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怒れる老人たち 鎌田 慧(ルポライター)
先週末、大阪扇町公園「戦争をさせない関西大行動」集会のあと、パレードの 終点は、大阪駅近くの西梅田公園だった。 行進してきた人たちの笑顔を眺めていて、わたしは若い人たちが多いのを不思 議に思っていた。「若いですね」と思わず隣にいた労組出身のFさんに声をかけ てしまった。 20代、30代の若ものが多く、新鮮な感じにとらわれていたのだ。「組合員です からね」とFさんは当たり前だろう、といった表情である。
主催したのは、戦争をさせない1000人委員会なのだが、参加者に日教組の教員 や自治労の地方公務員など、安倍首相や橋下元大阪市長らに嫌悪されている組合 員が多かった。それと中小企業の労働者である。
東京での、代々木公園や日比谷野外音楽堂、国会前の集会は、平日の夜が多い こともあって、労組員よりもはるかに高齢者のほうが多い。「怒れる老人たち」 とわたしがひそかに思う、60代後半から80代までの昔の若者たちである。
戦争につながる安倍政権の政治に抵抗する大衆運動を担ってきたひとたちは、 実はかつて労組の組合員として集会に参加したり、機関紙誌を読んで学習、ある いは学生運動に参加して政治批判の視点を身に付けてきた。 労働運動と学生運動停滞と断絶が現在の暴政を許してきた。 これらの運動が再興されるまで老人が担おう。 (4月18日朝刊25面「本音のコラム」より)
.. 2017年04月19日 11:54 No.1183002
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