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原研 ずさんな専門集団 大洗被ばく、核物質の不適切保管が要因か
日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(茨城県)の作業員被ばく 事故で、現場の燃料研究棟は、核燃料サイクルの中核施設、高速増殖原型炉「も んじゅ」(福井県)の燃料開発などを担っていた。危険な核物質を扱う機構では これまでも、運営施設で安全管理の不備が続いている。
安全軽視で問題多発 夢の燃料 後始末で
「原子力の専門家集団として、重く重く責任を感じている」 センターの塩月正雄所長は8日、茨城県庁で取材にこう語った。 研究棟では6日午前、作業員が核燃料物質の貯蔵容器を開けたところ、中のビ ニール袋が破裂し、粉末状のプルトニウムを吸い込んで4人が大量に内部被ばく した。貯蔵容器は1991年に封印され、以降26年間、未開封だった。 施設は74年に設置。毒性が強いプルトニウムを扱っていたのは、「夢の原子炉」 と言われたもんじゅの新しい燃料を開発するためだったが、もんじゅはナトリウ ム漏れ事故などで稼働実績がほとんどなく、燃料需要は低かった。 研究棟は役割を終えたとして2013年に廃止が決定。もんじゅもその3年後、廃 炉が決まった。
今回の事故の背景には、機構のずさんな管理があったとみられる。 原子力規制委員会は今年2月、機構の複数の施設で核燃料物質が保管すべきで はない場所に長期間置かれていたとして、改善を求めた。被ばくした作業員は、 こうした管理が不適切な核燃料物質の保管場所を探していたという。
事故はずさん管理の「後始末」で起きたともいえる。もし機構が核燃料物質を 適切に保管していれば、避けられた可能性が大きい。 「原子力の専門家集団」を自任する機構だが、安全管理でこれまで何度も問題 を起こし、規制委から安全軽視の姿勢を繰り返し指摘されている。 もんじゅでは約一万件の点検漏れが発覚。機構は反省を口にしたが、その後も 新たな点検漏れが次々と見つかり、規制委から「資質なし」と勧告された。
.. 2017年06月12日 14:28 No.1207003
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