|
| 現在の苦境に陥った! | 東芝が米国で進めていた原発建設が暗礁に | 米電力大手NRGエナジーが撤退 | LNG(液化天然ガス)プロジェクトの失敗= | 原油価格半額へダウン | 明日に向けて(1349) └──── (フリーライター)
東芝の崩壊過程の考察の3回目です。 ◎ 前回は東芝が2006年に無理をして購入した米ウェスチング・ハウス社 の原発建設が次々と訴訟を引き起こして泥沼に入っていったことを書きま した。 今回は、東芝本体自身がやはりアメリカで進めていた原発建設もまた暗 礁に乗り上げてしまった点について解析していきます。
問題はサウス・テキサス・プロジェクト(STP)と呼ばれるもので、テ キサス州ヒューストン近郊に2基の原発の増設を狙ったものでした。 発注元は米電力大手NRGエナジー(ニュージャージー州)。もともと2 基の原発を所有していますが、3号機、4号機を作ろうという計画でした。 受注は2008年3月。炉のタイプは東芝が長年手がけてきた沸騰水型原子 炉(BWR)の改良型(ABWR)で出力は1349メガワット、建設費1000億ド ル(当時の為替レートによれば約8000億円)で、2015〜16年の運転開始が目 指されていました。
◎ WH社の原発建設計画が、東芝にとっては、アメリカの原子炉メー カーを子会社化したものであったことに対し、STPは東芝純正の原発を アメリカに建てる計画でしたから、日本で初めての原発輸出事業でした。 東芝は発注元のNRGエナジーとともに事業会社であるニュークリア・ イノベーション・ノース・アメリカ(NINA)を起ち上げてこの事業を進 めました。 最大手の出資者はNRGエナジーで22億ドル(持ち株比率88%)、東芝 が3億ドル(12%)でしたが、さらに約10%に相当する2億5千ドルを東京 電力が追加出資することになっていました。東電もまた次世代戦略として 海外進出を目指していたのでした。
ところが2011年3月11日に福島第一原発が大事故を起こし、東電は自社 の破綻の可能性にも直面して、出資どころではなくなってしまい、早々に 撤退しました。 するとこれをみてNRGエナジーが、事故から一月余りの4月19日にや はりいち早く
.. 2017年02月21日 18:21 No.1152001
|