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紀元前の昔から、様々な国家が遠征を行い征服地を広げていったわけですが、その際彼らの軍隊はどんな兵站体制だったのか? ってのが最近凄く気になってます。 兵站を最も重要な食料について見てみると、現地調達ってパターンと、本国から輸送ってパターンに大別できるかと。ってか、輸送と現地調達の併用になるのが現実なんだけど、近代的な軍隊ほど、現地調達の割合が減る傾向がありますね。 現地調達ってのはようは略奪ですな。これってとても楽なやり方なんだけど、問題も大きい。略奪を過激にやってたら、その後の支配がおぼつかない。より物理的な問題として、現地に食い物が無ければ略奪のしようも無い。1千人規模の集落しかない地域に数万の軍勢が侵入したとして、その地域の食糧生産量に余裕が無いなら、略奪したところでちっとも足りないって話。最近知った例では、カエサルのローマ軍がゲルマニア遠征をさっさと諦めて引き返した背景にはゲルマニアが農耕文化でなかったから、食料調達が困難だった、ってのがある模様。ガリア戦記で見る限り、ローマ軍の食糧って地元部族からの徴発が重要だったみたいだから。 つまり、食糧調達の可能な範囲が、遠征可能な範囲、という図式が成り立つかと。この問題を解決し、さらに遠征範囲を広げるには、どれだけ輸送能力があるか、という点に注目したいところ。「輸送能力」とは単純に荷物を運ぶだけでなく、運ぶための道路を作る土木技術も含めての話。さっさとライン川に橋を架けるローマ軍は化け物か、と思うし、マルベリー人工港なんて用意してしまうアメリカ軍は化け物以外の何者でもない。 ってことを、ノルマンディー上陸作戦記念日ってことで書き連ねてみました。
.. 2013年06月06日 09:09 No.806001
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