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■--意見陳述書
++ 木田節子 (小学校低学年)…7回          

−政府はなぜ子どもたちの命を守らないのか
 |  大飯原発3、4号機運転差止訴訟・控訴審2017年1月30日
 |  名古屋高等裁判所金沢支部第10回口頭弁論 (上)(2回連載)
 └────  (原告・福島県富岡町から茨城県水戸市に避難)

(1) はじめに
◎あの忌まわしい東日本大震災から、間もなく6年になります。毎年3月になる
とテレビや新聞は、「あの日を忘れない」「被災地はいま」などのタイトルで特
集番組を始めますが、ここ2〜3年は順調に進む復興の話題が多いように感じま
す。
 福島に関しては避けて通れない原発事故の未収束については取り上げますが、
放射能汚染や事故を起こした東京電力が「因果関係はない」と主張する、子ども
の甲状腺がんなど、健康被害について伝えるのは一部の新聞社やテレビ局だけで
す。
 事業を再開したり風評被害払拭に挑戦する農家の方の「泣いてばかりはいられ
ない」「前向きに生きる」と話す姿で締め括られ、それが復興だと言われている
ような気がします。

◎除染の結果もはっきりせず、健康被害には触れず、汚染廃棄物の入ったフレコ
ンバッグだらけの町に帰還することだけが福島の復興なのでしょうか。復興の掛
け声に消され、あまり公にはされていない「福島の今」を、避難住民の一時帰宅
に同行し被災地の写真を撮り続けてきたカメラマンと、私と同じ双葉郡からの避
難者の証言、私の家族の体験から紹介させていただきます。

(2) 福島の今
◎原発災害で避難していた福島県の避難者数は最近のデータでは、9万人を下回
り約8万9000人となりました。
 内訳は県内避難が4万8000人で県外避難者は4万1400人となっています。一番
多かったのは2012年の16万5000人でしたから約7万人が県内に戻ったことになり
ます。
 この中には強制避難ではない自主避難者が含まれ3月には、避難先の住宅支援
が打ち切られてしまうため、仕方がなく戻るという人が今後さらに増えるかもし
れません。また、震災前は200万人だった福島県の人口は現在190万人に減少して
しまった。
.. 2017年04月26日 08:30   No.1187001

++ 木田節子 (小学校低学年)…8回       
◎仮設住宅やみなし仮設住宅(民間の賃貸住宅を県が借り上げたもの)を出たらど
うするかの問題があります。公営復興住宅は家賃が必要となり、山間部の村から
大きな町に避難した70代80代の方の中には年金が月に3〜4万という人も多く、
家賃を払うと暮らせなくなるため仕方なく未修理の家に戻るという人もいます。
 元々、農家をしながら現金収入のために原発で働くようになった人も多く、社
会保険加入のない非正規労働であった人ほど現状は厳しいようです。
 その仮設住宅では、自治会長さんがNPO法人を立ち上げお米や食料品の支援
を呼びかけています。現金収入を得るために除染の仕事に通う人もいます。

◎避難区域は帰還困難区域、居住制限区域、帰還準備区域に分けられていますが、
これは放射線量で決められた訳ではなく行政区で線引きされています。川や道路
を一本挟んで向かいは警戒区域のまま、こちらは帰還できる町という訳です。そ
の場合、精神的慰謝料がもらえる、もらえないの差が生じ住民間の分断が起きて
います。

◎私の住んでいた富岡町には県内でも有名な桜のトンネルがありますが、その桜
通りの右側は警戒区域のまま、左側は帰還解除となっています。放射線量にさほ
ど違いはないようです。

◎原発避難者は金がもらえる、億万長者が何人もいるなどと言われることも多い
ようですが、賠償は土地面積や家屋の築年数、暮らし向きによってまちまちです。
 住み替えをするにも、帰還が決まれば町に残した自宅と転居先の家にも課税さ
れ、知らずに家を建てた人たちは、持ちたくもないのに別荘を持たされたような
もんだと嘆いています。土地と家の賠償にはローンの補償は入っておらず、震災
以降も返済義務があります。

.. 2017年04月26日 08:36   No.1187002
++ 木田節子 (小学校低学年)…9回       
◎置き場のない除染ゴミや震災ガレキ処分のためにあちこちに焼却炉が建設され、
焼却灰は1キロ8000ベクレル以下のものをフレコンバッグに詰めてにコンクリー
トを流したプールの中に直置きです。シートをかけて保管の最終処分場扱いです。
 最近では焼却灰は公共工事で再利用できることになりました。1キロ8000ベク
レルでも1トン入りのフレコンバッグになれば800万ベクレル。そういった事業に
は大手ゼネコンが参入。仮設扱いで建設から稼働、事業終了までで何百億の大判
振る舞い。住民への説明会を開くときにはすでに建設が決まっています。

◎昨年、帰還に伴い助成金制度を利用して農業を始めた若夫婦が2人で自死しま
した。苦労してイチゴ栽培を始めたものの、県内のスーパーでもまだまだ遠方野
菜のほうから売れていくのが実情で、売り場に残された見切りの値段のあまりの
安さに将来を悲観したのではと言われています。
 子や孫が県外避難したなどで、独り暮らしになった年配者の孤独死が多く、死
因は急性心筋梗塞や脳溢血。不明の場合は突然死とされる。突然死は年配者だけ
ではなく60代にも多発している。

◎三春町の高台に住む知人が、「カラスが鳴かない日はあっても救急車のサイレ
ンが鳴らない日はない。三春町を東西に走る国道288号線は原発被災地の双葉町と
郡山市を結ぶ道。イチエフ収束現場の排気塔は、以前は2箇所だった亀裂や腐食
が10箇所に増えた。頻繁に起きる地震のたびに大丈夫か?と心配になる。
 (下)につづく

 (「−若狭の原発を考える−はとぽっぽ通信」2017年4月第216号・「原発設置
反対小浜市民の会」発行より許可を得て転載)

.. 2017年04月26日 08:51   No.1187003
++ 木田節子 (小学校中学年)…10回       
意見陳述書−政府はなぜ子どもたちの命を守らないのか
 |  大飯原発3、4号機運転差止訴訟・控訴審2017年1月30日
 |  名古屋高等裁判所金沢支部第10回口頭弁論 (下)
 └────  (原告・福島県富岡町から茨城県水戸市に避難)

◎福島県の子どもの甲状腺ガン発症者が2016年12月には、疑いを含めて183人と発
表されました。平時の子どもの発症率は100万人に1人から2人と言われているこ
とに照らし合わせると、福島の子どもは1億8000万人、または9000万人以上いな
ければならないことになります。震災当時18歳以下だった福島県の子どもは約
37万人、日本の総人口は1億3000万人です。

◎福島県は震災の年から県民の甲状腺検査や、体内の被ばく量を測定するホール
ボディ検査を行っています。治療や経過観察が必要とされた人の医療費は福島県
が全額負担することになっていますが、甲状腺の摘出手術を受ける時、転移・再
発については「口外しない」という同意書を書かなければなりません。そのため
か、どのような治療が行なわれているのか分かりません。
 親たちが同意書に応じてしまうのは、同意しなければ治療費が自己負担になる
ことや、子どもの将来への影響を考えてしまうからでしょう。
 甲状腺がん発症者は子どもだけでなく大人にも多発している。県の検査で3回
異常なしと言われたが、気になるので他の病院で診てもらったらがんだった。肺
の裏まで転移していて手術後にアイソトープを飲む治療を受けた。この治療は放
射能を飲む治療で、治療中は誰にも会えない。自分自身が放射性物質になるよう
なもの。医者も防護服を着用し、着替えは放射性廃棄物なので処分。治療期間は
4日間だったが現在体調は良好とのことです。

(3) まとめ
◎私は原発避難者になるまで、原発の町に暮らしながら、原発が過酷事故を起こ
すほど脆弱であるなどと考えたことがありませんでした。震災時は所用があって
福島には居りませんでしたが、爆発した原発の状況を繰り返し伝えるニュースの
映像と緊張感ある政府発表で、はじめて現実に目覚めたのです。
 

.. 2017年04月27日 08:16   No.1187004
++ 木田節子 (小学校中学年)…11回       
それでも、当初は避難生活が6年も続くとは思いませんでしたし、その後議論
されるようになった健康被害が発生したり、最悪、双葉郡全体が移住することに
なったとしても「この国は福島県民を見捨てることはしない。さまざまな補償は
してくれるだろうし、加害企業の東京電力は責任を取るに違いない」と信じてい
たのです。

◎よもやフクシマを教訓に一度は止まった全国の原発を、再び動かす日が来ると
は考えもしませんでした。「政府は加害者であるはずの東電は守り、なぜ福島県
民や子どもたちの権利や命を守らないのか」…

◎「ICRPとは国際放射線防護委員会の略称で、専門家の立場から放射線防護
に関する勧告を行う民間の国際学術組織。非営利団体として公認の慈善団体でも
ある」とあります。そのICRPも「1年間の被曝限度となる放射線量を平常時
は1mSv未満」と定めていました。
 ところが、福島の原発爆発からわずか1ヵ月後の4月21日、文科省は「暫定的」
としながらも、福島県内の小中学校等の安全基準として年間20mSv以下の新基準を
適用するよう、福島県に通知しています。

◎東電第一原発爆発後、原発から30キロ圏内が強制避難区域とされたのは平時の
1mSvが適用されたためで、新しい基準の20mSvを適用後は、原発事故による放射
能汚染が広がった場合でも、その加害者である電力会社は広範囲で長期に渡る責
任、つまり損害賠償を、以前に比べて軽減できることになる。
 福島を例にとれば、国がどれほど費用をかけて除染しても基準値である年間1
mSv以下にはならずにお手上げ状態の汚染地帯が、今回の新基準を当てはめれば
20倍も緩くなり、除染の必要はなくなってしまう。同時に家や土地などの損害賠
償の対象地域も狭まるだろう。また原発を新設する上でも避難区域の設定が狭ま
ることでハードルが今よりも低くなる。まさに推進派にとっては全てにおいての
魔法の規定。

.. 2017年04月27日 08:26   No.1187005
++ 木田節子 (小学校中学年)…12回       
◎調べるほどに一度は暗澹(あんたん)たる気持ちになった時、一審の福井地裁判
決を読み直しました。日本政府がすでに原発を推進した後であっても、「豊かな
国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すこと
ができなくなることが国富の損失」の言葉で、推進する人々を諭してくれました。

◎「原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発
事故を通じて十分に明らかになったといえる」と、数年先を予告し、福島の今が
福井の未来にならないようにと、守っていただきました。

◎本日の裁判官の皆さまには、魔法の規定に頼ることなく、あなたの町を次のフ
クシマにしなかったのは私たちですと誇れる、素晴らしい判決を下されるよう、
お願い申し上げます。(了)

 (「−若狭の原発を考える−はとぽっぽ通信」2017年4月第216号・「原発設置
反対小浜市民の会」発行より許可を得て転載)

.. 2017年04月27日 08:32   No.1187006
++ 伊東良徳 (幼稚園生)…4回       
柏崎刈羽原発差止訴訟の準備書面を先行公開
 |  柏崎刈羽原発にはまともな緊急時対策所がありません
 |  大津波(大地震の後に来る)の対策の要の防潮堤が
 |  大地震の時には地盤が液状化して耐えられないことが発覚
 └────  (弁護士)

 5月18日の柏崎刈羽原発差し止め訴訟第19回口頭弁論期日で陳述する準備書面
を先行公開しました。
こちら

概要は、次のとおり。

 福島第一原発事故の際、事故対応の拠点となった免震重要棟。
 柏崎刈羽原発では、その免震重要棟が大地震(基準地震動)に耐えられないため
使えず、唯一の緊急時対策所となる5号炉緊急時対策所が、福島第一原発事故の
時に水素爆発で破壊された場所(に相当する場所)にあるという重大な欠陥があっ
て、結局、柏崎刈羽原発には、まともな緊急時対策所がありません。

 大津波(大地震の後に来る)の対策の要の防潮堤が大地震の時には地盤が液状化
して耐えられないことが発覚し、それに続いて大地震に起因する重大事故での使
用を第一に想定する(そうでなければ「免震」の意味がない)免震重要棟が大地震
に耐えられず、福島第一原発事故と同等の放射性物質放出時にも重大事故対処に
用いるための緊急時対策所が福島第一原発事故で破壊された場所に作られる。

 こういうことを見ると、東電の重大事故対策は、根本的に設計思想レベルで深
刻な欠陥がある(東電には重大事故対策の立案・実施能力がない)と考えざるを得
ません。
 そして、東電が、免震重要棟の耐震性について虚偽説明を続けていたことは、
東電の安全対策に関する主張全般の信用性に疑問を生じさせます。

.. 2017年05月16日 08:29   No.1187007
++ 冨塚元夫 (平社員)…131回       
東電株主代表訴訟第33回口頭弁論を傍聴しました(6/1)
 |  被告ら(東電元幹部)は津波の可能性を予見しており、
 |  対策を講じていれば、事故を防ぐことができた民事裁判
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

◎ 福島第一原発事故を巡る東京電力の株主代表訴訟の第33回口頭弁論が6月1
日、東京地方裁判所で行われました。第1回公判からすでに5年が経過しました。
 原告側弁護士が準備書面22、準備書面24、そして「訴えの取り下げ書」の説明
をしました。
 被告ら(東電元幹部)は津波の可能性を予見しており、対策を講じていれば、事
故を防ぐことができたわけですが、被告側から「いかなる規模の津波を予見する
ことができたと言っているのか」という質問があり、それに答えたのが準備書面
22です。
 「予見の対象となる津波は、原発の敷地を超えて非常用電源設備等の安全設備
を浸水させる規模の津波」というのが返答でした。
 被告はO.P.(注)15メートルのような巨大な津波は予見不可能だったというこ
とを相変わらず主張したいようです。

◎ 準備書面24では、2005年ころ原子力安全委員会が電事連に3年以内に耐震バ
ックチェックを完了するように指示した件の経緯を確認しました。3年が経過し
た場合には、原子炉の稼働を停止するという前提条件だったことも明確にしまし
た。
 原告側は歴代経営陣27人を訴えていましたが、22人に対する訴えを取り下げ、
責任追及の対象は、勝俣恒久元会長ら5人に絞りました。
 勝俣のほかは、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長、清水正孝元社長、小森明
生元常務です。5人に絞った理由は、「予見の可能性」を1人、1人について具
体的に述べるように、裁判所から指示されたからだと思います。

◎ これまでは、総額約9兆円を賠償するよう請求してきましたが、ここにきて
22兆円に増額しました。昨年12月に経産省の東京電力改革1F問題委員会が事故
の損害金額見積もりを22兆円に増額したからです。この委員会は22兆円のうち、
2兆円は国が、4兆円は新電力ふくめ他電力会社が負担するように言っています
が、全額東電が負担すべきものだからです。

.. 2017年06月05日 08:50   No.1187008
++ 冨塚元夫 (平社員)…132回       
◎ この民事裁判と並行して進めて来た刑事裁判(東電元幹部に対する告訴によ
り、検察審査会が決定した元幹部3人の強制起訴)は第1回口頭弁論期日がやっ
と6月30日と決まりました。
 これまで入手できなかった政府事故調での勝俣被告らの調書などが刑事裁判の
証拠として、提出されることが期待されています。
 多くの新証拠によって、この民事裁判が飛躍的に進行すると期待されます。

※(注)「O.P.」:小名浜港(福島県南東部のいわき市)工事基準面
   「東京湾平均海面」の下方0.727mにある基準面

.. 2017年06月05日 08:58   No.1187009
++ 山田政夫 (小学校中学年)…11回       
金田勝年法相『横浜事件』を知らない
 |  治安維持法について答弁していたのに
 |  6/8傍聴報告 大臣も副大臣もオロオロ
 └──── (「平和通信」発行者)

議員会館前での共謀罪NO!抗議行動
 6月8日、国会正門前で、この日の議員会館前での共謀罪NO!実行委員会・
総がかり行動実行委主催の抗議行動で、金田法務大臣は『横浜事件』を知らなか
った、という法務委員会傍聴者の報告があったことが話題になった。
 「今日の法務委員会を傍聴してきた。山添議員が金田法務大臣に『横浜事件』
を知っているか、と質問した。すると、金田勝年法務大臣も副大臣もオロオロし
た。ものすごくみんなあせって、官僚の人たちも書類をいろいろ回している。大
臣は知らなかった。すごくショックだった。こんなに治安維持法、治安維持法と
言っているときに、この事件を知らずに、その程度の感覚で、法務大臣は治安維
持法はなんとかって以前に答弁している。よく言えたものだ。大変ショックだっ
た」 (後略) (「平和通信」2017年6月9日発行より抜粋)

.. 2017年06月14日 09:24   No.1187010


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