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■--『落日の日本艦隊 体験的連合艦隊始末記』感想
++ 多足          

妙高、親潮、長門、伊7、波204と乗り継いだ筆者が語る、太平洋戦争における日本の本質的欠陥についての書です。こう書くとまた自虐的史観がどーの、と思われるかもしれない。
たしかに、結果論的な話も多いし、感傷的・情緒的過ぎる面もある本です。
が、しかし日本海軍、陸軍、政府、国民が抱えていた多くの問題点を、実に論理的に指摘した内容となっています。
太平洋戦争でこうすれば日本は勝てた、的な話はよく出てくるけど、それらが全て根本的な欠陥に目を向けず、表面的な話でしかないってのが、この本読んだらよくわかるんじゃないかな。まあとにかく太平洋戦争は日本が負ける要素が多過ぎた。外因というより、内因にそれが非常に多い。
ミッドウェー海戦で勝とうがガダルカナル島を防衛できようが、そんな些細なifで日本がアメリカに勝てるわけがない、ってのがよくわかります。
なんか、戦争ってものを「ただの戦闘行為」としか捉えてない人が増えてるんじゃないかな、という気がする。戦闘に勝ってれば、戦争にも勝てる、という単純な発想。それが大きな間違いだということも、この『落日の日本艦隊』読めば理解できるんじゃないかな、と。
実際問題、そう目新しい話が載ってるわけではない本なんだけども、改めて太平洋戦争というものを考え直すにはいい機会になった本です。
あの戦争の日本の立ち位置はどうだったのか。今まで何度も巡り巡って個人的な結論が揺れ動いてる話なんですが、また考察しなおすことになりそう。
.. 2014年12月30日 08:26   No.824001

++ つかじ       
ほう、またも興味深い本を紹介されてますね。

最近、安倍さんの提唱する戦後レジームの見直しや、艦コレの影響だったりで無条件で「日本悪くない、米英が日本をそう仕向けた」と言う人が多くなってる気がします。
こう言う人に限って、国内には目を全く向けていないことが多いと感じます。

自分自身は、確かに当時は白人社会の横暴は有ったとは思いますが、だからと云って外交の舵取りを見誤ったのも、国内で軍部の増長を招いたのも、それを抑制するべき法律や体制の不備を招いたのも、戦機を煽ったのも、全ては当時の日本の政治家と国民の多数だった筈です。

それに対して「そう言う流れだった」とか「アジアを差別して圧力掛けた」だとか、言い訳ばかりが目立ってきた気がします。

私はこう言う流れに対して、ハッキリと嫌悪感を抱いています。外国人に言われるまでも無く、日本で起こった事は、最終的には日本人の責任ですから。

戦後社会に対しても、まぁ素麺共の責任は散々言ってきたので略しますが、洗脳政策を強いたとしてGHQの政策だけの責任に転化している人も多くなってきてる気がします。

本当にそれだけなら、ここまで極端に自虐主義になりますかね?反対側の人達にも後暗い背景があったから、積極的な反論が難しかっただけじゃないですかね?

こう言う事を含めて、色々と考えに対してある意味丁度良い時期に来たのかもしれませんね?

.. 2015年01月03日 12:29   No.824002
++ 多足       
つかじさん指摘の世情、自分も強く感じています、そしてそれに対する懸念、嫌悪感もまったくもって同意です。
ある結論に至るまでに、かなりの時間の思考、考察が必要なわけです。様々な視点の資料を読み解き、背景を調べ、そこから考察を進める。そして出た結論は、日が経つとまた変わっていく。そういうものなんですが…
今の世の中、検索したりまとめサイト見たりしたら簡単に「結論」を引き出せてしまう。そして、その検索結果を「自分の意見」と勘違いしてしまう。その結果、自分の信じたい、都合のいい結論を「自分の意見」として披露する。
そういう事例が非常に多いと感じています。まあそういう人たちは、その結論に至るまでの過程を知らないから、物凄く薄っぺらい意見になってるんですよね。

自分らもそうならないよう、「そんなこと知ってるよ」って事象を時々振り返ってみる必要はあるでしょうねw

.. 2015年01月03日 18:18   No.824003
++ つかじ       
>国内のお話し
特にインフラに関しては全く目を向けてくれませんね。特に人と物の移動に必要な港・道路・鉄道網に関してはガン無視です。

>道路・橋
主要な工業地帯や大都市圏位しか整備されてない。だから車も少ないし、当然大型車両が有っても通れる道は限られる。車が少ないと言う事は車の製造工場も少ない。特定の重工業も限定される。また、戦車等の重量が有る車両は移動が制限が掛かる。

>鉄道
当時は人と物の移動手段の主力。でも、重量の制限があるから重量物の移動は限りがある。しかも、どんどん人が徴収受けるから、維持管理が難しくなっていった。

>港
船は鉄道の次に重要な移動手段。でも、深度の問題で大型船が入港できる場所が限られる。当然重量物を扱える大型クレーンも。また、各国に比べれば大型船の数も圧倒的に足りず。

ざっと簡単に見渡しただけでもこれだけ問題がある。先に出した戦車の問題も、新型が作れなかった理由の一つですしね。生活の基盤が駄目な国は何やったって限界がある。

.. 2015年01月04日 19:03   No.824004
++ 多足       
道や橋が整備されてない? なら整備すればいいだけ。
港のクレーンが無い? 大きいの作ればいいだけ。
インフラ維持に人手が足りない? 精神力でカバーだ!

…これくらいの認識なんじゃないかな、興味の無い分野ってw
兵器の性能ばかり見てると、それを実際に運用する上で何が必要なのか、という面まで目を向けない、というかそんなものには興味が無い、って人が多いんでしょう。自分の好きなものを活躍させたい。けれども、その枷になっている部分には興味が無いから知る気も無い。具体的に物事を考えることが出来ないんでしょうね。

海上護衛を主題にした本に、「日本人はわりかし派手好きで、我慢が無い」って記述がありまして。
海上護衛なんて地味な分野は自分以外の誰かがやればいい、自分は戦闘部門で活躍するんだ。そういう性質が強いってのは間違いないと思います。インフラに関しても、同じような気配が見えますね。

縁の下の力持ちとか、我慢を美徳とする文化はありますが、それを他人に強いる人は自らは派手で目立つ部門に行きたがる。よくある話ですw

.. 2015年01月06日 14:35   No.824005
++ つかじ       
まぁぶっちゃけて言うとですね、確かに先の選挙で次世代の党が大敗しちゃったのは残念なのですが、石原さんが引退してくれたのは行幸かな?w

だってあの人の「日本は悪くない・アジアを開放したんだよ論」って個人的に凄くご都合主義にしか見えなかったんだもんw

先に記述した通り、白人社会の横暴は有った。だからそれを憂いを抱くのは当然だと思う。
しかし、それを持って「日本がアジアを開放」だとか言う責任は何処から来るの?ってのが全く見えて来ない。

ハッキリと日本の権益が侵されそうになったから対抗しました。その過程で英国と同盟が切れて、外交の展開に失敗して、米国が禁油処置したから南方資源地帯を確保しました。
そしたら結果的にアジアの白人の植民地にメスを入れる事が出来ました。

と正直に言えば良い。だってこの論調には日本軍の拡大路線の根拠が語られていないんだもの。
個人的にとは云え、眉唾ですよw
なので上記に書いた通り、それを最近は「当然でしょ」的な雰囲気なんですよねぇ。
で、こう言う事言うと反日判定ですよw怖ッw

.. 2015年01月07日 11:38   No.824006
++ 多足       
若い世代がご都合主義的な日本悪くなかったよ論に安直に飛びついてしまってるのはホント不味いと思いますね。
石原さんは… まあ、もう凝り固まってしまった人だから死ぬまであの調子でしょうw 

とにかく、当時の日本の行為は仕方がない面もあったとは思うんだけど、知れば知るほど負けフラグ乱立状態だったことを考えるとねえ。
『落日の日本艦隊』にしばしば引用された言葉に「負けるが勝ち」ってのがあるんですが、あそこまで腐ってしまってるともう、ほんと一遍リセットが必要だったと思えます。
この頃「どうすれば日本は戦争に勝てたか」という話にはだいぶ興味がわかなくなってます。でも、「どういう負け方なら良かったか」という話なら興味深く考えることができます。
だいぶ前の夏にどの段階での終戦がベストか、って話したと思うんですが、まあ、45年8月ってのはちょっと遅かったですよね。もう半年早く降伏できなかったものか、と。

.. 2015年01月08日 11:27   No.824007


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