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日本は再び「福島の悲劇」を繰り返さないかと心配 | 再び原発事故を招かないため、体制べったりの | 原子力規制委員会を糾弾する声をあげなければなりません └──── (たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
○池内 了(いけうちさとる)さんが「ザ・ビッグ・イッシュー」で新し く連載を始められた。題して「宇宙・地球・人間 池内 了の市民科学 メガネ 新連載第1回 相次ぐ原発の再稼働」という一文である。 (2016年9月15日・295号) 短文ながらも、的確で、鋭い。 私たち、たんぽぽ舎と「再稼働阻止全国ネットワーク」が日頃主張し ていることと同じ内容を、池内さんの言葉・表現で述べてみえる。 見出しに書いた文=「日本は再び『福島の悲劇を繰り返さないかと心 配している』」や結びのことば=「再び原発事故を招かないため、体 制べったりの原子力規制委員会を糾弾する声をあげなければなりませ ん」が典型だ。
○以下、池内さんの文の要点を抜粋して紹介します。
「 …政府の原発復活路線が罷(まか)り通り、それに呼応して原子力 規制委員会も再稼働を認める体制を固めており、日本は再び「福島の 悲劇」を繰り返さないかと心配です。 (中略) 一連の熊本地震の際にも運転し続けたのですが、少なくとも万一の 用心のために運転を中止するという措置を採るべきでしたが、稼働が 強行されました。「安全神話」が復活しているのです。 火山への対処については、数ヵ月前に爆発の前兆を把握したら原発 を止め、危険な燃料棒を安全な場所に移すという処方箋が規制委員会 から示されていますが、これはまったく絵空事の「願望」でしかない のです。というのは、火山爆発の前兆は何ヵ月も前に把握できるわけ でなく、ほんの2、3日しか時間的余裕がないのが現状なのです。 (中略) 重要なことは、川内、伊方、高浜のいずれの原発にも共通することな のですが、事故が起こった場合の避難計画がズサンであることです。 (中略) 原発事故の直接の被災者より、避難時に起こる二次災害(避難事故)の方 が多くの犠牲者を生み出すことが予想されます。 しかし、原子力規制委員会は原子炉にかかわる技術的事項しか扱わない ため、その新規制基準には避難計画についてのチェック項目はなく、結局 地方自治体に任されているのです。これが原子力規制委員会の最大の欠陥 で、国が厄介な避難計画づくりをサボったためです(事故は起こらないとの 前提があるためでしょう)。 (中略) もう1つ原発再稼働で問題なのは、原子力規制委員会が建設後40年経っ ている高浜1,2号機と美浜3,4号機について、20年の運転延長を認め る決定をしたということです。40年も動かせば金属疲労による原子炉容器 の脆性(壊れやすくなっていること)の問題が心配され、20年の延長は例外 とされたはずなのですが、延長が当たり前となってしまいそうです。 再び原発事故を招かないため、体制べったりの原子力規制委員会を糾弾 する声をあげなければなりません。」 池内 了(名古屋大学名誉教授、専門は宇宙論・銀河物理学、 科学・技術・社会論。)
.. 2016年09月28日 08:14 No.1102001
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