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福島沖地震が警告 燃料プールの怖さ (下) | M8余震100年続く予測 使用済み燃料増やす再稼働 └──── (原発いらない!ちば)
※今回は、 5.燃料プールを大地震が襲ったら? 6.再稼働で使用済み燃料増え続ける 7.地震で原発排気筒倒壊リスク を掲載いたします。 前回、(上)では 1.燃料プールの冷却一時停止 2.冷却停止の原因は不明 3.使用済み燃料プールとは 4.原子炉本体に比べ脆弱な燃料プール を12月22日発信の【TMM:No2964】に掲載しました。
5.燃料プールを大地震が襲ったら?
11.22福島沖地震はM7.4で阪神淡路大震災よりも大きいものでしたが、 3.11東日本大震災の「余震」であり、気象庁は今後もM8、M7クラスの 余震が心配されるといっています。地震学者の島村英紀さんは、M9クラ スの大地震の後は100年位はM8クラスの余震が続く可能性があるといい ます。 燃料プールは、システムとして脆弱であり、また施設自体の強度もな く、大きな地震で倒壊してしまう可能性があります。プールが倒壊すれば 破滅的事態が予想されます。冷却水が失われるとプール周辺の何100メー トルもの範囲が人が近寄れないほどの高いガンマ線に曝され、何もなすす べがなく、プール内の核燃料はメルトダウンする危機に直面します。プー ルの使用済み燃料が異常に加熱されれば、燃料被覆管のジルコニウムと水 が反応して生じる水素の爆発、ジルコニウムの酸化による火災発生の恐れ もあります。 燃料の間隔が変形や溶融によって狭まれば臨界に達し、核分裂連鎖反応 が起きかねません。いずれにしても厖大な放射性物質が放出され、福島第 一原発事故かそれ以上の大惨事になる恐れがあります。
6.再稼働で使用済み燃料増え続ける
今,国内の原発は,川内2号、伊方3合を除いて停止しています。3年 以上停止している原発の使用済み燃料の放射線量と発熱量は燃料をキャス クに入れて空冷で貯蔵、移送できるまでに減衰しています。使用済み燃料 発生初期に比べれば、危険性が格段に低くなっているのです。 しかし,原発再稼働を促進すれば、放射線量、発熱量の高い使用済み燃 料を次々と生み出し続け、それがプールに搬入され、過酷事故の確率は格 段に高くなります。 現在,日本の使用済み燃料は17000トン以上貯まり、原発の燃料プール と六ヶ所再処理工場の保管スペースを合計した貯蔵容量の73%が埋まっ ていて、再稼働が進めば数年後には満杯となります。 再処理工場完成の目途が立たず、再処理の操業ができないので再処理工 場の一時保管スペース(容量3000トン)の貯蔵量は2954トンで殆ど満杯に 達しています。 福井県にある原発13基が持つ燃料貯蔵施設の容量は5290トンで、その7 割近くが埋まっています。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば7年 程度で貯蔵限度を超えるのです。 高浜3,4号機運転差し止め、大津地裁仮処分決定に対する抗告審の決 定が来年2月にも出されようとしています。 使用済み燃料の各原発サイトでの保管が限度に近づきつつあります。 むつ市に中間貯蔵施設を作っていますが、たとえこれが操業開始をしても 原発が稼働し続ける限り、使用済み燃料処分問題は永遠に解決しません。 使用済み燃料問題、つまり放射性廃棄物処分問題は原発のアキレス腱で す。この観点からも再稼働に反対していかなくてはなりません。
.. 2016年12月28日 08:27 No.1126006
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