返信


■--福島第一原発事故避難者の住居費は東電が保障せよ!
++ 渡辺秀之 (大学生)…83回          

 |  東京電力は福島第一原発事故の責任をとれ!
 |  東電の情報隠しは許せない!
 |  放射能汚染水止めろ!柏崎刈羽原発再稼働するな!
 |  1/11第40回東電は責任をとれ!東電本店合同抗議の報告
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

●厳しい冷え込みの中、1月11日(水)17時30分から18時15分まで、「再稼
働阻止全国ネットワーク」主催の「川内原発今すぐ止めろ!」九州電力東
京支社抗議行動(有楽町電気ビル前:JR有楽町駅出口すぐ)が行われた。
参加者は、約65人。

●引き続き、18時30分から、東京電力本店前で「東京電力は福島第一原発
事故の責任をとれ!東電の情報隠しは許せない!放射能汚染水止めろ!柏
崎刈羽原発再稼働するな!」のコールが鳴り響いた。
 呼びかけは、「経産省前テントひろば」と「たんぽぽ舎」であり、126の
賛同団体と共に、第40回東電本店合同抗議行動が行われた。
 参加者は約100人。
 オープニングコールの後、大太鼓が東電本店前に鳴り響いた。
 最初に、女性(脱被ばく実現ネット)から、“Days Japan”(2016年12月
号)掲載記事の紹介があった。以下のあきれ果てた回答とのことです。

Q1)福島の農民の質問:
  自宅と農地の間が除染されておらず放射線量が高いが、
  農地に行く場合、どうしたら良いか?
A1)日本原子力研究開発機構の回答:走り抜けてください。
Q2)福島の農民の質問:
  農作業中に、舞い上がる土やホコリを吸い込んだ場合、
  どうしたら良いか?
A2)日本原子力研究開発機構の回答:鼻をかんで下さい。

●次に、日本音楽協議会による「音楽での抗議」が行われ、歌声が夜空に
響いた。
続いて、東電への申し入れを行った。武笠さん(反原発自治体議員・市民
連盟)、たんぽぽ舎の計2通の申し入れ書が読み上げられ、東電の警備員
に手渡された。

●情勢報告として、山崎久隆さん(たんぽぽ舎)が、東電及び政府の最近の
問題点について報告。
1)東電福島原発事故処理に係る廃炉、除染、賠償などの費用の試算額
が、21兆5000億円と巨額だが、東電が責任を取らないまま、国民負担で良
いのか?
2)この費用負担に係るパブリックコメントを募集中であるにも拘わら
ず、託送料金で回収するとの内容が、2016年12月20日に行われた閣議決定
に盛り込まれているプロセスの不当性。
3)託送料金で回収するという姑息な方法であり、「経済産業省令」とし
て決められる見通しだが、重要な問題なのに国会で審議されないこと。

 その後、「放射線被ばくを学習する会」など7団体から、アピールや関
連イベントの告知があった。
 最後に、ドンパン節(柏崎刈羽バージョン)を全員で歌い、大太鼓で締め
くくり、19時35分に終了。
 なお、カンパ額は30,100円でした。ご協力、ありがとうございます。
また、大阪にある「毎日放送」が、抗議の様子を取材しました。

.. 2017年01月18日 08:33   No.1143001

++ 木村雅英 (部長)…187回       
既に使用済み核燃料50トン弱を排出
 |  緊急時対策所はまだまだ
 |  1/11九州電力東京支社への申し入れ報告
 └────  (再稼働阻止全国ネットワーク事務局)

 1月11日(水)17時に、4人で有楽町駅前・電気ビルディング7階の九州
電力東京支社応接室に入り、業務推進グループの瀬戸さん(と後に藤本グ
ループリーダ)と面会した。
 まず、「再稼働阻止全国ネットワーク」からの「抗議・質問書」を読み
上げて提出。耐震対策・免震重要棟・避難計画に絞って抗議して質問し、
メールによる回答を依頼した。
 続いて、武笠さんが「反原発自治体議員・市民連盟」の申入書「今、稼
働している「川内原発」の事故に備えて、とのくらいの金額を用意してい
ますか?」を読み上げて提出し、FAXによる回答を依頼した。
 提出後の話では、川内原発の再稼働により既に約50トンの使用済み核燃
料を排出したこと、緊急時対策所(耐震重要棟)の建築は工事計画認可の
審査も行っていないのでまだ工程は未定であることが明らかになった。



.. 2017年01月18日 08:56   No.1143002
++ 槌田 敦 (小学校高学年)…26回       
あくなき核兵器願望  (上)
 |  「東海原発」、「常陽」、「もんじゅ」、「福一4号」
 |  そして「日英共同開発」
 └──── 2017年1月 (元、理化学研究所研究員)

 戦後70年余、日本政府と技術者は国民に隠れてこっそり、核兵器開発を
続けてきた。その全貌をここに示す。

1.[東海原発]

 アイゼンハウア大統領の「平和のための原子力」を受けて、日本原子力
発電(株)が設立され、イギリスGEの黒鉛炉を購入した(1959)。この原子
炉は周辺部の天然ウラン燃料で軍用プルト(濃縮度96%以上)を生産できる。
 そのため、アメリカは日本での再処理を許さなかった。そこで、イギリ
スがこの軍用ブルトを日本から購入して再処理し、イギリスの核兵器を生
産してきた。日本がイギリスの核兵器生産に協力したのである。

 (注)、「プルト」とはプルトニウムのこと。ウラニウムを「ウラン」と
するのと同じ

2.[高速実験炉常陽]

 この経過に不満を持った原子力研究所(原研)の技術者集団は、軍用プル
トを生産するため、高速炉常陽の設計に着手した(1964)。彼らの目的は
「人民政府ができたとき、核武装するため」であった。当時、原研にも研
究の自由は保障されていた。
 しかし、このような目的を持った研究開発を政府が許す筈がない。原研
の概念設計が完成した段階(1967)で、政府はこの事業を動力炉開発事業
団(動燃)に移させた。ところが、動燃には高速炉の技術者はいない。そこ
で、原研の職員が動燃に出向して建設作業を請け負うことになった。
 この日本の核計画を知ったアメリカのカーター大統領は、常陽から軍用
プルトを生産する外周の天然ウラン燃料(ブランケット)を外させ、中性子
照射実験専用の原子炉に変更させた。
 しかし、このブランケットですでに生産した軍用ブルト約30キロ(核兵
器10発程度)の所有権は日本にあり、これを取り上げることはできない。
この残された軍用プルトは国内保管の筈である。

3.[高速増殖炉もんじゅ]

 政府は、高速炉を使って発電する動力炉を、動燃に開発させることにし
た。この原子炉は、核分裂するプルトの数より生成するプルトの数が多い
という理由で増殖炉と呼ばれている。
 しかし、倍増するのに20年もかかり(三木良平『高速増殖炉』)、さらに
再処理での目減りを考えると損失になる。それでも建設するのは、常陽と
同じで、ブランケットで軍用ブルトが得られるからである。
 しかし、世界中でこの高速増殖炉がブームとなっていたので、アメリカ
は日本の高速増殖炉を黙認する外なかった。
 ところで、諸外国では、高速増殖炉のトラブルが続き、次々と撤退して
いくことになる。
日本でも同様であった。けれども、軍用ブルトを生産したい政府は、この
もんじゅを手放さなかった。だが、気の緩みか、原子炉内で装置をぶつけ
て壊してしまった(2010年)。
 液体金属ナトリウムの中では光が通らないので、破損状態を確認でき
ず、対策の立てようガない。同様に、常陽も、装置をぶつけて壊し、やは
り対策の立てようがなく、日本での高速炉による軍用プルトの生産計画は、
常陽、もんじゅともに頓挫することになった。 (下)に続く


.. 2017年01月18日 10:08   No.1143003
++ 槌田 敦 (小学校高学年)…27回       
あくなき核兵器開発願望  (下)
 |  「東海原発」、「常陽」、「もんじゅ」、「福一4号」
 |  そして「日英共同開発」
 └──── 2017年1月  (元、理化学研究所研究員)

 戦後70年余、日本政府と技術者は国民に隠れてこっそり、核兵器開発を
続けてきた。その全貌をここに示す。

1.[東海原発]
2.[高速実験炉常陽]
3.[高速増殖炉もんじゅ]
以上の3つは、1月16日発信の【TMM:No2975】に掲載しました。


4.[福一4号(東電福島第一原発4号機)]

 そこで気づいたのが、沸騰水型軽水炉である。そもそも沸騰水型軽水炉
は、GEが核兵器開発のために設計した原子炉である。そこで古文書を探
しだし、沸騰水型軽水炉を用いて軍用プルト(注1)を生産する方法を確認
し、定検に入ることになっていた東電の福島第一4号機(日立製)で、東電
と日立が共同して実験することにしたものと思える。
 沸騰水型軽水炉を用いる軍用プルトの生産方法は、原子炉の中央に配置
した低濃縮ウラン集合体を天然ウラン集合体に置き換え、制御棒を引き下
ろして臨界とし、発生する中性子を天然ウラン集合体に照射すれば得られ
る。この原子炉は蓋を外して運転できるから、照射し終わった天然ウラン
集合体の回収とその交換は極めて容易である。
 ところが、運悪く2011年3月の東北大地震によって制御棒が多数脱落
し、福一4号は自動運転状態となり、この軍用ブルトの生産実験は失敗し
た。東電の慌てようは並ではない。テレビ会議を完全非公開しておきなが
ら、燃料集合体のうち24本を特別扱いしたことをばらしてしまった。特別
扱いするのは、天然ウラン集合体だからである。


.. 2017年01月18日 10:36   No.1143004
++ 槌田 敦 (小学校高学年)…28回       
5.[日英共同開発]

 福一4号(東電福島第一原発4号機)による軍用プルト生産実験はこっそ
り進める予定であった。
 しかし、この4号機では原子炉建屋を大破壊する事故にしてしまった。
そして、この事故でヨウ素131や硫黄35の放出があり、4号機での軍用プ
ルトの生産実験は暴露されてしまった。そのため、今後日本では、沸騰水
型軽水炉による軍用プルト製造の再実験は不可能となった。
 そこで選ばれたのが、日英共同開発てあった。核問題でのイギリスとの
付き合いは当初からであり、その再開である。日経新聞はその内容を次の
ように伝えている。
 「政府は、英国が計画する原子力発電所の建設プロジェクトを資金支援
する。英国政府から原発の建設・運営を受託した日立製作所の英子会社に
国際協力銀行(JBIC)や日本政策投資銀行が投融資する。支援総額は1
兆円規模になる公算が大きい。
 先進国の原子力事業に、日本の官民が資金と技術の両面から深く関わる
異例の展開になる」。
 ここで、『資金と技術の両面から--異例の展開」とは、通常の商取引で
はないことを示す。支援対象は、日立子会社が英中部ウィルファに建設す
る原発2基。建設資金は約190億ポンド(約2.6兆円)、英国が25%、日立
が10%、それに日本政府による「異例の資金支援」は1兆円(38%)である。
 つまり、建設資金の約半分(38+10=48)%は日本の官民負担である。
 日本には「異例」の目的があり、そのために「資金支援」することを示
している。
 沸騰水型軽水炉の日英共同開発とは、原子力の軍事利用について日本官
民の資金と技術の移転である。この「異例の資金と技術の支援」は、イギ
リスに対する日本の軍事援助であり、許されることではない。
 「原子力民間規制委員会・東京」(注2)では、上記沸騰水型軽水炉での
軍事開発とその援助を禁止する勧告を検討している。(了)

(注1)「プルト」とはプルトニウムのこと。ウラニウムを「ウラン」と
するのと同じ。
(注2) 原子力民間規制委員会
 原子力規制委員会の規制には欠陥があるので、これに代わり、規制勧告
する民間組織。これまでに、かごしま、伊方、東京の3組織が設立され活
動している。


.. 2017年01月18日 10:53   No.1143005
++ 木村俊雄 (幼稚園生)…1回       
最低限の解析もせずに「炉心冷却機能に問題がない」と
 |  言ってしまう、規制当局に呆れる
 |  「計測用配管の耐震性強化」の質問に対して
 └──── (元東電社員)

 高知県の木村俊雄さん(元東電福一エンジニア)から、原子力規制委員会
の見識に対し以下のようなコメントをたんぽぽ舎に送っていただきました
のでご紹介します(事故情報編集部)。
 木村さんのお知り合いの方が以下のやり取りを原子力規制委員会とされ
たそうです。
---------------------------------------------------------------
 2016年12月14日の「計測用配管の耐震性強化がなぜ行われないのか」
という私の質問に対し、12月20日に原子力規制委員会から回答をいただ
きました。
 それは、「計測用配管は小口径配管であり、漏洩があったとしても
原子炉の冷却機能に影響を与えるものでないことから、耐震性の強化を
求めていない」★というものでした。(以下省略)
--------------------------------------------------------------

原子力規制委員会の上記の見解★に対して木村俊雄さんから一言

規制当局さま
先ずは、原子力規制委員会と原子力規制庁は、福島第一原発1号機の配管
漏洩について、以下の事象検証を行う義務がある。

(1)原子力安全基盤機構が、「極小漏洩の可能性の有無を判断できない
(岩波書店、科学、2013年11月号、1227頁参照)。」と言っている事実の
下、今回の炉心流量低下のデータにより、最小限界出力比(MCPR)の
解析を全ての原子炉(福島第二原発含む)行うこと。

(2)さらに、日本原子力学会の「BWR(沸騰水型原発)における過渡的
な沸騰遷移の燃料健全性評価基準:2003」に基づき、今回の福島第一原発
事故の燃料挙動解析を全ての原子炉(福島第二原発含む)で行うこと。
 上記解析により、各原子炉において今回の事象でドライアウト、リウ
エットの有無やドライアウトの継続時間評価が可能となる。
 ここまで事象検証して初めて極小漏洩による原子炉および燃料への影響
評価の第一ステップが終了する。
 この結果により、極小漏洩による原子炉および燃料の影響の有無が判明
することになる。
すなわち、今回の事象が炉心冷却機能へ影響したかどうかが判明するわけ
である。
 その上で、原子力規制委員会と原子力規制庁は、炉心冷却機能の問題の
有無を論じたら、説得力があるわけである。

 しかし、最低限の上記解析もせずに、「炉心冷却機能に問題がない」と
言ってしまう、規制当局の技術力のなさには全くお話にならず呆れるしか
ない。


.. 2017年01月19日 08:09   No.1143006
++ 横田つとむ (幼稚園生)…2回       
九州電力玄海原発再稼働反対!
 |  もっと世論を盛り上げていきたい
 └────  (あんくるトム工房)

お疲れさまです。
 九州電力の玄海原発は この夏、再稼働をもくろんでいますが、
近隣の市町村は伊万里市、壱岐市など反対の意思を表明するところ
が増えています。
 もっと広範囲の地方自治体も原発再稼働反対の意思表示をできる
ように世論を盛り上げていきたいものです。
 30Km範囲で枠を囲っていますが、福岡市などは50Kmであっても、
西風が吹けば、たちまち、放射能に汚染されてしまいます。
避難する暇さえないのです。
地域住民で反対して、玄海原発の再稼働を止めたいものです。


.. 2017年01月23日 08:13   No.1143007
++ 渡辺マリ (高校生)…50回       
東電福島第一原発事故による汚染土を「安全に」
 |  「全国にばらまく」環境省方針って何?
 |  お話:まさのあつこさん
 |  2/8(水)学習会のご案内・ご参加下さい!
 └──── (「スペースたんぽぽ」講座運営委員)

  お 話:まさのあつこさん(ジャーナリスト)
  日 時:2月8日(水)19時より21時(開場18時30分)
  会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
  参加費:800円(学生400円)

○福島県の汚染土壌の量は3000万トン→東京ドーム18杯分
○処理に苦慮したあげくの環境省の再利用構想
  →8000ベクレル/kg以下の汚染土を公共事業で使う→バラマキ
○この環境省方針8000ベクレル/kg以下とは
 チェルノブイリ法の「移住権付居住ゾーン」や「退去対象ゾーン」
○「原子炉規制法」で再利用できるコンクリートや金属などの
汚染濃度は→100ベクレル/kg
◇再利用に放射性物質として扱う必要がなくなる濃度になるのは
 →約190年必要
◇地震、津波、大雨、火山噴火、日常的に行われている道路工事…
 この日本列島で190年に耐えられる地域はどこ?
◇私たちには、汚染土がどこで「再利用」されるのか、分からない

放射能をばらまいた東京電力の責任は不問に付され
その結果としての被ばく負担は私たちに!
こんなことでいいわけはない!

まさのあつこさんのプロフィール
 東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了、博士
『単著』:「投票に行きたくなる国会の話」(ちくまプリマ-新書)
      「4大公害病」(中公新書)
『共著』:「社会的共通資本としての水」(花伝社)
「公害・環境問題と東電福島原発事故」(本の泉社)


.. 2017年01月23日 08:43   No.1143008
++ 和田秀子 (幼稚園生)…1回       
電気料金が青天井で上がる!?  (その1)
 |  政府試算の電気料金値上げ額は事故処理費用の
 |  一部を上乗せしたまやかしにすぎない
 |  福島第一原発事故処理費用の国民負担(1)
 └──── (1月20日雑誌「女性自身」より)

※《事故情報編集部》より
 「福島第一原発事故処理費用」の国民負担(電気料金)が、「青天井に
 上昇する」という指摘を雑誌「女性自身」が特集しました。
 わかりやすく解説してありますので、抜粋せず3回に分けて掲載いた
 します。「見出し」は《事故情報編集部》が追加しています。


◎ 「経産省は、本来、東電が支払うべき福島第一原発事故の処理費用
を“電気代”に上乗せできるシステムをつくり、国民に支払わせようとし
ています。これを許してしまえば、今後、国民が支払う原発事故処理費用
は、青天井になる可能性があります」
 そう訴えるのは、立命館大学教授で、国のエネルギー政策や原発の発電
コストを研究する大島堅一氏だ。
 経産省は昨年12月、国民に非公開で、原子力を推進する財界人などで話
し合う「東京電力改革・1F問題委員会」を開催。そのなかで、廃炉や賠
償費用など、福島第一原発事故の処理費用が、12年に試算した11兆円か
ら、倍の21.5兆円に増えるという試算を示した。
 それに合わせて、政府は昨年末、事故処理費用を国民の電気料金に上乗
せすることを閣議決定した。
 その上乗せ方法は、あまりにご都合主義でおかしな論理のとんでもない
ものだった。
 「政府が試算した電気料金の値上げ額、年216円も事故処理費用の一部
を上乗せしたまやかしにすぎない」と語る大島氏に、国民が負担すること
になる電気料金を試算してもらった。その上乗せ方法と合わせて、検証し
てみよう。

◎国民負担策その1
 「“過去分”の賠償金を45年前にさかのぼって徴収」

 経産省は、「原発事故に備えて、以前から賠償費用を積み立てておくべ
きだった」として、次のような突拍子もない案をひねり出した。
 「日本に原子力発電所ができた66年から、事故が起きるまでの45年分を
さかのぼり、“過去分”の賠償費用として、電気料金のうち“託送料金”
と呼ばれる送電線使用料に上乗せして、2020年から40年かけて電力利用者
から回収する」というのだ。
 上乗せされるのは、現在想定される賠償総額7.9兆円のうち、“過去
分”の賠償金相当額2.4兆円。


.. 2017年01月23日 08:54   No.1143009
++ 和田秀子 (幼稚園生)…2回       
○ 前出の大島氏は、「これはまるで、40年前に食事をしたレストラン
から、『食事代が不足していたので負担してください』と、請求書が届く
ようなもの。そもそも政府は、『原発は安全だ』と言い続けていたはず」
と、その理不尽さを指摘する。

○ 経産省は、福島原発事故費用を電気料金に上乗せする負担額をこの
“過去分”についてしか試算していない。しかもその額は「月平均で電気
料金が、わずか18円、年216円値上がりするだけ」という。
 しかし、大島氏は、原発事故後、その事故処理費用で電気料金に上乗せ
されているものがほかにもまだあるという。

○ 「廃炉・汚染水費用や核燃料汚染物質を貯蔵する費用などをあわせる
と福島第一原発事故の処理分だけで、現在でも総額3,009億円、上乗せが
増える20年以降では5,640億円にのぼります。3人家族で平均的な電力使
用量の家庭で試算すると、現在、事故後から電気料金が1,689円の値上げ
されている。20年以降はさらに今よりも少なくとも年間1,500円値上がり
し、月額3,000円以上の上乗せになる」 と大島氏は試算する。
 さらに、大島氏の試算によると、核燃料再処理費用や高速炉
「もんじゅ」の開発費用など原発全体にかかわる費用を合わせると、
現在でも4494円、20年以降は年間約6千円も電気料金に上乗せされること
になる。
 政府試算のごまかしは、上乗せ料金についてだけではない。

○ “過去分”の賠償費用を上乗せされるのが、託送料金であることに
も、大きな問題があるという。消費者生活アドバイザーの大石美奈子氏
は、こう主張する。
 「託送料金とは、電力を送配電することにかかる料金です。なのに
まったく関係のない賠償費用がそこに上乗せされるのは問題です。事故処
理費用は、透明性が担保できる税金で徴収すべきでしょう」
 税金なら上げるにしても国会の承認が必要だが、託送料金に上乗せする
場合は、電力会社や経産省の裁量だけで自由に額を決定できるという。
 「最初は少しの値上げでも、原発事故の処理費用が増えた場合、あとか
ら国民が知らないところでこっそり上乗せされ、気づいたら電気料金が驚
くほど上がる可能性もあります」(大石氏)


.. 2017年01月23日 09:03   No.1143010
++ 和田秀子 (幼稚園生)…3回       
◎国民負担策その2
 「8兆円に膨らむ廃炉費用を送配電の合理化で捻出」

 8兆円かかるといわれる廃炉費用だが大島氏は、そのような額ではすま
ないだろうと、こう指摘する。
 「廃炉でいうと、“デブリ”と呼ばれる溶けた核燃料が、事故炉の底で
どういう状態になっているかもわからないし、取り出し方法も決まってい
ない。だから、廃炉費用はこれからいくらかかるかわかりません」
 前出の大石氏は、今回の国民負担策について検証する政府の委員会(電
力システム改革貫徹のための政策小委員会)の委員を務めた経験から、廃
炉費用の電気代上乗せの経緯について、次のように曝露する。
 「実は経産省は当初、福島原発の廃炉費用8兆円も、上乗せ分を自由に
コントロールできる託送料金に乗せするつもりだったんです。しかし世論
の反発が大きいと思ったのか、それは見送られました」
 しかし、経産省は次のような苦肉の策を打ち出した。
 「本来、電力事業者が合理化など経営努力により、一定の利益が生じた
場合、託送料金を値下げします。つまり電気料金を値下げして利用者に還
元することになっているのです。

○ しかし、経産省は『東電は値下げすると廃炉費用が捻出できない』と
して、値下げするべき分を基金として積み立て、廃炉費用にまわすという
ウルトラCを考え出した。本来値下げされるべきものを下げないで自分の
事業に使うのですから実質、電気利用者の負担です」(大石氏)
 内実が見えにくい託送料金のなかから基金を積み立てるなら、これも電
力会社や経産省の裁量で積立額をコントロールできるのではないか。

○ 事故処理費用を電気代に上乗せしようという政府のトンデモ政策。
これを止めるためにはどうすればいいだろう。
 「国民負担を強いる前に、まずやるべきことがあります」と語るのは元
経産省官僚の古賀茂明氏だ。
 「国民が負担する事故処理費用の一部が、東電にお金を貸しているだけ
で年間何億円もの利息を得る銀行や、原発事故後に底値で東電株を買った
株主に流れています。東電をJALのようにつぶれた会社として扱って借
金を棒引きするなどしたら5兆円は捻出できる。その分、国民の負担は軽
減できます」(古賀氏)

○ 破綻処理や解体までなかなか踏み込めない現状だが、それでも私たち
一人一人が、注意深く政府や東電の動向に目を光らせ、正しい選択をする
以外にない。
 非常にわかりにくいシステムだが、放っておけば半永久的に電力料金が
上がり続ける、このような傍若無人なふるまいを許さないためには、私た
ち消費者がこのとんでもない負担策を忘れないようにしないとならない。
             取材・文/和田秀子 (その2)に続く


.. 2017年01月23日 09:09   No.1143011


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