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『脱原発の哲学』 佐藤嘉幸・田口卓臣著 構造的差別を背景に構築される原子力 核武装を背景に持つ原子力文化とはいったい何か └──── (たんぽぽ舎)
今もなお、全電源喪失が発生しても炉心損傷・炉心溶融は起こらない(その前に炉心注水が出来る)とする「審査書」を書いて平然としている規制委。 宇井純の「公害原論」が指摘した、「問題を見抜く力」が、現代社会においては衰退の一途を辿る中で起きた福島第一原発事故。 これほどのことが見過ごされる背景を哲学の切り口で読み解く。核兵器と原発が一体不可分であることを明確に認識しなければ反原発も反核の運動も成り立たない。 そのもとで20mSvなどの基準値が決められ、原発輸出も行われる。 市民の命を犠牲にして進められた「殖産興業と富国強兵」の現代版が原発だ。 (以上、山崎久隆) 【おび】より ◎自ら生み出した「核=原子力」技術により、人類は絶滅の危機を迎えた。その危機が切迫していること、危機を回避するための哲学を持つべきことを、本書は明確に示す。(小出裕章)
◎福島原発事故によって、我々は原子力のもつ本質的問題に直面している。本書は、脱原発によって、「管理された民主主義」が支配する日本社会を、分権的で直接民主主義的な根源的民主主義にもとづく社会へと変えることができると説く。(大島堅一)
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 福島第一原発事故から5年、ついに脱原発への決定的理論が誕生した。科学、技術、政治、経済、歴史、環境などあらゆる角度から、かつてない深度と射程で論じる巨編。
【目次】(「BOOK」データベースより) 序論 第1部 原発と核兵器(核アポカリプス不感症の現状−ギュンター・アンダースから福島第一原発事故後の状況を考える/原子力発電と核兵器の等価性−フーコー的「権力=知」の視点から/絶滅技術と目的倒錯−モンテスキュー、ナンシーから原子力=核技術を考える)
第2部 原発をめぐるイデオロギー批判 (低線量被曝とセキュリティ権力−「しきい値」イデオロギー批判/予告された事故の記録−「安全」イデオロギー批判1/ノーマル・アクシデントとしての原発事故−「安全」イデオロギー批判2)
第3部 構造的差別のシステムとしての原発(電源三法と地方の服従化/『原発切抜帖』が描く構造的差別/構造的差別の歴史的「起源」−電力、二大国策、長距離発送電体制)
第4部 公害問題から福島第一原発事故を考える(足尾鉱毒事件と構造的差別/回帰する公害、回帰する原発事故/公害、原発事故、批判的科学)
結論 脱原発の哲学
【著者情報】(「BOOK」データベースより) ◎佐藤嘉幸(サトウヨシユキ) 1971年、京都府生まれ。筑波大学人文社会系准教授。京都大学大学院経済学 研究科博士課程を修了後、パリ第10大学にて博士号(哲学)取得 ◎田口卓臣(タグチタクミ) 1973年、神奈川県生まれ。宇都宮大学国際学部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程修了。博士(文学) (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
発行:人文書院
.. 2016年08月18日 08:29 No.1085001
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