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鎌田 慧
川内原発の再稼働を推進している鹿児島県・伊藤祐一郎知事の4選阻止を目指して、ふたりが立候補を表明していた。元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓(みたぞのさとし)氏と脱原発派の平良(たいら)行雄氏だが、17日に共同記者会見、三反園氏に一本化で県政を変えると宣言した。 参院選と同じ7月10日投開票の鹿児島県選は、かねて自民党型土建政治との批判の強い現職の伊藤知事と新人2氏の三つどもえ選挙となりそうだったが、三反園氏側が「熊本地震を考慮して安全確保のため停止し再調査、再検証を行う」「原発を廃炉にする方向で、原発に頼らない社会の構築に取り組む」などの政策に合意し、平良氏が出馬を取りやめた。 平良氏側も選挙事務所を構え、大量のチラシやポスターを準備していたので、会見前夜の11時半まで統一か決戦かの議論が白熱していた。わたしも推薦人だったので、その場にいて、2、3位連合で現知事を倒すしかない、と考えていた。当事者である平良氏は、終始冷静に支持者を説得して大人(たいじん)の風格があった。 こうして、脱原発派が二分することなく、県政刷新のチャンスに挑戦する。2年前の東京都知事選、沖縄知事選の教訓が生きている、とわたしは感慨深かった。 くしくもまた都知事選。はや駆けしそうな候補の動きもある。鹿児島に倣って大人になってほしい。(ルポライター) (6月21日朝刊29面「本音のコラム」より)
.. 2016年06月22日 08:26 No.1066001
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