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耐用年数を大きく過ぎたケーブルを事故が起きるまで使う | 東電企業体質が原発再稼働のときには特別な危険性 └──── (市民と科学者の内部被曝問題研究会会員)
(1)火災によるダイオキシンなど化学物質による環境汚染と住民・消防・ 作業員の健康影響の可能性について
東電の火災事故を起こしたケーブルで、絶縁油として何が使われており、 火災によりどのような有害物質がどれだけ放出され、どのような健康被害を もたらし、あるいは今後にもたらす可能性があるか、明らかにされなければ なりません。 ご承知の通り、1975年にPCBの使用が禁止されたので、35年前(1981 年)の敷設であれば、おそらく絶縁油はPCBではなく、アルキルベンゼン 系であろうと思います。 ただし、それでも燃えれば、健康に有害な物質を大量に放出した危険性が 十分考えられます。 また、燃えたケーブルの被覆材あるいはパイプとして塩化ビニールが使用 されていた可能性がありますので、ダイオキシンがかなりの量発生した可能 性は否定できません。 この点、どなたかお詳しい方がおられましたら、コメントをよろしくお願 いします。
(2)地下送電ケーブルの構造について
この件、なじみの薄い皆さまもおられると思います。地下や構内の送電ケ ーブルの構造については、以下の東電の発表した図を、ご覧ください。 送電鉄塔を通る架線ケーブルは、基本的に裸線ですが、地下や構内の高圧 ケーブルは絶縁されています。 東電発表による旧式の今回火災を起こしたOFケーブルは、絶縁材として 紙が巻かれており、その中央を絶縁油が通る構造になっています。
(3)送電ケーブルの老朽化について
注目すべきは、東電が発表した、新旧ケーブルの「設備量比率」です。 これは、驚嘆すべき重要文書ですので、消されないうちにぜひコピーを 取っておかれることをお勧めします。
1975年にPCBの使用が禁止されたのですが、それ以前に敷設された、 (今もPCBがそのまま使われているか、おそらく)今は使われていないが、 残留したPCBで汚染されている可能性が高い、敷設から41年以上経過した ケーブルは、単純計算でたしあわせると、何と678キロメートルにもなりま す(皆さまも計算してみてください)。 ですから、約1000キロメートル残っていると東電が発表した35年以上経過 したケーブルのうち7割ほどは、(35年どころか)45年以上も経過している のです。 さらに古いものでは、設備年数50年以上の(つまり半世紀以上前に敷設さ れた)ケーブルが40キロメートル、最古のものは57年経過したケーブルを未 だに使っているのです。
.. 2016年10月19日 08:16 No.1111001
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