|
自由化停滞に危機感 新電力普及進まず 経産省
今回、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会が東京電力ホール ディングス傘下の電力小売子会社「東京電力エナジーパートナー」への業 務改善勧告に踏み切った背景には、電力市場相場をゆがめる行為が、電力 自由化の停滞につながりかねないとの危機感がある。新規参入業者(新電 力)のほとんどは自前の発電量に限界がある。取引所の相場が不正につり 上げられれば調達費が増え、大規模な発電所を持つ大手に比べ不利とな り、事業展開が難しくなる点を、監視委は問題視したとみられる。 電力の市場取引は、日本では2005年から「日本卸電力取引所(JEP X)」で行われている。取引所は翌日の余剰電力を30分単位で売買する「 一日前市場」と、当日売買する「当日市場」を主に展開する。今回、問題 視されたのは「一日前市場」だった。 取引所に集まる電力は国内供給量全体の約2%(14年度)にとどまる。 だが、新電力にとっては大きな調達先の一つで、16年度、新電力は販売に 必要な電力の約2割を取引所を通じて調達する見込み。一方で自力の発電 は4%に過ぎない。 10月末時点で、大手電力から新電力への切り替えは全契約の3%程度し か進んでいない。市場取引が活性化すれば新電力がより安く電力を調達で きるようになり、自由化が進むと期待されている。(後略) (11月18日朝刊より抜粋)
.. 2016年11月21日 12:25 No.1123001
|