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■--練馬に市民発電所
++ 東京新聞 (社長)…1508回          

「原発に頼らない一歩」
  「福島映画祭」開いたビル屋上 10日まで寄付募る

  市民の出資や寄付で立ち上げた市民発電所が、練馬区に誕生した。太陽光パネルを置いてくれる広い屋根を見つけるのに苦労したが、福島をテーマに映画祭などを開いていた「ギャラリー古藤」(栄町)に決定。発電所を「ふるとうSUN」と名付けた。運営する練馬グリーンエネルギーの原尚美理事長は「原発に頼らない社会をつくる一歩に」と意気込む。
 古藤のビル屋上は約60平方mあり、太陽光パネル24枚を設置した。周囲に高い建物がなく太陽光が遮られずに降り注ぐ。1.7世帯の消費量に相当する年間約7700キロワット時を発電できる見込み。一部を古藤で使い、残りを電力会社に売る。
 練馬グリーンエネルギーは、東京電力福島第一原発事故を受けて原発に依存しない社会を目指そうと、有志が2013年に準備委員会を発足。15年に一般社団法人となり、メンバーは約60人。各地の市民発電所見学や太陽光発電工作セミナーの開催などを重ね、地域に根差した発電所づくりを模索してきた。(中略)
 寄付を10日まで募集中。
 問い合わせは練馬グリーンエネルギー=電03(4405)7523=へ
   (6月1日22面「都心」より抜粋)

.. 2016年06月02日 09:04   No.1059001

++ 佐賀新聞 (幼稚園生)…4回       
九電に追加説明要求 「耐震で免震どう補うか」原子力規制委員会

◯ 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の免震重要棟建設の計画撤回に関し、九電は31日、原子力規制委員会の審査会合で、事故対策拠点を耐震構造に変更する方針を説明した。「当初申請時の基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)ならば免震で可能だったが、設定を引き上げたため、成立が見通せなくなった」と理由を述べた。規制委は免震と耐震の利点を比較して追加説明するよう求めた。
 規制委は「2013年7月の当初申請時は『免震』だったのに、この数年の間に何が起きたから『耐震』と変えたのか」と経過説明を求めた。
◯ 九電側は「免震構造は鉛直方向に大きく揺れる特性がある」とした上で、審査の過程で一般建物の国認定基準の約2.5倍に基準地震動の設定が引き上がり、「新たな免震装置を開発する必要があるなど現時点では成立が見通せなくなった」と答えた。
 九電側が「耐震は免震より2年早くできる」としたのに対し、規制委の更田豊志委員は「『期間』と『成立性』について説明されたが、福島では免震重要棟の中は非常に安静だった。そもそも免震のメリットは何なのか。耐震でそれをどう補うのかについて説明してほしい」と注文した。
◯ 会合後、九電の担当者は「新たな免震装置を開発する話なので本当に2年でできるのか確証がない。際限なく時間があればやるが、安全性向上を考えれば一刻も早くという命題もある」と強調した。 (6月1日より)


.. 2016年06月03日 08:09   No.1059002
++ 東京新聞 (社長)…1509回       
電気料金のうち 原発にいくら? 経産省、HPで公表へ

 経済産業省は25日、すべての電力利用者が支払っている電気料金のうち、原発の維持管理などに回る額を公表する方針を決めた。消費者が電力会社から受け取る毎月の検針票や請求書には原則として記載がなく、批判が上がっていたため。同日の有識者会合「電力基本政策小委員会」で報告した。
 電気料金のうち、政府が規制で定めている費目の料金をホームページに開示する。この中で、大手電力会社の送電線を利用するためすべての消費者が負担している「託送料」(東京電力管内は1キロワット時当たり8.57円)、主に原発の維持推進に充てる「電源開発促進税」、使用済み核燃料のリサイクルにかかる費用を、1キロワット時当たりの額で掲載。1カ月の電力使用量を掛け合わせれば、月額を把握できる。 (後略) (5月26日7面より抜粋)


.. 2016年06月03日 08:14   No.1059003
++ 東京新聞 (社長)…1510回       
地震の影響を注視 国内で最も活発 阿蘇山
  ニッポン火山紀行4

  熊本地震は、国内で最も活発な火山の一つである阿蘇山の近くで起きた。活断層は火山のすぐそばまで迫り、地下のマグマだまりへの力のかかり具合が変わったという。現時点で火山活動の活発化の兆候はみられていないが、今後はどうなるのだろうか。
  神話
  阿蘇山の最大の特徴は、巨大な陥没地形(カルデラ)だ。大きさは南北約25キロ、東西18キロに及び、ぐるっと外輪山が囲む。
 その唯一の切れ目が、南阿蘇村の「立野火口瀬(かこうせ)」だ。火口瀬とは、カルデラや火口の縁の一部が切れてできる谷のこと。地元には「蹴破り伝説」が伝わる。阿蘇開拓の神「健盤龍命(たけいわたつのみこと)」が、外輪山に囲まれた大きな湖を眺め、ここを陸地にしようと山を蹴破ったという。
 熊本地震の本震で動いた布田川断層はこのあたりを通り、カルデラの中にまで延びていた。立野火口瀬周辺では、大規模な土砂崩れが起き、阿蘇大橋が崩落した。京都大火山研究センター近くでも地割れが起こり、土砂崩落の恐れから職員は退去した。
 センターの大倉敬宏教授は「火口瀬は、過去の地震によってできたと考えられている。だから、この地域では昔から地震が起こっているとの認識はあった。ただ1928年にセンターをつくった際には、これほどの地震は想定していなかった」と明かす。(後略) (5月23日4面「3・11後を生きる」より抜粋)


.. 2016年06月03日 08:22   No.1059004
++ 東京新聞 (社長)…1511回       
凍土「壁というよりすだれ」 効果に疑問の声
福島第一 追加工事を承認

  東京電力福島第一原発の凍土遮水壁をめぐり、原子力規制委員会の検討会は2日、先行して凍結が始まった海側でうまく凍らない部分に特殊なセメントを注入し、地下水の流れを緩くする追加工事を承認した。東電は六日から工事に入る。山側部分でも準備ができ次第、凍結を始める。
 東電は検討会で、海側の状況について「5月末時点で零度以下の場所が約97%。水がせき止められている兆候が確認できている」と効果を強調。1号機北側と東側、4号機南側の凍っていない部分では、追加工事をすれば、凍結が進むとの見通しを示した。
 規制委は追加工事のほか、水位監視を厳重にして慎重に進めることを条件に山側の凍結も認めた。ただ、検討会では「効果が分からない」と凍土遮水壁の機能を疑問視する声や、安易に地下水位を下げると建屋内の高濃度汚染水の方が高くなり、漏れる危険性が高まるのではないかなどの懸念が相次いだ。
 東電のデータでは、凍結液が流れる配管周辺では土が零下になった面積が大半だが、10度前後のところも少なくとも4カ所あった。地下トンネルの周辺も零下になっていない場所が点在していた。全て凍らないと、水をせき止める壁にはならない。「壁というより、すだれのような状態」(規制委の更田−ふけた−豊志委員長代理)とみられる。(後略) 
   (6月3日朝刊3面より抜粋)


.. 2016年06月06日 08:45   No.1059005
++ 東京新聞 (社長)…1512回       
東海第二で汚染水750リットル漏れ 放射性濃度は基準40倍超

日本原子力発電(原電)は2日、茨城県東海村の東海第2原発の建屋内で、放射性物質に汚染された廃液約750リットルが漏れた、と発表した。表面から検出された放射性物質濃度は、暫定値で1平方センチ当たり1700ベクレルで、立ち入り制限の基準値の同40ベクレルを大幅に上回った。作業員の被ばくや建物外への放射性物質の漏えいはないとしている。
 原電の発表によると、同日午後2時55分ごろ、廃棄物処理棟を巡回中の作業員が、中地下一階と地下一階の床に水たまりがあるのを見つけた。中地下一階に漏れた液体からコバルト60などが確認され、1平方センチ当たり1700ベクレルを検出したため午後5時ごろに室内の一部を立ち入り制限区域に設定した。地下一階の液体は基準値未満だった。
 汚染水が見つかった中地下一階は、廃液貯蔵タンクの圧力管理装置室で、室内に張り巡らせた排水管から漏れた可能性があるとみている。
(6月3日より)


.. 2016年06月06日 09:30   No.1059006
++ 東京新聞 (社長)…1514回       
原発 安全の保障ない

  埼玉県川口市の無職長谷川千恵子さん(70)
 地震のような自然災害ならば、皆で力を合わせればいずれ復興できる。でも、原発事故はそうはいかない。政府は都合の良い情報を流して原発再稼働を進めるが、安全が保証されているとは言えない。

  東京都豊島区のアルバイト栗山さつきさん(25)
 ろくに説明がないまま原発は安全と言って再稼働を進める政府が理解できない。地震が頻発する日本は原発事故のリスクを常に抱えている。再稼働を進め、次代に問題を押しつけてはならない。
    (6月6日27面「金曜日の声−国会前」より)


.. 2016年06月07日 08:26   No.1059007
++ 東京新聞 (社長)…1515回       
悪夢への逆走   鎌田 慧

  集会がはじまる時間を狙って、黒塗りの車列があらわれた。わたしたちが演壇にしている宣伝カーのすぐ後に停車して、一斉にがなりたてた。なにやら絶叫しているのだが、意味は不明。発言者の声を押しつぶそうとするだけの暴力。それに軍歌の大音響。
 日曜日。国会周辺3ヵ所での「改憲反対、戦争させない」集会の妨害に来た右翼の車列を前にして、わたしはマスコミに触手を伸ばした安倍政権が、いよいよ集会の自由にも暴力装置を使い出したのか、と考えていた。
 56年前の1960年6月、国会裏の道路で「安保反対、岸を倒せ!」を叫んでいたわたしたちの隊列のすぐ後ろで、右翼が新劇人のグループにこん棒を振って殴り込んだ。その5日前、羽田空港周辺で米大統領新聞係秘書ハガチーの車を阻止した隊列に右翼が突入し、女子学生が昏倒するのを目撃している。
 かつて政権が危機的になると、右翼が暴れ出した。安保闘争のなかで社会党の河上丈太郎が刺傷をうけ、浅沼稲次郎委員長が刺殺された。岸信介首相も刺された。
 手段を選ばず、平和憲法を抹殺し、戦争のできる「新しい国へ」(安倍首相の著書)引きずり込もうとするのは、東条英機と祖父・岸信介が「満州建国」で果たそうとした悪夢の時代への逆走だ。時代錯誤の夢想家の犠牲にはなりたくない。
    (ルポライター)  (6月7日朝刊27面「本音のコラム」より)



.. 2016年06月08日 08:37   No.1059008
++ 東京新聞 (社長)…1516回       
もんじゅ もう廃炉にしてあげて

  高速増殖原型炉「もんじゅ」をどうするか。原子力規制委員会の勧告を受けた文部科学省の検討会は、受け皿を示せなかった。かつての「夢の原子炉」を、もうこれ以上、野ざらしにすべきでない。

 もんじゅは悲劇の原子炉だ。
 通常の原発の使用済み燃料からウランとプルトニウムを抽出し、燃料として再利用できるだけではない。さらにその燃料が理論上、消費すればするほど増殖、すなわち増える。もんじゅはこのような核燃料サイクルの要、資源小国日本にとって、まさに夢の原子炉と、もてはやされた。
 もんじゅは通常の軽水炉とは違い、冷却水の代わりにナトリウムを使う。空気に触れると激しく燃える難しい物質だ。
 199年暮れ、発電開始からわずか4カ月足らずで、深刻なナトリウム漏れ事故が発生した。
 その際当時の運営主体の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が、事故が小さく見えるように編集した現場のビデオを公開するなど、隠蔽(いんぺい)工作が次々明らかになり、激しい批判にさらされた。
 信用失墜の動燃は核燃料サイクル開発機構に改組した。さらに2005年、今の日本原子力研究開発機構になった。ところがそのずさん体質、隠蔽体質は一向に改善されず、12年には1万点近くの機器で点検漏れが見つかった。
 原子力規制委員会は昨秋、不祥事を繰り返す機構には「運転を任せるべきではない」と、文科相に異例の勧告を行った。
 もんじゅの燃料を抽出する青森県六ケ所村の再処理工場もトラブル続き、米国家安全保障会議(NSC)は日本の再処理事業に対する懸念を隠さない。核燃料サイクルは、すでに破綻を来している。
 初臨界から22年、もんじゅは延べ200数10日しか動いていない。それでも、年に200億円もの維持費がかかる。
 電力業界は運営に難色を示しており、文科省の検討会も受け皿を示せていない。人間のうそとずさんが、かつての夢の原子炉を、引き取り手のない、金食い虫の厄介者におとしめた。
 実証炉に至る以前の原型炉、もんじゅは立派に役目を終えた。もう、廃炉にしてあげたい。“科学の夢”をこれ以上、さらしものにすべきでない。
 廃炉には長い年月と新たな技術開発が必要だ。研究施設としては貴重な存在になる。
 地元の雇用はそこで維持できるはずである。 (6月4日朝刊5面「社説」より)

.. 2016年06月08日 08:47   No.1059009
++ 東京新聞 (社長)…1517回       
大地震の夢で跳び起きる

  この5年間に起きたことを思い起こすと、幻のように感じる。事故後、余震が続き、夜中に何度も起きた。そのたびに「福島第一にいる作業員は大丈夫か。冷却は止まってないか」とテレビをつけて確認した。
 その後、夜中に地震の夢を見るように。「あっ地震だ」と目を覚まし、収まったと思って寝ると、今度はごう音がし、立っていられないような揺れを感じて跳び起きる。玄関まで出て、福島第一が気になり、慌てて部屋に戻ってテレビをつける。「あれ、何もやっていない。夢だったんだ」ということが何度かあった。2年ほど前まで続いた。
 一時期、酒を飲む量が増えた。夜、眠れなくて酒を飲んでも、3時間ほどで眼が覚めてしまう。そんな状態が半年ぐらい続いた。それでも朝早くから仕事に行った。仕事があったから救われたと思う。
  東電関係の仕事をしていた妻は「私はこれまで『原発は安全です』と言い続けてきた。原発が爆発したのはみんな私のせいだ」と落ち込んだ。電気をつけず暗い部屋の中にいたり、納豆ばかりを食べたり、ふさぎ込んだ。お互い普通じゃない状態がしばらく続いた。
  震災から時間がたつにつれ、人に会うのがつらくなってきた。家族崩壊、引きこもり…。どんなに賠償をつんでも治らない「原発患者」が増えている。
    (聞き手・片山夏子)
       (6月4日26面「福島作業員日誌・下請け社長」より)


.. 2016年06月09日 10:30   No.1059010


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