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ほとんどが税金の投入と電力料金への上乗せでまかなわれています | 原発と核燃料サイクルから撤退して膨大な無駄遣いをへらそう └──── (若狭の原発を考える会) [下]3回連載
(5)膨大な経費を使っても稼働できない六ヶ所再処理工場 原発の使用済み燃料を再処理する日本原燃の「六ケ所再処理工場」(青 森県)の建設費が、新規制基準への対応(重大事故時に指揮所となる緊急 時対策所や冷却水をためる貯水槽の新設など)で約7500億円増えて約2兆 9千億円になることが分かりました(7月3日)。当初の見込みの4倍近 くに膨らみます。 この再処理工場は1989年に事業を申請した当初は97年に完成する予定で、 建設費は7600億円を見込んでいました。 しかし、設備のトラブルが相次ぎ、完成は22回延期されています。建設 費は2005年時点で2兆1930億円でした。 維持管理費も増え、完成後40年間の総事業費は1.3兆円増の13.9兆円に上 ります。この費用は電力各社から集められるますが、結果的に、電気料金 として利用者が負担することになります。 なお、使用済核燃料は高放射線ですから、再処理工程の多くは、流れ系 を採用し、遠隔自動操作で運転されます。そのため、再処理工場には、 約10,000基の主要機器があり、配管の長さは約1,300kmにも及びます(うち、 ウラン、プルトニウム、死の灰が含まれる部分は約60km:継ぎ目の数は 約26,000箇所)。 高放射線に曝(さら)され、高温の高濃度硝酸が流れている容器や配管 の腐蝕(とくに継ぎ目)、減肉(厚さが減ること:溶解槽で顕著)、金属 疲労などは避け得ず、安全運転できる筈がありません。長い配管を持つプ ラントが地震に弱いことは容易にうなづけます。すでに、2兆2000億円以 上投入していますが、再処理工場は完成からは程遠い。(使用済核燃料を 再処理せず、燃料集合体をそのままキャスクに入れて、地中の施設に保管 する「直接処分」の方が安全で、廃棄物量も少ないとする考え方もあり、 アメリカはその方向ですが、10万年以上の保管を要し、これも問題山積です。)
.. 2017年09月12日 08:45 No.1254001
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