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県民驚きと困惑 批判的報道受け「撤退」… 地元紙反論「真の理由を説明すべき」 どうなる?柏崎刈羽6.7号機 選挙次第で… 再稼働加速も 「事故検証求める姿勢変えるな」
(前略) 原発再稼働を急ぐ国や東電に対し、泉田知事は「福島事故の検証なしに再稼働の議論はできない」との立場を貫き、全国に名をとどろかせてきた。 13年7月には、東電が県に事前説明しないまま柏崎刈羽原発6.7号機の原子力規制委員会の審査申請を決めたことに強く反発。東電の広瀬直己社長に「約束を破る会社。信頼できない」と一喝。「安全とお金、どちらが大事なのか」と畳みかけた。 福島第一原発事故についても、県独自に専門家らによる技術委員会をつくり検証してきた。
東日本大震災の直前に造らせた「免震重要棟」も泉田知事の功績としてよく知られる。07年の中越沖地震で新潟県庁への連絡用ホットラインが機能しなかったことから設置を要求、福島第一原発にもできた。完成したのは震災8カ月前だった。 東電や国とたびたび対立した泉田知事が退くことで、東電柏崎刈羽原発の再稼働の動きが加速するとの懸念も広がる。 折りしも柏崎刈羽原発6.7号機の再稼働に向けた審査を優先して進める原子力規制委の方針が浮上したばかり。2基はこれまでに再稼働してきた加圧水型ではなく、福島第一原発と同じ沸騰水型だけに再稼働への反発は大きい。
東芝の元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏は「規制委や電力会社は沸騰水型は再稼働できないという状態を続けたくない。沸騰水型の中でも最新式の6.7号機から動かしていきたいのだろう」と推測。「大規模事故を起こしながら責任もとらない東電が再稼働するのはおかしいが、問題を指摘する泉田知事がいなくなると『国策』が進むのではないか」と危ぶむ。
実際、ツイッターなどでは原発に厳しい姿勢で挑んでいた渦中に、収賄罪に問われた元福島県知事の佐藤栄佐久氏の姿に重ねる声も多い。 佐藤氏は取材に「(泉田氏の不出馬の)経緯や詳細は知らない。私の場合は実態が分からない中で事件報道が先行し、政治生命を奪われた。状況は違う」と述べた上で、「泉田氏は新人知事だったころを知っている。まじめで真剣にやっていた。闘っている者がつぶされることがあってはならない」とクギを刺した。 (後略) (9月2日朝刊26-27面「こちら特報部」より抜粋)
.. 2016年09月05日 08:36 No.1093001
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