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【2】100km圏内に数千万人が住む;避難は全く不可能: 1,450万人の水源がある
高浜原発から50km圏内には、京都市、福知山市、高島市の多くの部分が含ま れ、100km圏内には、京都府(人口約250万人)、滋賀県(人口約140万人)のほ ぼ全域、大阪駅、神戸駅を含む大阪府、兵庫県のかなりの部分が含まれる。この ことと福島第一原発から約50km離れた飯舘村が全村避難であったことを考え合 わせれば、高浜原発で重大事故が起こったとき、500万人以上が避難対象となる可 能性があり、避難は不可能である。 しかし、政府や自治体が行う避難訓練では、そのことが全く考えられていない。 この圏内には琵琶湖があり、1,450万人の飲用水の汚染も深刻な問題である。 さらに、避難訓練には、原発事故での避難は極めて長期に及ぶ(あるいは永遠 に帰還できない)という視点がない。福島およびチェルノブイリの事故では、今 でも避難された10数万人の大半が故郷を失ったままである。 昨年8月27日に高浜原発から30km圏の住民179,400人を対象にして行われた避 難訓練は、最大規模と言われながら、参加者数は屋内退避を含めて7,100人余りで、 車両などでの避難に参加したのはわずか約1,250人であった。それも県外への避難 は約240人に留まった。 この規模は、重大事故時の避難の規模とはかけ離れた小ささである。車道など が使用不能になったことを想定して、自衛隊の大型ヘリによる輸送訓練も予定さ れていたが、強風のために中止された。また、悪天候のため、船による訓練は全 て中止された。老人ホームなどへの事故に関する電話連絡は行われたが、実際行 動の必要はないとされた。
【3】高浜、大飯、美浜原発は加圧水型(PWR)であり 沸騰水型(BWR)より安全とは言えない
原子力規制委員会や政府は、加圧水型原子炉(PWR)は、沸騰水型原子炉 (BWR)より安全であるとして、PWRである川内、高浜、大飯、伊方、泊な どの原発の再稼働を先行させようとしているが、これは、「事故を起こした福島 第一原発とは型が異なるから安全」とする国民だましである。
.. 2017年05月31日 08:26 No.1201009
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