|
最後の命綱の住まいを奪わないで! | 「自主避難者」(区域外避難者)の声に耳を傾けよう! └──── (NPO法人ふくしま支援・人と 文化ネットワーク・理事)
◎貧困か、被ばくかの選択を迫る住宅無償提供の打ち切り
東電福島第一原発事故によって、47都道府県に避難を余儀なくされた中で「自 主避難者」と呼ばれている人々は、国が決めた「帰還困難区域」「居住制限区域」 「避難指示解除準備区域」以外からの避難者です。 「自主避難者って東電から多額の賠償金もらって、福島に住めるのに勝手に避難 したのでしょ?」このようないわれのない誹謗・中傷に傷ついた「区域外避難者」 は少なくありません。 なかでも、親や夫を福島県内に残し避難せざるを得なかった「母子避難者」は、 「これ以上子供を被曝させられない」その一心で県外避難を決心しました。東電 による定期的な賠償金はゼロ、転居費用は全額自己負担です。 避難者は慣れない土地での仕事や保育所探し、子どもへのいじめ、無理解な周 囲の冷たい視線や孤独と闘いながら耐えてきました。そこに追い打ちをかけるよ うに国と福島県は、自主避難者への唯一の支援である住宅の無償提供をこの3月 末で打ち切るという暴挙(棄民政策)に出ました。 避難者切り捨ての「強制帰還」促進施策です。
◎一人も路頭に迷わせてはならない
3月末で打ち切りとなる県外「自主避難者」は12,363世帯です。その人たちを 対象に福島県が調査した結果、1月27日現在で4月以降に入居が確定しているの は82.5%の10,205世帯。 しかし、「避難の協同センター」の調査によると約7割が4月以降の住居が未 定であることが判明しました。福島県の数字は、「転居する気持ちは固まった」 という人も含まれており、必ずしも4月以降の住居が決定したわけではありませ ん。 さらに、東京都などの首都圏の自治体では、4月以降にも公営住宅の提供をし ていますが、「ひとり親」「3人以上の子どもがいる」など世帯要件が厳しく、 多くの人が入居募集さえもできずに将来への不安は募るばかりです。
.. 2017年04月07日 10:04 No.1177003
|