフ地震の先祖のうち、砂層は3つしか見つからなかった。 それゆえ、九州で、とくに大きな津波を起こした先祖はこの3回しかなかったこ とが分かった。
.. 2017年09月25日 10:48 No.1259001
|