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■--◆「発電方法示して」声拡大
++ 東京新聞 (社長)…1459回          

 地方議会、政府内にも 電力自由化 公表4社増

 電力の小売り自由化が始まってから1週間あまり。小売り事業者が販売する電気の発電方法が分かる「電源構成」の開示が進んでいない問題で、公表を求める声が強まっている。東京都武蔵野市などの地方議会は開示の義務化を求める意見書を可決し、国に提出した。政府内でも開示を求める声があり、経済産業省は開示状況の調査に乗り出す。事業者が開示に消極的なら、政府は開示を義務付けるなど一段の対応を求められそうだ。
 東京都武蔵野市議会は3月28日、事業者に電源構成などの開示を義務付けるよう国に求める意見書を全会一致で可決し、安倍晋三首相や林幹雄経産相ら宛てに郵送で提出した。
 電源構成は原子力や再生可能エネルギー、火力など各電源からどんな比率で電力調達しているかを示す情報。意見書では「消費者は電気料金の抑制のみを望んでいるわけではなく、より安全で持続可能なエネルギーを望んでいる」と指摘する。
 電源構成が分かれば、消費者は「環境を汚染しない再生エネを選びたい」「原子力は嫌だ」「二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭は避けたい」など、自分の考えに合った多様な選択が可能になる。武蔵野市議会に意見書を提案した西園寺みきこ議員は「電源の内容を知りたいという消費者は多い。賢く電気を選ぶために欠かせない情報だ」と強調する。(中略)
 本紙の取材では、首都圏で4月から家庭向けの電力販売をする事業者は少なくとも40社(東電含む)で、うち電源構成を開示しているのは16社。本紙が最初に調査結果をまとめた3月24日時点から、東急電鉄系の東急パワーサプライや、みんな電力など4社増えたが、全体の4割にとどまる。 (4月9日1面より抜粋)

.. 2016年04月11日 08:52   No.1039001

++ 東京新聞 (社長)…1460回       
浜岡原発 空調設備の破片 緊急用の冷却水に混入 非常時の備えに不安

  中部電力は11日、浜岡原発3号機(静岡県御前崎市)で空調設備が破損し、破片が緊急時の冷却用の水に混入しているのが見つかったと発表した。また同日、非常用ディーゼル発電機を試運転中に潤滑油が漏れるトラブルが起きた。
 3号機は2010年11月に定期検査に入って以来、停止している。このため、中電本店広報部は「放射性物質の漏えいはなく、安全上の影響もない」と説明するが、非常時への備えに不安を示す形となった。
 中電によると6日、原子炉格納容器内を巡視していた社員が、床に散乱したアルミ薄板やガラス繊維などの破片に気付いた。空調設備に取り付けられた9個の塩分除去フィルターのうち1個(縦横61センチ、奥行き29センチ)が破損していた。通気管がつながる圧力抑制室を調べると、室内の水からも破片が見つかった。中電は、これらの破片は破損後、空調ファンの風で飛ばされたとみている。
 圧力抑制室は、格納容器を取り囲むドーナツ状の部屋で、ここにある約4千トンの水は、事故の際に圧力容器から放出された蒸気を冷やしたり、炉心を冷やしたりするのに使われる。破損の原因や混入量、設備への影響を調べる。
 発電機は災害などで送電線からの電力が途絶えた際、炉心を冷やすポンプを動かす。3、4号機に2台ずつ備えてあり、うち3号機の1台を11日、定期試験で動かすと、油漏れが確認されたため、25分後に停止した。漏れたのは潤滑油約0.15リットルで、原因を調べている。
 3号機は15年6月、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に申請している。
    (4月12日2面より)


.. 2016年04月13日 08:21   No.1039002
++ 東京新聞 (社長)…1461回       
避難指示解除の自治体で初の首長選 楢葉町長選ルポ
  町民と国との板挟み 街には人影も少なく…「長い目で見なくては」
  仮設で揺れる心 「戻りたくても戻れない」「国や県と積極的に交渉して」
  「原発ないに越したことないが」
  人口7300人 帰還6%強470人 7割超5400人 いわき市内で避難生活

  東京電力福島第一原発事故による避難指示が昨年9月に解除された楢葉町で7日、町長選が告示された。全町避難を終えた自治体としては初の首長選だ。だが、町民の6%強しか町に戻っていない。事故前の生活を取り戻す方策はあるのか。原発推進姿勢に逆戻りした政府との関係を含め、町長に何を期待できるのか。町に戻った人、いまも仮設住宅暮らしを強いられている人たちに尋ねた。
   (中略)
 ≪デスクメモ≫
  楢葉町によると2月末現在で、福島県外で暮らしている町民は943人。北海道から沖縄まで30都道府県にまたがる。福島県内の別の市町村で暮らすのは5969人。いわき市以外では、郡山市に128人。会津若松市に64人。ほかは24市町村に点在する。いつになったら、帰れるのか。 (文)
   (4月9日「こちら特報部」より抜粋)


.. 2016年04月14日 08:37   No.1039003
++ 東京新聞 (社長)…1462回       
高浜原発 差し止め提訴 老朽1、2号機 延長「待った」
  名古屋地裁 住民ら「40年超危険」

  運転開始から40年以上経過した関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転延長は危険性が高いとして、福井、愛知両県など14都府県の住民76人が14日、原子力規制委員会に延長を認めないよう求める訴訟を名古屋地裁に起こした。 (中略)
 1、2号機について規制委は今年2月、運転40年を超す原発で初めて、新規制基準に適合しているとする適合証の原案となる「審査書案」を決定した。事実上の審査適合とされる。運転延長は例外的な場合に限るとされ、名古屋地裁がその是非を判断する。
 訴状によると、新基準は東京電力福島第一原発事故の真摯(しんし)な反省を踏まえておらず問題が多く、甚大な事故を起こす危険があると主張。「40年ルール」が厳格に運用されなければならないことは明らかだとした。
 さらに関電は高浜1、2号機で、新基準が求める難燃性ケーブルでなく防火シートで対応するとしており、規制委がこれを実証試験なしで認めたのは裁量権の逸脱だと指摘した。 (後略)
    (4月14日夕刊1面より)


.. 2016年04月15日 08:18   No.1039004
++ 東京新聞 (社長)…1463回       
東京湾のセシウム汚染 印旛沼から拡散 河口水門で高止まり 本紙調査

 東京電力福島第一原発事故による首都圏への放射能汚染問題で、本紙は昨年に続き、茨城、千葉両県にまたがる水郷地帯の状況を独自に調査した。前回と比べ放射性セシウム濃度の上下はあるものの、手賀沼(千葉県)や牛久沼(茨城県)の汚染は高止まりの状況。印旛沼(千葉県)から花見川河口(同)へとたどったところ、沼から川、東京湾へと汚染が拡散している状況が分かった。
 調査は今年1月、水郷一帯の沼や川計24カ所で採泥器を用いて底の堆積物を採取。合わせて河川敷など採取地近くの土も採取した。乾燥させ落ち葉などを取り除き、樹脂容器に詰め、それぞれ八時間かけてセシウム濃度を測定した。
 その結果、汚染が目立ったのは手賀沼。沼そのものは昨年より少し低下傾向が見られるが、上流にある調整池の中央では、1キロ当たり5867ベクレルを検出した。
 採取点近くの地上の土は9069ベクレルあり、分別管理が求められる指定廃棄物(8000ベクレル超)を超える濃度。高さ1メートルの空間放射線量も毎時0.7マイクロシーベルト近くあった。現場は、すり鉢の底のような場所。雨で増水して汚れた土砂がたまり、水が引いた後に乾いて濃縮する−というプロセスを繰り返し、局所的に濃度が高くなったとみられる。 (中略)
 水門より下流の花見川では、200〜400ベクレルに低下。河口に近づくと水量は激減し、堆積物はほとんどなく、採取できなかった。大雨の際には水門から大量のにごり水が放出される。セシウムを含む泥が海へと洗い流され、河口で堆積したとみられる。
 一方、国内2番目の大きさの霞ケ浦(茨城、千葉両県)は地点によって95〜1022ベクレルと濃度のばらつきが大きいが、水深のある地点の方が濃度が高くなる傾向があった。 
                (4月14日朝刊1面より)


.. 2016年04月18日 08:31   No.1039005
++ 東京新聞 (社長)…1464回       
福島事故 「炉心、1時間後に露出」 東電、国・県に報告せず
地震2時間半後に予測

 東京電力福島第一原発事故が起きた2011年3月11日、東電が地震発生から約2時間半後に、原子炉水位が下がっていた1号機の核燃料が約1時間後にむき出しになると予測しながら、法律で義務付けられた報告を政府や福島県にしていなかったことが分かった。炉心を水で冷やせずメルトダウン(炉心溶融)に至れば、大量の放射性物質の流出につながる。原発事故から5年余りがたつが、検証が必要な事故対応が依然、残されていることが裏付けられた。 
 東電が事故当日の午後5時15分ごろ、「約1時間後に1号機の炉心が露出」と予測していたことは、政府事故調査委員会の中間報告(11年12月)で明らかになっている。今回、報告義務がある予測結果を東電が伝えた記録が、経済産業省原子力安全・保安院(廃止)を引き継いだ原子力規制庁や福島県にないことが判明した。
 原子力災害対策特別措置法では、原発事業者は核燃料の冷却ができなくなるといった異常の発生や、その後の応急対応の内容を政府などに連絡しなければならない。当時の菅直人首相は本紙の取材に「予測結果は首相官邸に伝わっていなかった」と証言。「1号機のメルトダウンが迫っているとの報告があれば、より広い範囲の避難を早く決められたかもしれない。検証が必要だ」と述べた。 (中略)
政府は同9時23分、原発の半径3キロに避難指示を出したが、2号機の水位低下の情報がきっかけだった。1号機予測結果の未報告は、政府が避難指示を出すタイミングに影響した可能性がある。1号機はその後の政府や東電の解析によると、午後6時ごろに炉心が露出し、同七時ごろに炉心損傷が始まっている。         (後略)
(4月15日より抜粋)

.. 2016年04月18日 08:38   No.1039006
++ 夕刊フジ (小学校低学年)…6回       
熊本震度7 死者9人860人負傷
  専門家「南海トラフ、首都直下地震を刺激」
  余震100回超「怖くて家に戻れない」
  巨大活断層「中央構造線による巨大地震」

  前触れなく、突然大地が激しくうねった。14日夜、熊本県を襲った巨大地震。多くの家屋が崩れ、住宅街は停電による暗闇に覆われた。15日午前現在、死者9人、けが人は860人にのぼる。東日本大震災以来となる震度7。強い余震はその後も続発し、避難者らは「怖くて家に戻れない」と途方に暮れた。専門家は「この揺れは日本を縦断する巨大活断層『中央構造線』の一部で起きた。南海トラフ、首都直下地震も刺激しかねない」と警鐘を鳴らす。 (中略)
 本紙で「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」を連載する武蔵野学院大の島村英紀特任教授がこう解説する。
 「原因となった活断層(日奈久断層)は『中央構造線』と呼ばれるもので、東は長野県から愛知県、紀伊半島、四国の北部を通り、西の端は今回被害が発生した九州まで1000キロ以上伸びている。中央構造線はいずれ地震を引き起こすと考えられていたが、歴史上記録が残っていなかった。つまり、今回の地震は日本人が初めて体験する中央構造線による巨大地震といえる」
 気になるのは今回の地震による他の地震への波及で、島村氏は「中央構造線が通るほかの地域でも同じような直下型地震が起きる恐れがある。特に四国の愛媛県には中央構造線から約30キロの近距離に伊方原発があり、福島第一原発のような事故が起きないか懸念される。また、この中央構造線は心配される南海トラフ地震のプレートと並行しており、今回の揺れが何らかの影響を与える恐れもないわけではない」と説明する。
 今回の地震の規模はM6・5だが、島村氏によれば、中央構造線によって引き起こされる規模は最大でM7・0クラスに及ぶ。
 「実は解明されていないだけで中央構造線は首都圏にも走っている可能性がある。約3000万人が暮らす首都圏でも、今回と同じかそれ以上の直下型地震が起きる恐れも考えられる。人口が多い大阪なども同様だ」(島村氏) (後略)
     [4月16日(15日発行)B版1.3面より抜粋]


.. 2016年04月18日 09:24   No.1039007
++ 東京新聞 (社長)…1465回       
2つの断層連動 熊本地震 特異な3つの特徴
  揺れの回数 過去最多 断層 阿蘇山まで到達

  熊本県を中心に相次いでいる地震は、これまでに最大震度7、最大マグニチュード(M)7・3を記録し、大きな被害を出した。発生から4日目を迎え、これまでの地震の常識では割り切れない特異な姿が見えてきた。

大分の揺れ誘発
 気象庁は当初、熊本県で震度7となった14日夜のM6・5を「本震」としたが、のちに16日未明のM7・3が本震で、震度7は「前震」だったと修正するなど迷走した。
 元気象庁地震予知情報課長の吉田明夫・静岡大客員教授は「この2つの地震はメカニズムが異なる。『前震−本震』ではなく独立した活動とみた方がいい」と指摘。14日夜は日奈久(ひなぐ)断層帯、16日未明は布田川(ふたがわ)断層帯によるもので、近接する2つが連動したとする。政府の地震調査委員会でも17日、同様の指摘が出た。
 大分県でも「火山地域や中央構造線沿いの弱い所で地震が誘発された」(吉田氏)。気象庁は震度7の地震を「熊本地震」と命名したが、広域にわたる地震の全体像を再検討し、見直す可能性も出てきた。

阪神の倍ペース
 14日夜の震度7以降、熊本、大分両県で体に感じた地震は488回。震度5弱以上の地震も14回を数えた(17日午後11時現在)。M3・5以上の地震の回数を過去の直下型地震と比べると、余震活動がこれまで最も活発だったとされる新潟県中越地震を17日に上回った。阪神大震災の約2倍のペースだ。
 今回は特に、M6・5とM7・3という2つの地震にともなう余震が重なった形で数が増えた。清水洋・九州大教授は「今回のように地質が複雑な場所では断層が一発で割れず、残った部分が後で割れるため余震が増えやすい」と話す。
 複数の活断層が関係し、断層帯を離れた地域にも地震が飛び火しているだけに、どこまでを余震とみるかは難しい判断だ。 (後略)
   (4月18日朝刊1面より抜粋)


.. 2016年04月19日 08:22   No.1039008
++ 東京新聞 (社長)…1466回       
福島事故を忘れない    鎌田 慧

  平然と、というか、常識に逆らってというか、九州のひとたちが「前震」「本震」「余震」の襲来に生活を破壊され、恐怖に夜も眠れずにいるのに、九州電力は「川内原発異常なし」と豪語して運転しつづけている。まるで日本を破滅させた旧軍部の無責任。蛮勇だ。
 「熊本連続大地震」は、地震予知の専門家が「経験則から外れている」というほどの「想定外」である。地下での活動が強まって地震が誘発されている、との説もある。
 日本には未知の地震帯がまだ多くあるといわれている。神ならぬ身の菅義偉官房長官、「現状において停止する必要がない」とのご託宣を下した。住民の安全を本気で心配するなら、地震が収まるまで、止めて様子をみよう、とする愚直さが必要でしょう。
 川内原発の再稼働は、事故時の避難計画が机上の空論でしかない。事故対策を指揮する「免震重要棟」もない。それでも規制委員会が許可したいわく付きの原発である。
 このような蛮行が許されているのは、だれも福島原発事故の責任をとっていないからだ。住民の再稼働差し止め仮処分申請を認めなかった福岡高裁は、危険性の「社会通念」を基準とする、という。それなら危機意識はちまたに満ちている。
 わたしたちは「異常があってからでは遅い」として、川内原発即時停止を求める要請書を九電にだした。 (ルポライター)
    (4月19日朝刊29面「本音のコラム」より)



.. 2016年04月21日 08:45   No.1039009
++ 東京新聞 (社長)…1467回       
余震続く被災地ルポ「まさか熊本で地震」「水害は想定…揺れの備え薄く」
  確率8%でも安心禁物 横浜78% 東京46%
  読めぬ発生「原発動かせる国か」

  「震度7」の前震に襲われてから5日目。熊本県では今も強い余震が続き、被災者たちが終わりの見えない不安に耐えている。地震の少ない熊本だけに、人生初めての巨大地震体験という被災者も多い。政府の「全国地震動予測地図」でも熊本は8%。横浜の78%や千葉の73%と比べると、格段に低くみえる。専門家は「地震が起こらないという意味ではない。安心しないでほしい」とあらためて警告している。(後略)
      (4月19日朝刊28,29面「こちら特報部」より抜粋)


.. 2016年04月21日 08:54   No.1039010


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