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四電の回答はすべて単なる希望にすぎず、科学的、実証的知見が全く見られません。こんなレベルの電力会社が平気で原発を動かそうとしているのはなんとも恐ろしいことです。 それにしてもこうも強気に断言できるのは、福島事故の検証が公的にしっかりなされていないからです。 民間では田中三彦氏などが地震による配管破断を指摘しましたが、公的には国会事故調が地震による配管破断の可能性に言及したのみで、福島事故の原因のすべてが津波であるとされてしまい、地震による配管破損はないことにされてしまっているからです。地震による配管破損を認めると全原発の再稼働ができなくなってしまうからです。
◎サミット宣言文は原発推進 5月25日、G7伊勢志摩首脳宣言が発表され、その中に原発に関する文言があります。福島第一原発事故に関して「廃炉および汚染水対策の着実な進展」、「オープンかつ透明性をもって日本の取り組みが進められている」とし、「原子力の利用を選択する国にあっては、原子力は将来の温室効果ガス排出削減に大いに貢献し、ベースロード電源として機能する」などとして原発推進を称賛しています。 メルケル首相も参加していたのに、福島第一原発事故に衝撃を受け、悲惨な事故を起こしてはならないと脱原発に180度舵を切ったドイツの取り組みについて全く言及していません。
◎政府が自認 電気は足りてる 政府は5月13日今夏の節電要請を2011年の東日本大震災後初めて見送ることに決めました。政府は3.11以降原発停止による電力不足に対応するとして節電を呼びかけてきました。政府は毎年電力の供給余力を示す予備率の見通しを算出していますが、今年8月の予備率の見通しは安定供給に必要とされる3%を大幅に上回る9.1%となり、節電要請を見送ることになったのです。 昨年までの予備率の実績は毎年見通しを上回り、節電は定着し、電力消費量は下がり続けています。今、川内原発2基(178万kw)が稼働していますが、これがなくても電気は十分足りているのです。政府はそのことを自認したということです。もう「原発が動かなければ停電になる」の脅かしはききません。
◎避難解除、帰還強制は再稼働推進
政府は今、福島第一原発事故で福島県内各地に出していた避難指示を次々と解除しつつあります。6月12日に葛尾村の殆どの地区の避難指示を解除したのを手始めに、14日は川内村の東部(これにより全村解除)、7月12日は南相馬市の殆どの部分、飯館村は来年3月末帰還困難区域を除いて解除する方針をたてています。 避難指示を解除することは、自主避難をしている人たちを含めすべての避難者の支援を打ち切り、それにより生活できなくなる人たちを強制帰還に追い込むものです。政府は避難指示解除して福島第一原発事故を過去のものとし、一層再稼働を推進するつもりです。
◎川内止めろ、伊方動かすなの声を 「再稼働阻止全国ネットワーク」は九州大地震を受けて「中央構造線に火がついた!川内止めよ!伊方動かすな!の統一スローガンの下5,6,7月の3ヶ月間、毎月11日を中心に活動することにしました。 伊方原発のゲート前では6月11日も150人が座り込みをしました。東京では四電東京支社前と九電東京支社前で抗議行動をしました。 川内原発止めよ!伊方原発動かすな!の声を一層大きくしていきましょう。 (「原発いらない!ちば」2016年6月号より転載)
.. 2016年07月04日 11:49 No.1070005
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