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妙高、親潮、長門、伊7、波204と乗り継いだ筆者が語る、太平洋戦争における日本の本質的欠陥についての書です。こう書くとまた自虐的史観がどーの、と思われるかもしれない。 たしかに、結果論的な話も多いし、感傷的・情緒的過ぎる面もある本です。 が、しかし日本海軍、陸軍、政府、国民が抱えていた多くの問題点を、実に論理的に指摘した内容となっています。 太平洋戦争でこうすれば日本は勝てた、的な話はよく出てくるけど、それらが全て根本的な欠陥に目を向けず、表面的な話でしかないってのが、この本読んだらよくわかるんじゃないかな。まあとにかく太平洋戦争は日本が負ける要素が多過ぎた。外因というより、内因にそれが非常に多い。 ミッドウェー海戦で勝とうがガダルカナル島を防衛できようが、そんな些細なifで日本がアメリカに勝てるわけがない、ってのがよくわかります。 なんか、戦争ってものを「ただの戦闘行為」としか捉えてない人が増えてるんじゃないかな、という気がする。戦闘に勝ってれば、戦争にも勝てる、という単純な発想。それが大きな間違いだということも、この『落日の日本艦隊』読めば理解できるんじゃないかな、と。 実際問題、そう目新しい話が載ってるわけではない本なんだけども、改めて太平洋戦争というものを考え直すにはいい機会になった本です。 あの戦争の日本の立ち位置はどうだったのか。今まで何度も巡り巡って個人的な結論が揺れ動いてる話なんですが、また考察しなおすことになりそう。
.. 2014年12月30日 08:26 No.824001
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