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まず大前提。紛争地帯やその周辺での復興活動、支援活動は民間企業だけでは無理。ここはご理解いただけるかと。警備雇うぐらいなら初めから軍隊でやろうよ、という話。 次、陸軍というものの特徴の一つである、自己完結性。これは災害出動時によくわかるんだけど、陸軍部隊ってのは何も無い荒野に進出し、そこで自分たちの装備だけで自活できる、ということ。インフラの破壊された地域では消防や警察ではできることが限られる。その場に留まって活動が継続できる、というのが陸軍部隊の特徴です。
さて、以上のことから、紛争地域での支援活動は軍隊を派遣するのが望ましいわけです。NGO活動も重要なんですが、彼らが暴力に晒されたとき動くのは結局軍隊だし。 さて、国際平和貢献活動と自衛隊の話ですが、それを考える上で重要な事例をいくつか。 まず1990年代、湾岸戦争。 この時自衛隊は部隊を派遣せず、日本は資金援助のみにとどまったわけです。その結果、クウェートが戦後建てた各国への感謝碑には軍隊を派遣した各国の名前はあるものの、日本の名前はなかった。つまりほとんど評価されなかったようです。まあ米軍なんかは後に「案外助かったよ、資金援助も」って発言があったと思うけど、うまくアピール出来てなかったのもあって効果の弱い貢献だったわけです。
次に、湾岸戦争後のペルシャ湾での機雷掃海活動やカンボジアPKOでの土木工事。あとイラク戦争後のサマーワ派遣とかも。 自衛隊の実働部隊が現地に入り、実際にその技能を活かし復興支援を行い、現地の人たちとの交流も行ったわけです。これらの評価は、日本国内のマスコミ以外からの評価は上々といったところ。 ただ、武力行使が基本的に認められていないせいで、海外の軍隊に守ってもらいながらの活動という、なんとも微妙な姿も。まあ結果オーライだった面もありますが。 この頃には漫画やアニメなので「派遣先で攻撃を受けるも交戦許可が下りず殺されてしまう自衛官」というものが描かれています。その恐れがずっと付き纏ったままでの活動ですが、幸いそういう事態にはならず。運がいいね!
.. 2014年07月02日 09:39 No.818001
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