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■--中央構造線断層帯が火を吹いている
++ 木村雅英 (平社員)…146回          

 川内原発を直ちに止めるべきだ!
 |  原子力市民委員会の声明・記者会見から
 |  原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その95
 └──── (再稼働阻止全国ネットワーク)

 5月18日午後の原子力規制委員長記者会見でも、「川内原発を停止しなかったという判断は、正しかったという認識は、今も変わらないですか。」との記者の質問に対して、田中委員長は「正しいです。正しかったと思いますし、正しいと思います。」と答えた。
 非科学的・政治的判断をする原子力規制委員会だ。

○その前日17日に原子力市民委員会が声明
 「熊本地震を教訓に原子力規制委員会は新規制規準を全面的に見直すべきである」を発表し記者会見したので紹介する。こちら
 立石正昭さん(新潟大名誉教授、新潟県「…技術委員会」委員、地質学)が「熊本地震の特性を踏まえ、川内原発の即時停止を求めます」と訴えた。
 熊本・大分地震の特徴と問題点
(1)「移動する震源」で震源がどのように移動するのか現在の知識では予測ができない
(2)「規模の大きな余震活動が頻発」しており、次の点を解明する必要がある。
・従来の耐震設計は一回の大きな揺れを想定していたので重要構造物がどうなるか未検証・2004年の中越地震を上回る大きな余震が起こっているが地震動の発生機構と地震波の伝搬と増幅過程が未解明
・レベル4に達する長周期地震動を記録したので改めて検証が必要

 また、筒井哲郎さんが、現基準地震動620ガルは初期設計時の2倍近くであるのに躯体や機器の構造が変わっていない、火山噴火予知・免震重要棟取りやめ・避難計画・立地指針・水蒸気爆発・水素爆発を審査から除外していることを指摘。
 後藤政志さんが、地震動とものの壊れ方を説明、鉄筋コンクリート構造は“き裂”が入ると固有周期が長周期側にずれる、衝撃破壊・座屈の可能性を論じ、炉心溶融が起きると事故収束できなくなることを説明した。
 また、満田夏花さんが、原子力防災が屋内退避に頼っているが、地震と原発などの複合災害においてはそれが不可能であることを訴えた。
 以前から指摘してきた新規制規準と審査の問題点とともに、吉岡斉座長のもとで熊本・大分大地震により明らかになった新たに問題点を指摘する良い記者会見であった。
 残念なのは、川内原発を直ちに止めろと主張しなかったこと。新規制基準の見直しを訴えることは当然だとしても、原発の稼動も原発の審査も同時にストップするべきであると訴えるべきだったのではないか。

.. 2016年05月24日 09:08   No.1055001

++ 柳田 真 (平社員)…147回       
6年目の「反原発自治体議員・市民連盟」総会開かる
 |  再稼働阻止めざして活動。福島を忘れない8月シンポジウムほか
 |  北海道(泊原発)、茨城県(東海原発)、鹿児島県(川内原発)からも参加
 └──── (たんぽぽ舎、反原発自治体議員・市民連盟)

◯5月22日(日)、6年目になる「反原発自治体議員・市民連盟」の総会が東京「スペースたんぽぽ」で開かれました。北海道(泊原発)、茨城県(東海第二原発)、鹿児島県(川内原発)からも参加−発言があり、それぞれの原発現地について理解を深めました。
 開会あいさつを福士敬子さん、2015年の活動報告をけしば誠一さん、電力自由化の調査結果報告を門間ひでこさん、2016年活動方針を柳田、予算を新城せつ子さん、新人事紹介、数人の発言のあと、全議案が採決されました。2部で浪江町消防団物語「無念」が上映されました。

◯新役員
 共同代表 相沢一正(前東海村村議会議員)、佐藤英行(岩内町議会議員)、
      福士敬子(元東京都議会議員)、武笠紀子(市民)
 事務局長 柳田 真(たんぽぽ舎)
 会  計 むとう有子(中野区議会議員)
      新城せつこ(杉並区議会議員)
 会計監査 門間ひでこ(羽村市議会議員)
吉野 信次(市民)

◯総会の閉会にあたって  武笠紀子さん

福島第一原発事故を経て、日本中で1機も動いていなかった原発が再稼働を始めました。
 「原発はやめよう」という7割を越す国民の声を無視しての再稼働でした。
 そして、九州連続大地震にも関わらず、唯一稼働中の鹿児島県の川内原発の稼働を止めません。原子力規制委員会は「この地震は川内原発に影響しない、止める必要はない。」との見解を示していますが、住民の生命と財産を守るためには、川内原発は止めて、伊方原発を再稼働させてはなりません。そのため に、 全国の反原発をめざすグループ・団体と力を合わせ行動していきます。
「反原発自治体議員・市民連盟」は6年目に入り、暮らしの足元から「エネルギー問題を解決しよう!」「原発を廃止しよう!」と、全国で連携して活動を続けています。
 連盟結成を決めた時には、はるか先の目標であった「全原発稼働停止」が、福島第一原発事故を契機に実現し、5年後の今も、54機の原子炉のうち2機が動いているのみです。
 長期に及ぶ原子炉の停止は老朽化を招くため、安倍政権は原子力規制委員会とマスコミを利用して世論を操作し、原発の再稼働と延命を目論んでいますが、私たち「反原発自治体議員・市民連盟」は、「福島を忘れない。」「原発電気さようなら」を合言葉に、全国各地で「反原発」を訴え、日本の原発が全て廃炉となることを目指して活動を続けていきます。


.. 2016年05月24日 09:20   No.1055002
++ 木村雅英 (平社員)…147回       
5/18四国電力東京支社へ抗議追加質問書
 |  伊方原発を再稼働するな!
 └──── (再稼働阻止全国ネットワーク)

 5月18日(水)の伊方を動かすな!第8回四国電力東京支社抗議行動」(主催:再稼働阻止全国ネットワーク)の簡単な報告です。
 四国電力東京支社(東京銀行協会ビル18階)を4人で訪問し、次の追加質問書2つを提出しました。

○伊方原発の「緊急時対策所」はどちらがより安全であるか?
             「反原発自治体議員・市民連盟」
○四国電力本店への質問状―4(原発稼働の問題点と免震棟、
 被ばく労働について) 「再稼働阻止全国ネットワーク」(略)

四電本店広報奥田昌三さんからのメール回答を待ちます。
 また、ロビーでの立ち話ですが、「中央構造線に火がついたのだから伊方原発の再稼働を延期するように、四電による伊方3号機再稼働の住民説得工作をするな、事故の危険を尋ねられて「天命」と答えた四電社員を糾弾、伊方ゲート前で住民に圧力をかけるな」などを担当に話しました。


   「反原発自治体議員・市民連盟」の質問書

四国電力株式会社 社長 佐伯勇人 様
                          2016年5月18日
                    反原発自治体議員・市民連盟
        共同代表 相沢一正、佐藤英行、福士敬子、武笠紀子

伊方原発の「緊急時対策所」はどちらがより安全であるか?

4月20日提出の、「緊急時対策所について」の再質問について、ご回答をありがとうございました。
九州大地震はまだ収まっていません。一昨日には、関東地方(震源地は茨城県)にも震度5の地震がありました。「東海原発および東海村の原子力施設は異常なし」との報道がありましたが、日本のどこで地震があっても近くに原発があるという異常な状況に今更ながら驚くばかりです。東日本大地震後、日本列島がひずみを起こしていると言われ、各地での大地震が心配です。
そこで、伊方原発の「緊急時対策所」についての再質問です。今回の大地震の震源域と同じ中央構造線上の伊方原発は、南海トラフ地震が来るとの指摘がある危険な場所にあります。大地震によって原子炉及び燃料プールの冷却が停止する緊急事態等に対応する「緊急時対策所」の機能は重要です。
いただいたご回答では「緊急時対策所」は「原子力規制基準によって、耐震構造と決めた」とありましたが、貴社の判断では『緊急時対策所』の機能は「免震構造」ではなくて「耐震構造」の方が優れているとのご判断ですか?それとも「免震構造」の方が優れているが、費用や建設期間の問題で「耐震構造」で間に合うとの判断ですか?
今回の九州大地震では、『前震』という言葉が始めて使われ『本震』が後から来たという想定外の事態でした。その結果、多くの犠牲者が出ました。伊方原発で想定外の事態が起きた場合に、実際の対処を迫られるのは、机上で基準を作った「原子力規制委員会」ではなく、貴社・四国電力です。そして、生命と財産に重大な被害を受けるのは周辺自治体の住民です。当事者の立場からのご判断をいただきたいと思います。

【質問】
貴社は、緊急時対策所の機能をより安全なものに高めるとした時に、「耐震構造」と「免震構造」とを比べてどう判断しますか?


.. 2016年05月24日 09:29   No.1055003
++ 堀内美鈴 (中学生)…30回       
伊方原発に近い八幡浜市は熊本地震で震度5弱の揺れ。こわかった!!
 |  人間はごまかせても、自然はごまかせない
 |  地震国日本で、原発を動かせるところはどこにも無い
 └──── (愛媛県松山市)

◎ 4月14日の夜、九州熊本が震度7の激震にみまわれた。四国松山でも携帯の緊急地震速報アラームがなり、家がぎしっと揺れた。震度2だったが、その二日後の午前1時25分、またアラームが鳴り、そのあとも数時間おきに何度も鳴り続けた。熊本では二度目の震度7の激しい揺れで、四国電力伊方原発がある伊方町をはじめ宇和島市、西予市、松山市では震度4、伊方町の隣の八幡浜市では震度5弱を観測した。

◎ 九州の大地震は人ごとではない。震源域は熊本から大分へと拡大している。
 それが中央構造線に沿って愛媛に向かってきたら…その先には伊方原発がある。
 中央構造線は鹿児島県から千葉県房総沖まで横断する日本最長の1000キロもある大断層だ。

◎ 先日、地震学者の島村秀紀先生から、今回の熊本地震は、この中央構造線にそって並ぶ地震の「候補地」が起こした内陸直下型地震だとうかがった。
 地震は日本列島に人が住み着く前から起こってきたことだけれど、その歴史はまだよく分からないし、活断層は分かっているだけで2000、分かっていないものはその3倍以上、しかも日本中にあると考えられるそうだ。
 直下型地震はいつどこで起きるか分からないし、ましてや「ここは絶対に大丈夫」などと誰も断言できない。

◎ 伊方原発3号機は原子力規制委員会の審査に「合格」して再稼働が迫っている。
 しかし人間はごまかせても、自然はごまかせない。地震国日本には原発を動かせるところなどどこにも無いことを、私たちにはっきりと警告している。原発は二度と動かしてはいけない。


.. 2016年05月25日 07:53   No.1055004
++ 渡辺マリ (中学生)…31回       
書籍の紹介
 |  フクシマ5年後の真実「原発棄民」
 |  著:日野行介さん(毎日新聞特別報道グループ)
 └────  (たんぽぽ舎ボランティア)

◯ 「この国の政府は、原発避難者を消滅させようとしている。」
 調査報道とは当局発表の情報に頼らず、権力が隠蔽しようとする事実を、
 自らの取材で発掘することだ。
 政治家や官僚たちがいかに被災者を「復興の妨げ」として扱ってきたか。
 気鋭の記者が岩盤を素手で穿つような取材で徹底追及!

  フクシマ5年後の真実「原発棄民」
  著:日野行介さん(毎日新聞特別報道グループ)

【目次の紹介】
  ・序 章 避難者漂流
  ・第1章 原発避難者とは誰か
  ・第2章 避難者を苦しめる不合理な住宅政策
  ・第3章 みなし仮設住宅−無責任の連鎖
  ・第4章 官僚たちの深い闇
  ・第5章 打ち切り−届かぬ声
  ・終 章 終わりになるのか
     発行:毎日新聞出版  231頁 定価:1400円(税別)

☆ たんぽぽ舎でも扱っています。(消費税なしとさせていただきます)
  発送ご希望の方は、郵便振り込みの先払いをお願い致します。
  1冊1400円+送料200円、発送先のご氏名、ご住所、電話番号、を
  明記の上、下記口座にお振り込み下さい。
  郵便振込 加入者名 たんぽぽ舎  口座番号 00180-1-403856
  お振り込み後、必ず、電子メールか電話で、お振り込み日と上記の
  内容をご連絡下さい。
  お問い合わせ先:たんぽぽ舎 TEL 03-3238-9035



.. 2016年05月25日 08:05   No.1055005
++ 中垣たか子 (幼稚園生)…1回       
.「疑わしきは活断層とみなす」という現行基準の精神を貫け!
 |  「規制しているふり委員会」「規制しなくていいんかい?!」状態の
 |  原子力規制委員会に志賀原発敷地内の断層問題で5/31要請書提出
 └──── (さよなら!志賀原発ネットワーク)

 2012年7月に「原子炉直下の活断層が見逃されていたのではないか?!」と指摘されて以来、原発敷地内の断層の再調査が行なわれていた志賀原発、ようやく有識者会合による評価書がまとまり、去る4月27日、原子力規制委員会は評価書を受理しました。
 「断層が活動する可能性は否定できず」という結論のはずが、北電に6項目の“宿題”が出て、結論はまだ先延ばしになりそうな状況です。

 これでは、いったい何のための有識者会合なのでしょうか?
 「規制しているふり委員会」、「規制しなくていいんかい?!」状態の原子力規制委員会、このまま見過ごすわけにはいかないということで、志賀原発敷地内の断層問題の件で要請書を提出することになりました。

日時:5月31日(火)13:30〜15:30(これは交渉の時間です)
場所:参議院議員会館 B104会議室
   開場は12:30、13時より前段集会として、志賀原発をめぐる状況報告など
   を予定しています。

 「40年ルール」も骨抜きにされそうですが、「疑わしきは活断層とみなす」という現行基準の精神が貫き通せるのか、ちょっと危うい感じで心配しています。


   志賀原子力発電所・敷地内破砕帯の評価に関する要請書

原子力規制委員会委員長 田中俊一 様

提出団体:「原水爆禁止石川県民会議」、「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」、
     「さよなら!志賀原発ネットワーク」
前文省略

要請事項

1)原子力規制委員会は、“疑わしきは活断層とみなす”という新規制基準の基本的な考え方を堅持し、データの拡充を待って結論を先延ばしすることなく、「敷地内のS-1、S-2、S-6断層は、いずれも将来活動する可能性のある断層等である」という「評価書」の結論に従って判断をしてください。

2)志賀原発2号機タービン建屋直下にあるS-2、S-6断層は、ともに「将来活動する可能性のある断層等」と認定されています。
 タービン建屋内には原子炉補機冷却水系配管およびそれを支える構造物があり、これらの配管は原子炉の冷却に不可欠であり、新規制基準でも耐震重要施設に該当しています。
 志賀原発2号機については、速やかに「不適合」との結論を出してください。

3)北陸電力はいまだに評価書の結論を認めず、志賀原発1号機についても適合性審査を申請すると主張しています。
 しかし、原子炉直下に将来活動する可能性のある断層S-1がある1号機は、新規制基準に「不適合」であることは明確なので、北陸電力が1号機の適合性審査を申請しても、ただちに却下してください。


.. 2016年05月26日 07:59   No.1055006
++ 青木幸雄 (小学校低学年)…5回       
高知大の岡村さん等の話に謙虚に耳を傾けるべき
 |  「伊方耐震評価見直しを」「熊本地震上下動に着目」
 └──── (宮崎の自然と未来を守る会)

 みなさまへ
 私は、自分が生きている間に阪神淡路大震災や東日本大震災のような大災害を目にするとは思ってもいませんでした。
 東日本大震災からまだ5年しか経っていないのに今度は熊本地震です。
 次に何が起きるのか・・・。
 自然は私たちにとってなくてはならないものですが、時に牙を剥きます。
 地震や火山の噴火は止められませんが、原発は止めようと決断さえすれば止められます。
 高知大の岡村さん等の話に謙虚に耳を傾けるべきです。
 「川内原発は今すぐ停止!伊方原発は動かすべからず!」と強く思います。

 ◆伊方耐震評価見直しを 熊本地震上下動に着目 「基準地震動上回る」
  岡村 高知大特任教授

◎ 熊本、大分両県で相次ぐ地震は四国電力が7月下旬の再稼働を目指す伊方原発3号機(伊方町)の耐震安全性に影響しないのか―。高知大防災推進センターの岡村真特任教授(地震地質学)は、熊本県益城(ましき)町で過去にほとんど例がない上下動の大きな揺れが観測されるなど「新たな知見はある」と着目。今回の地震の検証を踏まえ、伊方原発の耐震安全性評価を巡る審査を見直すよう提言している。 (中略)
 岡村氏は「4月14日の地震はマグニチュード(M)6・5で簡単に1000ガルを超えた。伊方原発では中央構造線断層帯による地震でM8・0も想定され、熊本地震の比ではない」と強調。さらに「コンクリートは上下動に弱い」とし、原発事故の際、放射性物質の放出を防ぐコンクリート製の原子炉格納容器などへの影響を懸念している。

◎ これに対し四電は、益城町の地表で1399ガルを観測した地点でも、地盤が固い地中は上下動が127ガルだったと説明。伊方原発が建つ岩盤地点での揺れは地表よりも大幅に小さくなるとの見解を示す。
 四電は県の求めで2015年中に、3号機の安全上重要な機器がおおむね1000ガルにも耐えられるよう工事をした。熊本地震の発生後、四電は「最新の知見がまとまれば反映していく」としているが、現時点で7月下旬を目指している再稼働のスケジュールは変更しない方針だ。

◎ 規制委事務局の原子力規制庁は「熊本地震を受けたデータなども確認しており、現在のところ地震動評価を見直す必要はないと考えている」とコメント。

 岡村氏は「(国内では1995年の阪神大震災後)強い揺れの観測が可能になって20年弱しかたっておらず、どんな揺れが来るのかまだほとんど分からない。規制委は熊本地震を検証し審査を再検討すべきだ」と訴えている。
  (5月16日愛媛新聞朝刊より抜粋)
※「【報告】第1854日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★」(青柳行信)より引用


.. 2016年05月26日 08:07   No.1055007
++ 山崎久隆 (社長)…607回       
川内原発の「想定外」を想定する  連載その1(2回に分けます)
 |  熊本地震級が襲ったら何処が壊れるか
 |  「弾性範囲」ではない川内原発
 └──── (たんぽぽ舎)

◎ 熊本地震は、現在もまだ「何が起きてもおかしくない」「何が起きるか分からない」と地震学者が口をそろえて警報を発している地震である。
 1947年に発生した福井地震をきっかけに制定された「震度7」(周期1秒で600ガル以上、周期0.5秒ならば850ガル以上)は、その後実際に計測されたのは3回。ところが今回の熊本地震は3日間で2回にわたり観測された。
 規制委員会は何をもって運転に支障無しとしているのだろうか。
 まず、地震の規模については、1回目がマグニチュード6.5、2回目が7.3と、原発で想定される地震よりもずっと小さい。日奈久(ひなぐ)、布田川(ふたがわ)断層帯を含む断層で最大でマグニチュード8.1を想定している。
 川内原発の位置では直下ではマグニチュード6.1(2004年の「北海道留萌支庁南部地震」)の地震により解放基盤表面の揺れで620ガルと評価している。
 熊本地震の発生した断層系で起きる大地震を想定しても川内原発の位置では150ガルにしかならないという。
 総合して熊本地震が既知の断層活動に収まるならば川内原発に影響は与えないとの考え方だ。
 何が不足しているのかこれではっきりする。川内原発の位置で未知の断層活動によりマグニチュード7クラスの地震が起きることなど想定外。さらに現在の地震活動が甑(こしき)断層系に至る長い断層系を動かすような活動することも想定外。また、別府湾、豊後水道、瀬戸内海へとつながる中央構造線に沿って活動が北上することも想定外である。


.. 2016年05月27日 08:23   No.1055008
++ 山崎久隆 (社長)…608回       
◎ 「弾性範囲」の根拠

 記者会見で原子力規制委員会・田中俊一委員長は「620ガルの地震でも川内原発は弾性範囲」と述べている。何が弾性範囲なのか詳細には語っていない。考えられるのは原子炉建屋の躯体構造(耐震壁を含む建屋の骨組み構造)の話だろう。
 しかし地震応答解析の資料は、図面を含めて多くのページが「白抜き黒枠」で掲載されている。読めるページには解析結果だけが載っている。耐震計算の結果が本当に正しいのかデータが読み取れないので確認できない。
 「再稼働阻止全国ネットワーク」は規制委員会に対して異議申立を行う中で、このような記載箇所があまりに多いと何度も抗議してきた。報道でも指摘されている。
そのうえで規制委員会がこのような主張を繰り返すのは本当に許しがたいことだ。
 九州電力と規制庁が一体になって解析事実のデータを隠ぺいしながら「原発は安全」を繰り返す不誠実極まりない現実に、報道も市民も騙され続けていることを指摘する。

◎ 弾性範囲ではない

 そんな情報隠蔽文書の山の中にも実態の一端が垣間見えるところがある。
 躯体ではなく様々な配管類を評価した部分に、とてつもない数値が記録されている。
 最もひどい結果を出したのが、「安全注入設備配管」の解析だ。この配管は名前の通りならばECCS系統の配管のどこかである。構造的に厳しくなるのは管台(ノズル)付近か枝分かれ部かエルボ部(屈曲部)のどこかだろう。
 一番最後まで生き残ることを要求される非常用配管が、公表されている限りでは最も厳しい数値なのだから信じられない世界だ。
 具体的には地震力と温度、圧力の合成(一次+二次応力)が発生値845メガパスカルであるが、この配管に許容される応力値は344メガパスカルである。
実に許容応力の2.5倍もの力が掛かる。これでは間違いなく塑性変形を起こす。
 実際に許容値さえも弾性範囲を超えた値を採っているのだから当然だ。
 さらに問題なのが累積疲労係数だ。これは1を超えると破壊する危険があるが、一回の地震で0.555、2回になると単純に2倍すれば1.12になって破損の危険性が一気に高まる。熊本地震のように同程度の揺れが2度襲うと想定したら、この場合は持たないことになる。弾性範囲ではないことがリスクを急激に上げるのだ。
   (「連載その2」−◎ご都合主義の耐震計算

.. 2016年05月27日 08:29   No.1055009


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