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■--原発と新エネルギー開発について
++ 多足          

ということで仕切りなおし。
技術的な面を中心に話を進めたいと思います。
まず原発に関して。二酸化炭素の排出量を抑えつつ、大量の電力を供給する施設の本命ってことで整備が進んでますが、問題点はやはりそのリスクの高さ。理論的には核爆発は起こさないハズなんだけど、今回の水素爆発や水蒸気爆発、炉心融解などによる放射性物質の漏洩と拡散、それによる長期の汚染。
安全対策ってのはどんどん進歩して行くわけですが、扱ってるモノがモノだけに、根本的に「漏洩の可能性はゼロ」なんて言えないのです。が、「限りなくゼロに近い」は言える話。
問題となってくるのは、「限りなくゼロに近い」という立場を取る側が、強気過ぎるって点。佐世保市であった話ですが、米軍艦艇からの放射性物質漏洩を想定した訓練に、米軍側は「そんな事態は起こり得ないから訓練には協力しない」って突っぱねた話もあります。
ところが、米軍がこういうことを言う理由の一つに、原子力反対派の極論もあるわけです。つまり、「可能性がゼロじゃないってことは、いつか起こるってことだろ」って姿勢。これがあるから米軍側、というか原子力行政側が硬化してしまう。認めるわけにいかない。その結果、何かあったときの発表が遅くなる。で、何かあったら反対派がそれ見たことか、と原子力行政側がおそれていた通りの反応を示す。だから、余計に隠したがる。ううむ、なんという不の連鎖。

つまるところ、求められるのは一般人の理解と、原子力運営側の説明能力です。一般人のほとんどは原発用核燃料と核兵器用燃料の違いを理解してないから、原発が核爆発起こすと思ってる。福島の件も、水素爆発の映像見て「キノコ雲出てるから核爆発」って考えた人も多かった様子。
また、運用側も、素人に理解できるような説明を行わない。「言ってもどうせ解らんだろ」って姿勢。専門家もそうだよ。専門知識がある人間に専門知識を教えるのは、そりゃ簡単だよ。専門知識の無い人に、専門的な話を理解できる説明してこその学者なのに、そういう姿勢が欠けまくってる。…まあこれはどの分野でも言えることだし、今までも何度かこの掲示板で言った話。

一般の人たちは、自分達の生活を支えている様々な要素に、もっと目を向ける必要がある。それが足りてないから、余計なパニックや風評被害が起こるわけです。
専門家は、自分達の行っている事業に自信があるなら、理解を深める努力を怠ってはいけない。
双方がこういった立場をとり、真剣に検討をしなければならないわけです。

…おお、前置きと全然違う話になってしまったw
.. 2011年04月25日 09:25   No.748001

++ 多足       
さて、今度は技術的な話。と言っても専門家ではないので、色々間違ってる可能性大なんで、ご指摘いただければ幸いです。

まず原発。
ウランの核分裂による発電なわけですが、それによって発生するプルトニウムもエネルギーとして利用できるハズ。これがプルサーマルでして、これがうまく行けばこの先何十年も資源の枯渇に悩まなくてすむ、という話。
ところが肝心のプルトニウムの核分裂の制御が難しくて、爆発しちゃう。爆弾ならそれでOKなんだけど、発電施設が耐えれない反応速度だと意味が無い。プルトニウム発電は、フランスと日本しか研究してないって話も聞きます。
プルサーマルとプルトニウム発電が実用化できたとしても、事故が起きた際のリスクは高いし、なによりも放射性廃棄物の処理、原子炉の廃炉にかかる費用が正直未知数って問題が残るわけです。それ考えると、多額の研究費をかけて得られるモノに、結構な不安が残ります。

では核融合発電は?
核融合時に中性子は出るものの、長期にわたる放射性物質による汚染って心配は無いわけで、廃棄物の問題がなくなります。が、実際問題として核融合が制御できるのかな?
現在人類が実用化した核融合装置は、水爆しか無いですよね。しかも、核融合だけで爆発する純粋水爆はまだ出来てないハズ。核融合に必要な高温・高圧という環境を、核分裂によって得るというシステムしか無いうえに、これまた発電施設が耐えることのできない爆発になっちゃう。
少量の水素やヘリウムをちょっとずつ核融合させ、ちょっとずつエネルギーを得るということが出来ない限り、核融合発電は実現できないわけです。高速で撃ち出した水素原子同士をぶつけ合って核融合を起こす、みたいな形を目指すんでしょうが、果たして可能なんでしょうか…

.. 2011年04月25日 09:56   No.748002
++ 多足       
では、原子力以外のエネルギーはどうなのか。
火力発電も、かなり研究が進んで新型のものが実用化されてきてるみたいですね。天然ガス発電もそうですが、熱効率を高めることに成功してるので、将来性は十分あると思います。
発電燃料に関しては、石油・石炭に替わるものとして天然ガスやメタンが注目されてますが、ここはやはりメタンに期待したいところ。
日本近海の海底にもメタンハイドレードは多量に確認されており、資源の自給という面からも力を入れて欲しいものです。しかし海底のメタンハイドレードを安定的に採掘するのは非常に難しい、とも聞きます。この部分は、多額の研究資金を回せばクリアできるレベルなのか? それとも、根本的に無理なのか?
金でなんとかなるなら、将来性という面でもこっちの予算を増額して欲しいトコロです。
メタンに関しては、その辺のドブでも牛のゲップからでも、し尿処理施設でも発生してるわけで、これを効率的に回収する方法も検討して欲しいですね。ショッピングモールとかのゴミ捨て場にバイオマス発電を着けるってのは実用レベルなんですが、このようなメタン回収と発電というサイクルを、もっと大規模に安価に行えるようインフラを整備すると良いんじゃないかと。

水力発電に関しては、日本中の全ての河川の落差を利用すれば原発の発電量と同じだけの電力が得られる、って研究もありますが、流石にこれは現実を無視したものと言えます。が、しかし。「全部の落差」は無理でも、たとえばその辺の堰の落差とかを利用した小規模水力発電を多数設けるってのは、バカに出来ない発電量を得られると考えられます。問題はコストと水害時の耐性ですね。あと、こういった小規模な発電施設の普及には、電気の自由化が必須と言えるのではないでしょうか。

他にも山で増え過ぎてる竹を蒸し焼きにして、発生する水素を利用して発電するなど、色々研究されてます。それらの実用化の問題点は、やっぱコスト。研究費用とインフラ整備費用をもっと回さないと実用化できないわけです。
日本は「技術立国」とはほど遠い、既存の技術にばかり金をかけて、その権益ばかり大きく育つ国です。その点を改革しなければ、エネルギー革命なんて無理でしょうね。

.. 2011年04月25日 09:57   No.748003
++ カン       
お騒がせして申し訳ありませんでしたm(_ _)m

気を取り直して…
軽水炉>
M新聞ネタですが、Y新聞の創始者正力はCIAの協力者で、アメリカの依頼を受けて活動した結果、日本原子力の父と呼ばれているんだとか。原爆を落とされた国民の、核アレルギーに対する売り込み文句が「絶対安全」だったのではないでしょうか。はじめから不可能なことを掲げているものだから、何か起きたら徹底的に隠ぺいする。それじゃ破たんは目に見えてます。
核融合>
wikiを見てみたら、21世紀後半の実用化を目指す、とありました。またエラく遠い話になってます(泣)マイクロ波送電システムの方が先に実用化するかも?
メタンハイドレード>
低温・高圧化で固形化しているんでしたっけ?メタンは温暖化効果もあったはず。安易な利用は問題があるかもしれませんね(勉強不足です、すみません)。

今回の東電叩きの一環で、電力自由化が進むといいな、なんて思っています。太陽発電や風力発電システムの普及のために。

.. 2011年04月25日 22:00   No.748004
++ 多足       
旧ソ連軍みたいに何十回も核関連の事故を起こされるのも困るけど、アメリカ軍みたいに「事故は起こりえない」って姿勢も困ったもので。
特に日本人は100%を好む国民性なのか、いざ問題が起きたときにとにかく隠そうとする姿勢こそが大問題なわけで。で、冒頭でも触れたように、この原因って、結局のところ「核が何なのかよくわからない」っていう、得体の知れないモノに対する不安なんですよね。

核融合。
まず純粋水爆の実験から入るんで、どうしても反発くらうんですよねえ。さらに、兵器への転用が核分裂よりも技術的にダイレクトな分、実用化されても日本には無理かも?

メタンハイドレード。
メタンガスってのはご指摘の通り、二酸化炭素の20倍以上の温室効果を持つのですが、これを燃やせば発生するのは二酸化炭素と水だけです。海水温が上昇すればメタンハイドレードが溶ける恐れがあり、それが大気中に拡散すると大問題ですが、安定した形で採掘が可能となれば、そのままメタンガスが放出されるより遥かにマシです。
問題は、常温だとすぐ溶けてしまう物質を海底から引き揚げることがどれだけ効率的に可能か、って点ですね。

マイクロ波送電。
この技術への自分の理解が進んでないんで漠然とした不安しか持てないんですが… 大規模な電磁波送信が、地球大気へ与える影響ってのが不安なんですよ。異常気象の引き金になったりしないのか。各種の電離層への影響は? その辺が不明確なんで、不安です。

.. 2011年04月29日 08:11   No.748005
++ つかじ       
すみませぬ、出遅れました。最近地震の影響で良く眠れず体調崩して、仕事行く以外は寝てるだけだったので。

>天然資源によるエネルギーの確保
これは多足さんが指摘した通り、メタンハイドレードの関しては日本でも有数の埋蔵量では?と言われて居ますね。これを持って日本が「無資源国家では無くなる」と早くも期待している人もいる様ですが、「持っているだけ」では役に立ちません。それに伴う技術の開発がどの程度なのか?
これが大前提ですね。

ただ、一応新潟で「天然ガスと原油」は少量ながら採取はされてるんですけどね。と言うか、「日本では石油が取れない」と思われて居るのも問題ですね(昭和40年代頃までは北陸で取ってた)。

>小水力発電・竹水素
これは農業地帯等では大変有効でしょう。事実、導入している地域では重宝されてますしね。
ただ小水力は、「動かせる時期」が出る事でしょうね。年がら年中一定の流れが有る川ならともかく、そこらの水路程度では農耕期以外は水流れないしね。竹は何も竹で無く水素自体が発生する物なら何でも良いでしょうしね。太陽電池同様推進する価値は十分ありますね。

>マイクロ波発電
これって確かに未来の技術ってイメージだけど、これもある意味危険性大ですよねぇw
マイクロ波の受信がズレちゃった〜ってなったら、大災害になりそうwww
あと、これも大国以外それも宇宙開発技術の持つ国が主導する必要がありますね。

>事故を隠す
もんじゅや東海村はやはり許し難い出来事でしたしね。日本に関しては、自分的にはやはり「非核三原則」も影響して居るんだろうな、とも思う訳ですよ。だから、安心安全をアピールするしかないし、もしもの時の備えが不十分になる。

御二人の指摘もある通り「何言われるか分からない、だから黙っとこ。内々に処理すれば大丈夫」って運営側が怖がってるかの様にも感じます。

ちなみに。東電社長自衛隊機搭乗にかんしては民主党が全面的に悪いだろう。少なくてもこの時点で社長送り出して居れば、もっと早く本社へ付いていたのだから。

.. 2011年04月29日 15:45   No.748006
++ カン       
つかじさん、お大事に。直接被災していなくても、地震によって心身の不調を訴える人は多いと聞きます。

軽水炉>
導入当初から100%安全を謳っていたとしたら、そこから大嘘なわけで、反対派も態度を硬化させてしまうでしょうね。運用側がすべてを公表して謝罪し、代替エネルギー技術の導入まではなんとか、と頼むしかないのでは?反対派・賛成派ともに大人の対応が求められるのではないかなあ。

核融合>
少し調べた感じでは、開発に水爆が必要ではないように思いましたが、自分も専門家ではないので…実用化に要求される磁界の強さが半端ないと感じています。大阪大学でレーザー核融合の実現を目指していて、そのために開発した強力なレーザーでいろいろな研究が進みそうだとか(ビッグバン時の環境の再現とか)。こちらのほうがダイレクトに兵器として利用できそうですね(笑)

小水力・竹>
日本各地の滝に設置したらけっこういいかも。景観を損なってはまずいでしょうけれど。竹も(竹の子はおいしいけど)竹細工が昔ほど使われなくなってしまったから重宝されなくなってしまったんでしょうね。利用できるならそれに越したことはないと思います。小水力発電にせよ小風力発電にせよ、発電施設を簡単に作れるようにして、単価を下げる必要があるんでしょうか。

天然ガス・メタンハイドレート>
M新聞で見たんですが、千葉県の地下には天然ガス田があるそうです。採掘コストの問題で放置されていたらしいんですが、今後は開発されるかもしれませんね。メタンハイドレートは、海底での分布が分散している感じですね。無差別に浚渫したら海底の環境を破壊するような気もしますし…実用化されればうれしいとは思います。そういえばメタンは、牛のゲップにも含まれているという話を読んだ記憶があります。だからどした、という話ですが、温暖化ガスの発生源の記事だったかな。

発電衛星からのマイクロ波送電>
自分も専門家ではないんですが、核融合よりは近い将来に実現するかも、と感じてます。開発側の話を読むと、太陽光程度に弱めたマイクロ波を受信できる、受信施設の下は農場などとして利用できる、とありました。自分もオゾン層に対する影響はどうなんだろう、と考えましたが、どうでしょうか。こちらも兵器転用は容易?

軌道エレベータ>
wikiによれば、核融合実現より近い将来に実験が予定されているんだとか。記事中に、施設建設をするとしたら海上にメガフロートを建設することが想定されていて、赤道直下でなくても建設可能なんだとか(限界はあるとのこと)。普天間沖でメガフロートのノウハウを作って、沖ノ鳥島近海に軌道エレベータ建設、なんて考えてしまいました。

東電社長>
あの時点では自衛隊機を使う必要はない、との判断も間違いではないと思います。運んでいたらいたでバッシングされたような気も。ちなみに東電社員の給料一律2割削減はやりすぎだとおもいます。給料低い人ほど影響がでかいはずなんですよね。累進で5分から減らしはじめて、トップで5割減とかにすればいいのに、と思います。

.. 2011年04月29日 23:59   No.748007
++ つかじ       
>大人の対応
そこなんですよねぇ。本音と建前って言うか。嘘も方便と言うかw

何にしても自分は「新エネルギー(核融合炉・マイクロ発電施設等)が開発されても、直ぐに旧来の発電施設が無くなるとは思って居ない」からです。今現在原発が有るのに、未だに火力発電が有るのが良い例です。また、現在の各発電施設の対応年数に余裕が有る施設が幾つも有ります。

それらの退役に合わせて、「本当に開発が間に合うのか?」が一番の問題です。
「開発が間に合って無ければ、結局現段階で一番有効的な施設の建設」しか手は無いからです。

>日本各地の滝
う〜んどうだろう?それも極端だと思いますよw
何も滝なら良い訳では無くて、「流れ」が有れば済むのですよ。だからこその水路の活用な訳ですしね。滝だと結局ダムと変わらなくなってしまい、当初の目的の一つであるエコが無くなると思います。

>東電社長
すいません、今見ると自分が脱線気味ですね。
今回はあくまでっも「エネルギー」に関しての話でしたね。別にカキコします。

.. 2011年05月01日 16:05   No.748008
++ 多足       
メタンハイドレードの件は現行の天然ガス発電所で利用可能なものだそうなので、現行の電気行政の中で利用が進めやすいってのも大きな利点ですね。
小規模発電所については、コスト面だけでなく電力自由化という命題をクリアしなければどうにも動きが取れない、という点には皆さん同意いただける様子。今回の震災をその契機と出来れば、意義のある復興となるのですが。
やはり、テクノロジーと話と行政の話は、実用という点を考えれば無関係ではいられない話ですね。

.. 2011年05月03日 20:22   No.748009


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