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■--東京裁判
++ 伝六 (高校生)…69回          

東京裁判速記録を読んでみようと思って、図書館に行ったら、私の住んでいる県の公立図書館にはおいていないという。それで国会図書館から借りてくれたが、館内閲覧のみ許可するというので百分の一くらいしか読めなかった。なにせ分厚い本十巻で、辞書のような小さい字でギッシリつまっているのだから、ふつう?読むのがいやになる。しかし、読みはじめると内容的には興味深いものだ。せめて主要?公立図書館にはおいてもらいたい。といっても、現在は出版されていない。分量は多いが下手な解説を読むよりは百分の一でも読んだほうが有益だ。
.. 2007年10月13日 20:07   No.108001

++ 伝 (高校生)…67回       
昭和十八年十二月一日(あるいは十一月二十七日)のカイロ宣言では三大同盟国(米英支)は日本国の侵略を制止し罰するために戦争をしていると言っている。そして三大同盟国は連合国と歩調をそろえて、日本国の無条件降伏を得るために重大かつ長期の軍事行動を忍耐強く続行すると言っている。この日本国の無条件降伏から、ほんの少し譲歩したのが、ポツダム宣言で、「吾等は日本国政府が直に全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し、且つ右の行動に於ける同政府の誠意に付適当且つ充分なる保証を提供せんことを同政府に対し要求す」とあって、日本国政府が無条件で降伏することを要求していない。ただし、それに続いて「右以外に日本国に残されたる途は迅速且つ完全なる壊滅あるのみとす」とあって、脅迫のような文章がある。それはともかくとして、降伏の条件を提示したのだから、軍隊はみごとに無条件降伏をしたのだから、提示した約束はまもるべきである。それが人間の論理である。そこで東京裁判において清瀬弁護人は、ポツダム宣言の第十にいうところの戦争犯罪人は当時の国際法でかんがえられる戦争犯罪をおかしたものに適用されるべきであって、平和に対する罪、人道に対する罪で、裁くべきではないと主張した。これに対してキーナン検事はポツダム宣言第六条の「無責任なる軍国主義が世界より駆逐せられざれば、平和、安全及び正義の新秩序が生じ得ざることを吾等は主張するものなるを以て、日本国民を欺瞞し誤導して世界征服の挙に出しめたる者の権力及び勢力は、永久に除去せられざるべからず」をひいて反駁している。
.. 2007年10月14日 19:59   No.108002
++ タク (課長)…178回       
極東軍事裁判法廷でキーナン検事の発言が終ると、法廷は失望にざわめいたと言います。それは人類の最重刑である死刑判決が下されたからです。キーナン検事は、休憩時間に記者団に質問されると、「死刑だ。遠慮なくロープを使え、という意味だ」と答えたが、死刑の求刑は、予期されていたことでした。しかし、ただ重刑に値するというだけでは、2年間の審理の成果を伺う事が出来ません。論告文は予想された格調の高さもなく、罵倒に似たむきだしの表現に満ちていたのです。「復讐心の満足」と鈴木元企画院総長がつぶやいた感想は、被告や弁護人、新聞記者たちにも共通していたのですね。

キーナン検事の秘書山崎晴一は、キーナン検事は、ナチス・ドイツと日本は違うと言って財界人の免責を強調して「適切かつ法にのっとった裁判」が行われると述べたり、天皇をかばう努力したり、要するに明らかに裁判の進行につれて、日本の国情にたいする理解度を深めたためか、態度の軟化がうかがわれました。しかし、最終論告にその気配の反映はなかったのです。山崎秘書は、キーナン検事が帰米するので、その前夜、キーナン検事に被告の評価を求めました。最終論告には個人論告も含まれているが、キーナン検事の調子からみて、アクセントのある論述は期待薄でした。山崎秘書はキーナン検事に被告にたいする人物評価を求めたのです。

検事団と判事団との「一体性」が感じられるだけに、キーナン検事の論評から検事側の被告にたいする気持がわかれば、判決の筋も予知できると聞いてみたら、キーナン検事の返事はあっさりと「木戸がもっと強くて東条一派の圧力に屈伏しなかったら、日本の運命は違っていただろう。南、荒木、裁判は必要だが刑は不要だろう。年をとりすぎている。白鳥はよくない。大島は立派な軍人だと思う。武藤はずるい奴、畑は立派な将軍だし、どこの国でも同じだが、アメリカ人はアメリカ人らしく、日本人は日本人らしい人物が立派だ」

検事たちは、3時間も単独で朗読すれば交代したのですが、ソ連検事ワシリエフ少将は延々2日間にわたって朗読しつづけて声帯の強靭さを誇ったと言います。

.. 2007年10月15日 06:09   No.108003
++ 伝 (高校生)…68回       
所謂カイロ宣言の翻訳であるが、公式訳は「右の目的を以て右三同盟国は同盟諸国中日本国と交戦中なる諸国と協調し」とあるが、同盟諸国の原語はUnited Nationsとあるから、連合国と訳したほうがいいと思う。三同盟国というのは、three Alliesとなっている。だから、「右の目的を以て、右三同盟国は日本国と交戦中の連合国と協調し」と訳したほうが、今においては歴史の流れがよくわかると私は思う。というのは昭和16年に連合国共同宣言が発せられているからである。
.. 2007年10月16日 20:17   No.108004
++ タク (課長)…179回       
対日関係で、米国はアジアを無視してきた。1943年12月1日、カイロでチャーチル英首相とルーズベルト米大統領、日本を「懲罰、拘束」し、日本が「暴力と貪欲」によって奪った領土をすべて取り上げる決意を明らかにしたとき、米国国民は正義と民主主義の行動として歓迎した。しかし、イギリス、フランス、オランダのどの国も自分達の植民地に対しては独立を約束していなかったのです。当時の状況から、アジアの政治活動家たちが対日カイロ宣言を解釈するなら、日本の罪状は、植民地住民に対して暴虐をふるったことではなく、日本の暴虐が、同じような暴虐でヨーロッパ諸国が確立した植民地体制の現状を揺さぶったことなのです。

.. 2007年10月17日 07:15   No.108005
++ 伝 (高校生)…69回       
訂正します。連合国共同宣言が発せられたのは昭和17年1月1日です。同宣言は特にヒトラー主義を問題にしています。連合国の行った軍事裁判が、日本の戦争犯罪人についても、ニュルンベルグ裁判と同じ基準を無理にあてはめようとしたことと関係あるかもしれません。
.. 2007年10月19日 22:06   No.108006
++ 伝 (大学生)…70回       
訂正します。連合国共同宣言が発せられたのは昭和17年1月1日です。同宣言は特にヒトラー主義を問題にしています。連合国の行った軍事裁判が、日本の戦争犯罪人についても、ニュルンベルグ裁判と同じ基準を無理にあてはめようとしたことと関係あるかもしれません。
.. 2007年10月19日 22:18   No.108007
++ タク (部長)…180回       
裁判が事後法によって行なわれたということです。それは事が起きた後に法律を作成して適用するという、近代法の考え方からは逸脱したものです。戦犯たちは3つの罪に問われました。
1.平和に対する罪。
2.人道に対する罪。
3.通例の戦争犯罪。
このうち、1の平和に対する罪と2の人道に対する罪は、太平洋戦争(大東亜戦争)が勃発する以前にはないもので、ドイツの戦犯を裁くニュルンベルグ裁判で創設されたものでした。つまり、ドイツと同じように、侵略と大量虐殺で日本を裁こうとしたのです。

パール判事の発言では、「この裁判は戦勝国による復讐裁判である。欧米諸国がアジア諸国に行なった行為こそ侵略だ!事後法で裁く事は、法の審理を蹂躙する愚挙である。この裁判は国際法違反、よって全被告は無罪!」

.. 2007年10月20日 06:35   No.108008
++ 六 (中学生)…40回       
カイロ宣言の三週間少し前に大東亜共同宣言が発せられている。日本、ビルマ、満洲、南京政府(中国)、タイ、フィリピン、自由インド仮政府の首脳が東京に集まって、大東亜会議を開催し、戦争目的をうたったものである。そして戦争の原因を次のように言っている。「・・・然るに米英は自国の繁栄の為には他国家他民族を抑圧し特に大東亜に対しては飽くなき侵略搾取を行ひ・・・・」というが、これはだいたい本当である。もっとも、米英にかぎらず欧米では、自国の繁栄のためには欧米の他国家他民族を抑圧した歴史がある。そしてアジアに対してはその抑圧は一段とひどく侵略搾取と言ってよい。それでは日本はどうか、やはり帝国主義でないかと疑われるが、日本は共存共栄を理想とする国だ。近代日本に帝国主義があっても、どこか腐っても鯛というところがある。しかし、そういうところをまったく認めないのが、戦後日本のだいたいの論調である。東京裁判などは、日本の悪いところは、ご苦労なくらい調べた(その上捏造もとりあげた)であろうが、いいところを示す資料はだいたい却下したであろう。
大東亜共同宣言とカイロ宣言は対照すべき宣言であろう。ただ大東亜共同宣言は旗色がそうとう悪くなっての宣言であり、勝っていたら、宣言どおりのことはできなかったであろう。カイロ宣言は勝利を確信しての宣言であり、どぎつい文句をならべて、勝利の結果は東京裁判のような悪どいことをやっている。東京裁判の全部が全部悪いとはいわないが、国際法を破壊するようなことをやったのだ。

.. 2007年10月20日 21:26   No.108009
++ タク (部長)…181回       
第二次世界大戦中、アメリカは、世界を征服し奴隷化する野望に燃えた軍国主義的侵略者、日本の事を言うが、日本が「白人ブロック」の「奴隷体制」から太平洋地域と「アジアを解放する」というスローガンのもとに日華事変し第二次世界大戦を戦っている事を見ようとしなかったのです。1931年の満州から1941年のインド国境まで、日本が破竹の勢いで進出できたのは、アジア・太平洋諸国をヨーロッパの白人政治・経済的支配から解放するという大アジア建設計画・大東亜共栄圏のダイナミックな革命的魅力に負うところが大きいのです。

アジア・太平洋地域の植民地には、もともと経済的支配からの政治的独立と自由への渇望がありました。日本国の思いは、それに火をつけたに過ぎません。その1つは、開戦当初の日本は、ほとんど銃火を交えないで戦果を収めているのです。ヨーロッパのアジアを植民地にしている白人達は、日本軍から逃げたのではなく、現地住民の敵意から逃げたのです。米国が「日本からの解放」と呼んでいたものは、実はヨーロッパ白人によるアジアの再征服という恥ずかしいことに、アメリカが手を貸したことだったのです。

.. 2007年10月23日 06:16   No.108010
++ 六 (中学生)…41回       
平成18年10月6日の衆議院予算委員会で、安倍首相はA級戦犯は国内法的には戦争犯罪人ではないと発言した。ある戦犯問題研究家は「公式の場で堂々と発言したことは意義深い」と言われた。今まで、そういうことを言った首相はないのだろう。今後の首相は、さらに一歩を進めて国際法的にも戦争犯罪人ではないと発言してもらいたい。世界の国際法の大家は皆支持するであろう。世界のわからずやどもからは袋叩きにあうかもしれないが、そのおそれは少ないと思う。ガリレオはそれでも地球は動いているとつぶやいて、四百年たって、裁判が訂正された。今は時代の回転がはやくなっているから、昔百年でおこった変化が十年のうちにおこる。東京裁判の戦犯は国際法的には全員無罪。ただし道義的には無罪ではないだろう。それは真理の法廷できめればよい。
.. 2007年10月24日 22:10   No.108011
++ タク (部長)…182回       
第二次世界大戦の終戦後、東京裁判が行われ日本人は裁かれました。日本が実際に「人類に対する罪」を犯したとしても、白人が日本国民を懲罰するのは果たして正義なのだろうか。また、将来起きるかもしれない同様の犯罪の抑止力になりうるだろうか。答えはノーです。

西洋列強が極東で行ってきたことをふり返り、戦争中の白人の行動を認識し、白人社会の政策と連合国の戦争政策を日々の新聞紙上で追うならば、日本を有罪にしても民主主義諸国の罪はぬぐえないことがわかるでしょう。日本が犯した罪は実際には何であったか、白人が何で日本を罰しているのか、白人はどういう根拠で罰せられるより罰する立場にいるのか、将来現れる侵略者にはたぶん、理解できないでしょう。

日本の罪と罰を再吟味して思うのは、国際法の原理原則はもっと厳密に定義する必要があるということです。日本の犯罪を人道的見地からいうなら、「国益」という自己利益を人権の上に置き、「国家の存亡にかかわる利益」を武力に訴えて守ろうとしたことです。しかし、すべての国がそういう行動を合法的権利と考えている限り、強者による弱者の懲罰は、自らの支配体制を維持しようとする大国の我欲でしかない見せしめの処刑でしかありません。

一連の「事変・事件」で日本を裁く民主主義諸国の法的立場は、国家間の紛争と不平等問題は平和手段で解決すべきであり、解決出来るということを前提にしています。しかし、事実は、この前提を認識してくれない。たとえば、アメリカもイギリスも対中国関係では、自分達の特権的地位を放棄しようとはしなかった。米英両国とも日本が獲得した租借地と外国資産を中国行政府に引き渡すまで、不平等条約、治外法権、租借地を返上しなかったのです。

.. 2007年10月26日 06:20   No.108012
++ 六 (中学生)…42回       
終戦の頃からでないかと思うが、アライド パワーズを連合国と訳すようになった。降伏文書では、米英支ソをアライド パワーズということにすると書いてある。東京裁判をおこなったのは、基本的に、このアライド パワーズである。ユナイテッド ネーションズではない。アライドパワーズはユナイテッド ネーションズの中心?勢力であるが、ユナイテッド ネーションズそのものではない。日本語でアライドパワーズを連合国と訳するようになったが、ユナイテッド ネーションズも、ある場合は連合国と訳する。しかし、現在のユナイテッド ネーションズは国際連合と訳する。私はいつ誰がアライドパワーズを連合国と訳するようになったかと、問題意識をもって史料を見ている。
.. 2007年10月28日 16:31   No.108013
++ タク (部長)…183回       
有名なイギリスの歴史学者、H・ウェルズは終戦直後、大東亜戦争で日本が果たした世界的役割について、「大東亜戦争は大植民地主義に終止符を打ち、白人と有色人種の平等をもたらし、世界連邦の基礎を築いた」と述べている。このような世界民族平等の理念は、現在の国際連合(UN)発足の基礎にもなったものです。大東亜戦争はアジア解放のための戦いだった。結果的に日本は敗れたとはいえ、その戦争目的は最終的に達成された。これをどうして「侵略」とただ単純に東京裁判で裁くことができるだろうか。
.. 2007年10月30日 06:42   No.108014
++ 六 (中学生)…43回       
ソ連とフランスの判事は、法廷の公用語である英語、日本語のどちらも理解できなかったという。これでは公正な判断はできない。まるで悪い冗談のようだ。ソ連などは日本軍が無条件降伏したのをさいわい、捕虜にして本国につれてゆき、過酷な労働をさせるというようなことをやっておいて、その前には、条約を破って攻め込んでおいて、それで日本の侵略を裁判しようというのだから、ふつうの神経でない。またそれを認める連合国も日本憎しかなにかの感情?で道理感覚を喪失してしまっているのか。日本国に罪ありと仮定しても、この裁判は公正でない。アメリカ人にも不公正を認める人は少なくないが、アメリカ国としては、まだ東京裁判は正しいという立ち場だろう。
.. 2007年11月10日 20:18   No.108015
++ タク (部長)…185回       
ソ連検事ワシリエフ少将は延々2日間にわたって朗読しつづけて声帯の強靭さを誇ったと言います。また、その論告は、一部門の担当というよりは、ソ連独自の最終論告の形をとり、はっきり東条大将ら11被告の名前をあげ、それぞれ次のような人物評を加えて責任を追及しました。

東条=「日本軍閥の首領」
梅津=「対ソ侵略計画の直接指導者」
荒木=「日本軍閥の膨張思想指導者」
板垣=「対ソ侵略の全事件の関係者」
平沼=「対ソ軍事ブロック創設の従事者」
南=「日本帝国主義者一味の古い指導者」
重光=「日本の侵略的対外政策の先導者」
広田=「外交官の職業を侵略陰謀目的の実現の手段とした、日本支配階級の最も有力な指導者」
大島=「三国同盟締結の陰謀参加者」
橋本=「ソ連邦の徹底した凶悪な敵」
東郷=「対ソ侵略の幹部的犯罪人」

このソ連検事の評言は、被告たちを驚かせました。「憎悪と雑言のみ」と重光元外相が嘆息すれば、鈴木元企画院総裁も憮然としました。鈴木元総裁は、「極刑者は10人くらいの見込みだ」という「情報」を、戒能通孝弁護人から聞いたが、ソ連検事の主張がとおるものなら、それだけで10人の極刑者は決まったようなものです。ソ連検事の人物評価のうち、やや軟調子なのは平沼元首相だけで、あとの10人は、まさに極刑に値する評価だったのです。

.. 2007年11月11日 15:42   No.108016
++ 伝六 (大学生)…71回       
東京裁判では犯罪を3つのカテゴリーにわけた。所謂「平和に対する罪」、「通例の戦争犯罪」、「人道に対する罪」である。それは裁判所条例の代条に規定されている。これについてパール判事は次のように述べている。
「裁判所条例第5条は、犯罪の異なるカテゴリーを定義したものと言われている。条文は平易な語で人及び犯罪に対する管轄権のみを与える趣旨である。そうしようとして憲章は「次の行為は・・・本裁判所の管轄権に属する犯罪とする」とのべている。わたしの意見では、その意図はこれらの行為が犯罪を構成することを制定しようというのでなく、これらの行為に関して、もし犯罪があるなら公判に付することができることを制定しようとしたものである。これらの行為が何らかの犯罪を構成するかどうかは適切な法により裁判所によって決定されるべく、オープンな状態にあるのである。わたしの意見では、これが条例についてとることのできるただ一つの可能な見解である。ポツダム宣言、降伏文書は、連合国(アライドパワーズ)が、過去の行為に対して彼らの選ぶどのような性格をも与えるような権威をもち、そしてそれによる処罰を未来において決定できるとは確かに想定していなかったのである。これらの文書を読んで、そのような権威を認めることは不可能であり、連合国がこれらのなかでなされた厳粛な宣言に違反し、亦おそらくは国際法と慣例を無視して、そのようなゆゆしき力をもつことをもちろんのこととしているとは、私はしばらくも想像することができないのである。私はそのような憲章の解釈が、ただ一つの可能な解釈ではないのに、連合国、もしくは連合軍最高司令官に対して、そのような無慈悲な仮定をしなければならないといういかなる理由もみつけることはできないのである。」
以上は辞書をひきながら、共同研究パール判決書の訳文を参照しながらの拙訳である。パール判事は連合国から任命されているのだから、表現には相当の配慮をしていると思われる。なるべくおだやかに言いたいことをきちっと言うというのはむつかしいことではないだろうか。パールは頭もよかったのだろうけれど、その道徳的勇気には感心する。

.. 2007年12月23日 16:58   No.108017
++ タク (部長)…192回       
南京虐殺は、退却した際の中国側の暴行、略奪と重なり合い、どの程度が日本側によって行われたものかは分かりません。有名な東京裁判におけるマギー神父の証言や、ラーベ日記における記述も、直接本人が目撃、確認したものは1件を除いてないあり様です。また南京事件をはじめて世界に広めたJ・ティンバレーの『中国における日本軍の残虐行為』についても、取材風景は以下のようなものでした。

攻略翌日に南京入りした福田篤秦参事官の証言によるものです。「残虐行為の現場は見ていないが、私はあれだけ言われる以上、残念ながらあったと思う。しかし私の体験からすれば、本に書いてあるものはずいぶん誇張されているようだ。当時、私は毎日のように、外国人が組織した国際委員会の事務所にでかけていたが、そこへ中国人が次から次へとかけこんで来る。

『いま、上海路何号で10歳ぐらいの少女が5人の日本兵に強姦されている』あるいは『80歳くらいの老婆が強姦された』等々、その訴えを、フィッチ神父が、私の目の前で、どんどんタイプしているのだ。『ちょっと待ってくれ。君たちは検証もせずに、それを記録するのか』と、私は彼らを連れて現場へ行ってみると、何もない、住んでいる者もいない。

また、『下関にある米国所有の木材を、日本軍が盗み出しているという通報があった』と、早朝に米国大使館から抗議が入り、ただちに雪の降るなかを本郷参謀と米国大使館員を連れて行くと、その形跡はない。とにかく、こんな訴えが連日、山のように来た。ティンバレーの原資料は、フィッチが現場を見ずにタイプした報告と考えられる。と・・・

.. 2007年12月24日 09:20   No.108018
++ 伝六 (大学生)…72回       
71回投稿の三行目の「裁判所条例の代条」は「裁判所条例の第5条」のまちがいです。

「極東(のための)国際軍事裁判所条例」にはA級戦犯という語は、どこにもありません。第一条に、極東における重大戦争犯罪人の公正(just)かつ迅速なる審理および処罰のためここに極東国際軍事裁判所を設置す」とあって、重大戦争犯罪人(容疑者)を裁判したのが、東京裁判です。A級BC級というのは、宣伝のための語で、GHQのカーペンター大佐は、A級というのは東条首相のごとき政治的指導者をいうと「星条旗」紙に発表しています。Bというのは戦場における虐殺等の責任を問われる指揮者。Cというのは虐殺等を実際に行った兵隊というように分類しています。ニュルンベルグ裁判ではBクラスは通常の戦争犯罪、Cクラスは人道に対する罪(対象はユダヤ人のホロコースト)と認識されていますので、極東でもC級犯罪があったとなると、日本人が中国人のホロコーストをおこなったのかと知らない人は思うわけです。戦時中に日本軍は野蛮で獣的な軍隊と宣伝してきたから、日本軍は世界の軍隊に比して野蛮で獣的とはいえない、比較的りっぱであるとなれば、宣伝にならない。それでC級犯罪があることにした。松井大将はそのために有罪死刑になったのではないか。私はそのような疑問をもっています。

.. 2007年12月29日 11:26   No.108019
++ タク (部長)…193回       
一般の呼び名である「東京裁判」を正式に言うと「極東国際軍事裁判」と言い、太平洋戦争(大東亜戦争)の戦勝国(米国、英国、中国、ソ連など)が、負けた日本を裁く軍事裁判の事です。その軍事裁判の中にA級戦犯というものがあります。A級戦犯というのは、指導的役割で戦争を遂行した人のことで、他にB級戦犯、C級戦犯というものがありますが、これは罪の重さをランク付けしたものではなく種類別したものです。正式には「分類A」というのが本当の呼び名ですね。

ちなみに第二次世界大戦で指導的役割をした28人が起訴されています。A級戦犯とされた人物と判決は、東条英機首相・絞首刑・板垣征四郎陸相・絞首刑・広田弘毅首相・絞首刑・平沼騏一郎首相・終身禁固刑などです。〔分類A〕平和に対する罪(侵略戦争の遂行)・〔分類B〕通常の戦争犯罪・〔分類C〕人道に対する罪(民間人に対する迫害・せん滅)。

靖国神社には戦犯で絞首刑になった人が刑を執行された後で、罪を償ってから祀られています。法的には、刑期を終えた犯罪者と一緒で、刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消滅するというのが近代法の理念です。釈放をもって戦犯の名誉は国際的にも回復されたと言うことです。

A級戦犯とされ有罪判決を受け禁固7年となった重光葵氏は釈放後、鳩山内閣の副総理や外相となり、国連加盟式典の代表として戦勝国代表から拍手を受け功績を認められ勲一等を授与されているのです。さらに終身刑となった賀屋興宣は池田内閣の法相を務めています。名誉が回復されていないとするならば、日本国は犯罪人を大臣に任命して勲章を与えた事になるのです。彼等がA級戦犯だからといって、国際的に不都合なことは何も起きていないのです。

.. 2007年12月31日 07:20   No.108020
++ 伝六 (大学生)…73回       
名誉回復というのがどういう意味かあいまいなところがあります。BC級の人には冤罪が多い。冤罪であったということをあきらかにしてこそ、名誉の回復だと思います。この点、BC級戦犯にたいしては国家はやるべきことをまだやっていないと思います。国内的には犯罪人ではないことになった。しかし、まだ筋を通していない。いまさら、そういうことをやっても死んだ人はいきかえらないし、家族の人もほとんどなくなっているけれど、事実は事実として、国家としてあきらかにすべきだと思います。
.. 2007年12月31日 14:54   No.108021
++ 伝六 (大学生)…74回       
年末はゆっくりすごしたいのだけれど、際までパル判決などを読んでいる。私の考えでは東京裁判あるいは極東国際軍事裁判というのはINNTERNATIONAL MILITARY(軍事)TRIBUNAL(裁判所)FOR THE FAR EASTすなわち極東国際軍事裁判所でおこなわれた裁判のことです。極東(のための)国際軍事裁判所と「ための」をいれたのは、FORの直訳です。
.. 2007年12月31日 18:18   No.108022
++ タク (部長)…194回       
日本の総理大臣であった小泉首相の言葉を借りれば「不戦の誓い」、2度と戦争をしてはいけないという誓いのために、日本国内の神社に行っても、それを外国からとやかく言われる筋合いはないと思うのです。中国などが言う「A級戦犯が悪い」ということを認めるならそのとおりですが、本当にA級戦犯がいけなかったのか、と考える必要があるでしょう。

日本と中国の認識の違いがあります。日本は中国を侵略する意図はなかったのですが、中国は侵略戦争だったと言います。日本は刑の執行で罪は償ったと認識していますが、中国はA級戦犯で死んでも罪人だと言います。罪を償ってから祀っていますと言っても中国では罪人の罪は未来永劫消えないというのです。ということは、東京裁判そのものが正しかったのかという事になります。

正月からお客さんのおもてなしでパーティーが続きます。ずーと呑み続けます。だが、宴はいつかは終わる(笑)

.. 2008年01月01日 10:26   No.108023
++ 伝六 (大学生)…75回       
ニュルンベルグ裁判をうけたドイツについては、西ドイツ議会により戦犯には時効を認めないとの決議がなされ、戦犯処理という実務の上において、この点が結果を大いに異にすることとなったものである。この宣言は「戦争犯罪及び人道の罪に対する時効不適用に関する条約」として1970年11月11日に効力を発しているが、わが国の代表は、
「時効制度は刑法上、既に長期にわたって確立した制度であり、その撤廃は逆に犯罪容疑者の人権保護の問題とも関連して慎重に検討すべきである。戦犯など極めて非人道的残虐な犯罪について時効制度の適用除外を例外的に考慮することは可能と考えるが、そのためには犯罪の内容範囲を明確にすることが先決である。事後法の禁止は法律の大原則で、人権規約第十五条でも明確に保証されており、従って遡及処罰には賛成しえない云々」として、わが国はこの条約に加入していない。条約に加入しなかったのは正しいけれど、その論拠については半分しか賛成できない。ただ、「犯罪の内容範囲を明確にすることが先決である」というのは正論である。BC級戦犯とされる人の「犯罪の内容」について国家としてまだあきらかにしていない。人権蹂躙について被害者の家族は国家を相手に訴訟をおこしていい問題でないかと思うが、現在にいたるまで勝つ見込みのない裁判になるであろうから、やった人はいない。
時効などというのは、実務処理上そうするだけであって、悪人の便利になるようなことは、なるたけやらないほうがいいくらいだ。犯罪者の人権については、残虐非道な犯罪については、人権喪失規定をもうけるがよいと私は思う。もちろん悪用してはいけない。BC級戦犯の問題は時効だとか人権だとかとはちがった範疇の問題である。

.. 2008年01月03日 12:08   No.108024
++ タク (部長)…196回       
実は、現在問題になっているのは領土、教科書、靖国、日本の安全保障理事国入りの問題、すべてがこの東京裁判で扱われた太平洋戦争(大東亜戦争)に対する認識に原因があるのです。日本の国連安全保障常任理事国入り問題では、小泉元首相が平成16年国連総会で、安全保障理事会の常任理事国をめざすことを表明して、日本は国連予算の全体の約20%を拠出し、アメリカをのぞく常任理事国の負担金の合計よりも多いのです。

常任理事国入りは日本の世界での発言力強化にもつながるし、安全保障に関する情報をより早くキャッチできると言いますが、現在の常任理事国の中で、中国などは強くこれに反発しています。アジアで中国以外に安保理の常任理事国ができれば、中国の影響力が低下すると考えているからですね。

.. 2008年01月05日 18:19   No.108025


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