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「経産省の数字にもうだまされない」 「『もんじゅ』廃炉の裏」の記事 (たんぽぽ舎)
◎「週刊朝日」の原発記事がなかなかよみごたえがある。11月18日号は自 民党議員らから「原発に異論続出−経産省の数字にもうだまされない」と 題して、自民党の国会議員の発言をいくつか載せている。以下に4人ほど を紹介する。河野太郎議員の「核燃料サイクルやめよ」発言は有名だから 省略します。
イ.10月下旬に開かれた自民党原子力政策・需給問題等調査会の原子力政 策小委員会合同会議では、若手や中堅議員の間からこんな意見が飛び出し た。「廃炉も除染費用もこれまでの数字を大きく上回っている。他の先進 国では原発がコスト割れしつつある議論がされている。原発が一番安いな どという数字を出す経産省は信用ができない」(柴山昌彦衆議院議員)
ロ.「原発と再生可能エネルギーを分けられる市場になっているのか。廃 炉会計にしても、託送料金で回収しなくてもよい方法はあるのに、そうで なければならないという議論はおかしい」(秋本真利衆議院議員)
ハ.いずれも原発立地県以外を基盤とする議員からの声だ。さらに、前内 閣府副大臣で再稼働に肯定的な高鳥修一氏でさえ、新潟県知事選の主な敗 因を原発とし、「国民が納得する原発政策を党として出す必要がある」と 危機感をにじませた。
ニ.「もともと原発は事故の社会的費用を入れてもコストが一番安いと 言っていたではないか。東電は今上期2742億円の黒字を出している。利益 は自分のものにしておいて、あとは国民負担などという話は筋が通らな い」(自民党中堅議員)
◎これら自民党国会議員らの声が、小泉純一郎元首相の声と合わせて自民 党の中軸を早く占めることを切に望む。カギは国民世論−私たちの運動に かなりかかっているだろうが…。
◎ただ、この記事(ジャーナリスト桐島瞬)の原稿にも弱い点がある(要望 がある)。 「徹底検証 原子力行政の闇−官邸主導のもんじゅ廃炉の裏」という表 題の3頁分の文章だが、しかし、なぜ「もんじゅ」廃炉か−の深層に十分 迫っていない。 歴代の自民党政権が「日本核武装」に執着(執念)してきたことがほぼぬ けている。京都大学6人衆の小出裕章氏や小林圭二氏らや槌田敦氏・故藤 田祐幸氏・たんぽぽ舎等が主張してきた点(「もんじゅ」・核燃料サイクル に固執するのは「日本核武装」のため)という見解も現時点で深めてほしい ものだ。 原発記事が、一般紙で大きく減少し、報道が少なくなっている中での「 週刊朝日」の取材に賛意しつつ、もっと掘り下げてほしい、日本支配層の 永年の野望にメスを入れてほしいと願う。 そこから、もっと大きな「もんじゅ」廃炉運動のエネルギーも出てくる と思うから。
※参考書籍 『隠して核武装する日本』増補新版 206頁 1500円+税 編 者:「核開発に反対する会」 え:橋本 勝 発行:「影書房」 執筆者:槌田 敦、故藤田祐幸、井上澄夫、山崎久隆、中嶌哲演、 小若順一、渡邊寿子、原田裕史、故望月 彰、柳田 真 敬称略
.. 2016年12月15日 14:58 No.1133001
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