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昭和十八年十二月一日(あるいは十一月二十七日)のカイロ宣言では三大同盟国(米英支)は日本国の侵略を制止し罰するために戦争をしていると言っている。そして三大同盟国は連合国と歩調をそろえて、日本国の無条件降伏を得るために重大かつ長期の軍事行動を忍耐強く続行すると言っている。この日本国の無条件降伏から、ほんの少し譲歩したのが、ポツダム宣言で、「吾等は日本国政府が直に全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し、且つ右の行動に於ける同政府の誠意に付適当且つ充分なる保証を提供せんことを同政府に対し要求す」とあって、日本国政府が無条件で降伏することを要求していない。ただし、それに続いて「右以外に日本国に残されたる途は迅速且つ完全なる壊滅あるのみとす」とあって、脅迫のような文章がある。それはともかくとして、降伏の条件を提示したのだから、軍隊はみごとに無条件降伏をしたのだから、提示した約束はまもるべきである。それが人間の論理である。そこで東京裁判において清瀬弁護人は、ポツダム宣言の第十にいうところの戦争犯罪人は当時の国際法でかんがえられる戦争犯罪をおかしたものに適用されるべきであって、平和に対する罪、人道に対する罪で、裁くべきではないと主張した。これに対してキーナン検事はポツダム宣言第六条の「無責任なる軍国主義が世界より駆逐せられざれば、平和、安全及び正義の新秩序が生じ得ざることを吾等は主張するものなるを以て、日本国民を欺瞞し誤導して世界征服の挙に出しめたる者の権力及び勢力は、永久に除去せられざるべからず」をひいて反駁している。
.. 2007年10月14日 19:59 No.108002
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