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■--即避難線量 半数測れず
++ 東京新聞 (社長)…1428回          

川内原発周辺 監視不十分で再稼働

  昨年再稼働した九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)周辺の放射線監視装置(モニタリングポスト)のうち、ほぼ半数の48台中22台が事故発生時の即時避難の基準となる高い放射線量を測定できないことが、同県への取材で分かった。監視態勢が不十分なまま、再稼働したとの批判が出そうだ。(後略)
    (3月14日夕刊1面より抜粋)

.. 2016年03月16日 08:41   No.1027001

++ 東京新聞 (社長)…1429回       
押し出し    鎌田 慧

  3月12日。福島原発爆発事故5周年「県民大集会」が、福島県郡山市の陸上競技場でひらかれた。毎年この時期、福島集会に参加すると、寒さのなかを放射能雲に追われ、逃げ惑っていた人たちの、いのちが凍るほどの恐怖をすこしながら体感できる。
 5年たって田畑は雑木林と化し、イノシシの大群が闊歩(かっぽ)する。いくつかの地域を転々、いまだ故郷に帰還できない感情を、「浮遊感」と表現した被災者の声が心に残った。古里が地図から拭い去られてしまう、との訴えも切実だった。「公害の原点」足尾鉱毒事件の農民とおなじ棄民である。
 わたしは、この郡山集会の壇上から「さようなら原発署名運動」は13日、東京の政府東電へ抗議にむかう「押し出し」を実施すると報告した。
 120年前、明治30年代初頭、鉱毒に苦しむ群馬、栃木の渡良瀬川農民が、政府にむかった「大挙上京行動」に倣った運動である。さすがに寒い道を、かつての農民のようにわらじばきで踏破するには無理がある。
 鉱毒農民のこころと被ばく住民のこころを「フクシマ連帯キャラバン」の横断幕に結びつけ、数台のクルマで東京を目指す。いわき、水戸、東海村、旧谷中村跡・渡良瀬遊水地を歴訪し、各地で交流集会。東電、経団連、環境省などに抗議し、26日午後1時からの「代々木公園大集会」に合流する。(ルポライター)
   (3月15日朝刊29面「本音のコラム」より)


.. 2016年03月17日 08:52   No.1027002
++ 東京新聞 (社長)…1430回       
SPEEDI「信頼性ない」 規制委 避難に活用 弊害指摘

  原子力規制委員会は16日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を用いた放射性物質の拡散予測について「信頼性はない」との見解で一致、原発事故時の住民避難に活用するのは弊害が多いと結論付ける文書をまとめた。
 政府は自治体側からの要望を受け、自治体の裁量でSPEEDIの活用を11日に容認したが、政府自身は活用しない方針を変えていない。
 規制委がSPEEDIの信頼性にあらためて否定的な見解を示したことで、自治体は難しい判断を迫られそうだ。 (後略)
    (3月16日夕刊2面より抜粋)


.. 2016年03月17日 09:06   No.1027003
++ 東京新聞 (社長)…1431回       
福島事故 避難解除から半年 帰還6%
  楢葉 遠い春の灯 7割高齢者「若者戻って」◆生活、線量に不安

   東京電力福島第一原発の事故で福島県楢葉町に出ていた避難指示が昨年9月に解除され、半年が過ぎた。町域の大半は原発の20キロ圏内。放射線量は下がったものの、約7400人の町民のうち、帰還した人は6.2%にとどまる。しかも7割近くが60歳以上だ。「若い人に戻ってきてほしい」。帰った住民はそう願うが、現実は厳しい。 (中略)
  住民の帰還を進め、他の自治体からの移住者や廃炉・除染の関係者も呼び込めば、人口は復活するかもしれない。だが、住民の年齢層の偏りや、廃炉関係者らは一時的な住民である点を考えれば、楢葉町の再建への道は決して楽ではない。
     (3月16日3面「核心」より抜粋)


.. 2016年03月18日 08:09   No.1027004
++ 週刊朝日 (小学校中学年)…13回       
再び高浜原発の運転差し止め
  日米でこんなに違う原発事故の対応

 ◎ 5年前の福島第一原発事故を受けての原発安全策が、日本と米国とで大きく異なっている。あの未曾有の被害を教訓に将来の原発事故にどう備えるか。日米でその姿勢はあまりにも違う。その違いは高浜原発の運転を差し止めた大津地裁が指摘する「危惧すべき点」に通じる。
 ◎ 米テネシー州メンフィス−−。国際的な大手航空貨物輸送会社フェデックスの本拠地がある。その国際空港から8キロほどの、かつては陸軍の物流拠点があった広大な土地に、米国の電力各社が共同で運営する緊急事態対応センター(National SAFER Response Center)の倉庫がある。
  広さ7400平方mの倉庫に入ると、赤、黄、青と色とりどりに塗り分けられた様々なポンプや発電機が約50台のトレーラーに載せられ、それがずらりと並んでいる。原子炉に水を入れ、原発事故を最小限に押さえ込むためのさいごの非常手段として、緊急時に機器は役立てられる。そろえるのに全部で5500万ドル(60億円余)かかったという。福島事故を受けて2014年6月に開設された。
  米国に約100基ある原子炉のどれかが重大事故に陥りそうになったとき、発電所の要請に応じて、これらの機器の出番となる。3時間以内に全てのトレーラーがこの倉庫から出発する。 (中略)
  24時間以内に全米のすべての原発に到着できる計画だ。(中略)
 ◎ もっとも注目すべきことは、全米の原発で同じ機器を使えるようにするため、電源やホースの接続口を同じ大きさと形に標準化し、それに合わせて各原発で接続口を改修したことだ。(中略)
 ◎ メンフィスだけでなく、実は西のアリゾナ州フェニックスにも、ほぼ同じ機器をそろえたもう一つの緊急事態対応センターがある。東西二つの緊急事態対応センターはそれぞれ担当の区域を持っているわけではない。どこの原発事故であっても、それぞれのセンターが対応できる。にもかかわらず、全く同じ機能を持つセンターを2カ所設けたのには理由がある。いずれかのセンターがハリケーンなどで使えなくなる事態を想定しているのだ。(中略)
  日本にはこうした緊急事態対応センターはない。(中略)
 ◎ 昨年10月末、東京大学で開かれたセミナーで、原子力規制委員会の更田豊志委員長代理は、日本の原子力業界関係者らを前に米国と同様の仕組みの導入を「けしかけ」た。
  「フレックスアプローチは、規制に要求される前に、ぜひ事業者の自主的活動として高らかに打ち出したらどうですか」
  しかし、今のところ日本の電力業界に具体化への動きはない。(中略)
 ◎ 米政府の原子力規制委員会委員長として事故当時、対応したグレゴリー・ヤツコ博士はこう忠告する。「原発事故は今後も起こり得る、ということです。そのことを人々は受け入れなければなりません」
      (2016.3.25より抜粋)


.. 2016年03月18日 08:15   No.1027005
++ 東京新聞 (社長)…1432回       
高浜異議審 1年以内に判断か 裁判長「仮処分」と交代せず

関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定に対し、関電が申し立てた異議と執行停止の審理は、決定を出したのと同じ山本善彦裁判長が担当することが決まった。地裁は16日に住民側と関電の双方に通知した。
 高浜3、4号機をめぐっては、昨年4月に福井地裁が運転差し止めを命じた仮処分を昨年12月、同地裁が取り消している。この際は、合議体の裁判官が3人とも交代し、決定も理由も正反対の内容となった。
 異議に対する審理では、法律上は同じ裁判官でも別の裁判官でも問題ない。
 今回の大津地裁のケースでは、裁判長は同じだが、合議に加わる2人の裁判官のうち1人は交代。審理では、あらためて住民側と関電の主張を聞き、関電も弱点を補強して臨むと予想されるため、必ずしも仮処分の時と同じ判断が出るとは限らない。争点に大きな変更がなければ、判断は1年以内に出るとみられる。その間、再稼働はできない。
 裁判官をどのように選んだかについては、大津地裁の広報担当者は「民事を担当する裁判官の判断。個別の案件について、お答えはできない」としている。
 判断が変わることも
 <元裁判官の瀬木(せぎ)比呂志・明治大法科大学院教授(民事訴訟法)の話> 仮処分の異議審は、不服申し立ての手続きという意味では、通常の訴訟の控訴審に近い部分もあるが、同じ裁判所でさらに審理し、もう一度判断するところが異なる。地方の裁判所では裁判官が少なく、同じ裁判官が担当することも多い。同じ裁判官なら、判断も同じになりやすいが、新しい証拠があれば、判断が変わることもありうる。  (3月18日より)


.. 2016年03月24日 08:15   No.1027006
++ 東京新聞 (社長)…1433回       
福島避難区域を地裁検証 浪江町 双葉町 富岡町 関連訴訟で初めて

 東京電力福島第1原発事故で福島県内外の住民らが国と東電に原状回復などを求めた訴訟で、福島地裁の金沢秀樹裁判長らが17日、全域が避難区域の福島県浪江、双葉、富岡の3町で被害の現状を検証した。
 原告側弁護団によると、原発事故に関連する訴訟で裁判所による避難区域内の検証は初めて。審理の一環で、地裁が原告側の求めに応じた。
 この日、防護服に身を包んだ金沢裁判長らは、避難指示解除のめどが立っていない浪江町で原告の自宅や牛舎を見て回った。双葉町ではJR双葉駅前から、静まりかえった商店や屋根が大きく崩れた住宅の並ぶ道路を歩き、住宅の被害状況を確認した。(中略)
 訴訟は、事故でふるさとを失ったなどとして損害賠償のほか、放射線量を事故前の状況に戻すよう求めている。    (3月18日より抜粋)


.. 2016年03月24日 08:21   No.1027007
++ 東京新聞 (社長)…1434回       
どうして動かすのか

  東京都新宿区の飲食店経営山田和彦さん(68)
 40年前から原発について調べ、安全神話に疑問を持っていた。福島の事故をきっかけに行動に移さないといけないと思い、デモに通っている。ひとりになっても抗議を続けるつもりだ。

  東京都渋谷区の無職大河内むつみさん(68)
 「原発を動かしたいなら安全性を証明しろ」という、高浜原発運転の差し止めを命じた大津地裁の9日の決定に納得。廃炉も含めコストがかかり危険な原発をどうして動かさなきゃいけないんだ。
    (3月19日1面「金曜日の声・官邸前」より)


.. 2016年03月24日 09:10   No.1027008
++ 東京新聞 (社長)…1435回       
核兵器合憲論    鎌田 慧

  以前、この欄で「核絶望列島」と題して、世界最大の被爆国でありながらも、「小型原爆(所持)は憲法違反ではない」といいつのってきた、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三とつづく、首相一族の核依存症を批判した。
  ところが、集団的自衛権行使容認にまったく歯止めをかけようとしなかった横畠裕介内閣法制局長官は、18日の参院予算委員会の答弁で、「憲法上あらゆる種類の核兵器が禁止されているとは考えていない」と、核兵器を容認。お隣の三代目暴君を喜ばせるような解釈である。この人物の政権へのゴマすりぶりは目に余る。
  原爆被爆者と原発被ばく者を生き地獄におとした現実が目の前にあってなお、「憲法違反ではない」といえるのは「禁止条項」がないからだ。生存権、幸福追求権の精神からみればけっして認められるはずがない。地雷やクラスター爆弾でさえ非人道的な兵器なのだ。
  日本は約48トンのプルトニウムをためこんだ「プルトニウム大国」で、その偏愛ぶりは海外の疑惑を深めている。米国務省のカントリーマン次官補(国際安全保障・不拡散担当)は、米上院外交委員会で、青森県六ヶ所村の再処理工場について「経済合理性はなく、核セキュリティーと不拡散上の心配を強める」と撤退を主張している。人間の生存権を無視するゆがんだ大国主義意識よ、くたばれ!
     (ルポライター)    (3月22日29面「本音のコラム」より)


.. 2016年03月24日 09:50   No.1027009
++ 東京新聞 (社長)…1436回       
研究者の6割が原発事故「起きる」 国の防災対策に懸念
  震災アンケート

  地震や火山の研究者を対象とする共同通信のアンケートで、東日本大震災後も国としての防災対策の在り方は「根本的に変わっていない」として、教訓が生かせていないと懸念する意見が、回答者の90%近くを占めることが分かった。
 回答した27人の研究者のうち24人だった。東京電力福島第一原発事故のように、地震や津波と原発事故が複合する「原発震災」が再び起きるとする回答が60%超に当たる18人に上った。研究者自身の判断の誤りや、社会との関わりの薄さを反省する声もあった。 (後略) (3月20日3面より抜粋)


.. 2016年03月24日 10:35   No.1027010


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