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■--滅び行く世界
++ 多足          

今日は『風の谷のナウシカ』が放送されます。また宮崎アニメの話か! となるかもしれませんが、ちょっと違った見方で行ってみましょう。
ナウシカを見ていつも思うことの一つとして。この世界で生きるということの、なんと過酷なことか。世界は腐海に飲み込まれつつあり、人類の生活圏が極端に狭く、その狭くなる世界を奪い合って戦争が続く。まさに滅び行く世界。
しかし、漫画版と考え合わせればまた違った見方も出来ます。腐海で暮らすことに適応した森の人、腐海と人間の世界双方を行き来する蟲使い。まったく新しい環境に適応する、人間の強さを見ることも出来ます。腐海が浄化した後の世界で再生することを夢見る「新しい人類の種」の存在も興味深いところ。
ゆっくりと滅びつつある世界で生き延びようとする人類。色々考察すると非常に面白い作品世界の一つですね。今日放送される分も、ペジテの難民船の船体色がいつの間に変わったのか? という部分なんかに気を向けず、その作品の世界で人々がどう生きているか、そういうことを考えながら楽しんでみるのも一興かと。
.. 2010年02月19日 09:13   No.660001

++ つかじ       
>世界で生きる
確かに仰る通り。今現在でも海外では普通に色々な事が起きている。しかし、その情報は氷山の一角しか入ってこない。

そんな中でも確実に言えるのは。
「やっぱり日本て平和だよね?」

ナウシカって、漫画版と映画版てかなり違いますよね?まぁ映画版の尺では漫画版は放映できないし、漫画版は密度が濃過ぎるからってのもあるのでしょうし。個人的には、どちらも好きです。

>宮崎アニメに付いて
ごめん、ちょっとだけ気になったので一言。
多分多足さんを始め、ここに集う人達は「全部が嫌い」って訳ではないでしょう?

「奴」のせいで毎回変な方向へ持って行かれるから、相乗効果で嫌になるって事でもあるでしょう。なので「全宮崎映画タブー」的な扱いはどうかご勘弁願いたいです。
(一応言うと、多足さんは「そう言っている」とは思っては居ません。ただ、話に上るって事自体が憚られるって雰囲気はちょっとねw)

.. 2010年02月19日 15:05   No.660002
++ カン       
多足様>
録画したのでこれから見ようと思います。昔見た時は冒頭から画面の美しさ、動きの滑らかさに引き込まれましたが、終盤の巨神兵の描写が意外と情けなくて脱力した記憶があります(笑)

つかじさん>
平和が続くとそれに慣れてしまったりしますが、平和が一番なのは当然ですよね。それとも(アメリカのように)定期的に紛争に参加した方が良かったりするんでしょうか。
宮崎アニメ>
全否定ではないと思いますよ。自分はカリオストロも好きですし。トトロは…自分は映画館で見たんですが、同時上映の「火垂るの墓」で大泣きした後だったので、あまり良くない印象が刷り込まれてしまいまして。家にトトロのDVDがあるので、何度か見直して良い作品だとは思うんですが、第一印象が頭を離れないんです(泣)

かの人>
こちらにおじゃまするようになって日が浅いせいもありますが、自分は態度が改善されることを期待しています。

.. 2010年02月19日 23:28   No.660003
++ 多足       
…やっぱ宮崎アニメの話題は避けた方が良かったかな。
作品世界に関して話をしたかったのですが、いきなり現実世界の話になってしまいますか。それは別スレで行きましょうや。

宮崎作品に関して、「別格」等の表現を使ってまでも、好きな作品もあると明記しております。また、当掲示板は特定個人を排除する方向で動く気は毛頭無いということも明記したはずです。この掲示板に居る人が、特定個人の論に付き合いたくない、と感じるのはご勝手に、といったところですが、「奴」などと侮蔑的な指示代名詞を使って特定個人を貶めるようなことはやめていただきたい。非論理的、というか自らを辱めてるようなものです。非難の方法として稚拙な行為です。

.. 2010年02月20日 00:10   No.660004
++ 赤丸       
映画は世界の復活を予感させるラストですが、漫画は復活した世界に現生人類の居場所はないという絶望的なものでしたね。

劇中(特に漫画)ナウシカの眼を通して世界や人類の行く末が明らかになりますが、ナウシカ以外の人々は日々を生きるのに精一杯でそんなことはどうでもいいんじゃなかと思います。(ナウシカにしてもどうしようもないわけですがw)
そんな世界に生きる普通の人々が主役の話が観たいですね。

あ、『シュナの旅』か。

.. 2010年02月20日 05:18   No.660005
++ 多足       
やっぱ改めて観ても、漫画版の一部を短時間に詰め込んだ感が強いですねー、映画版は。
ただ、自分は赤丸さんとは逆に近い印象持ってます。映画版に関しては巨神兵に関する一連の事件がとりあえず終了しただけで、言ってみれば「現状維持」でしか無かったんじゃないかな、と。忍び寄る破滅から逃れる術は、何も見つからなかったように感じるのです。
これに対して漫画版。映画版とは比較にならないくらい、圧倒的に血生臭い世界を描くことで、本当に絶望的な世界です。一度はその絶望に飲み込まれたナウシカですが、そこから這い上がって進む決意を得てからは、生き延びようと言う強い意志と決意を感じます。都合の悪い真実を隠してでもこの世界で生きようとする執念、人間の強かさを感じるんですよ。
生命ってのは諦めない。その姿勢を感じるのが漫画版です。

.. 2010年02月20日 09:41   No.660006
++ つかじ       
>映画版
こちらも今視聴しました。技術が上がったせいか?今迄見辛かった・聞き取り難かった音声と効果音等も聞こえる様になり、よりジックリと各シーンを見る事が出来ました。

改めて見ると確かにラストは、ドルメキアも撤兵してペジテ市民も受け入れ、これから先皆で再建していくってシーンなのでしょうが。台詞が入って居ないので想像の範囲でしかないんですよね。
(もしかしたら、解説書の類はあるのかもしれませんが)

漫画版の「再生した森を見つけたらまた自然を破壊してしまう」と言う所と、「再生した自然は今の人類には毒」という件は、結局この世界の人々が暮らせる場所は腐海か残された土地しかない、って部分に未来への展望が少し暗い感が有りましたが、でもそれでも生きて行こうと言う最後に、読んだ当時は驚いた覚えが有ります。

個人的には、漫画版は登場人物のより人間臭い部分も読み所でもあると思いますね。
(特にクシャナとクロトワとか)

どちら版しても、もうこう言った作品て「誰々作品」であろうと見れ無いジャンルなのでしょうねぇ〜。

>非難
そうですね気を付けます。失礼しました。

.. 2010年02月20日 11:22   No.660007
++ 赤丸       
多足さん

>映画版
映画のストーリーを漫画の一部と考えるか、別物と考えるかで解釈が変わると思いますよ。
映画公開当時まだ漫画が連載中だったこと、その後漫画完結まで10年近くかかったことから別物と捉えるべきではないかと私は考えます。(例えるならパイロット版?)

例えば、映画制作当時、宮崎監督の中で人類滅亡は決定事項ではなかったのではないでしょうか?
それはナウシカとアスベルが腐海の最深部(浄化された世界)で生存できたことから想像できます。(長期間の生存は不可能な可能性も考えられますが・・・汗)
そして映画のラストカット『浄化された地に芽生えたチコ?』は浄化後の世界への希望を示唆しているように感じます。
その後漫画版で人類滅亡が決定的になったのは、10年の間に「やっぱ人間って滅ぶべきじゃね?」とか監督が思ったのでは?
ちなみにウィキによると漫画の後半はユーゴスラビア内戦に影響を受けたらしいですよ。

つかじさん

>未来への展望が少し暗い感
少しどころか真っ暗ですよw
腐海を止める術はなくいずれ人類の生存圏は無くなってしまいます。
そして腐海も役割を終えると共に消滅し後に残るのは浄化された正常な土地のみ。
その土地で人間は生きることは出来ないので滅亡は必至なわけです。
でも、それは何千年も先の話でそんなことより日々を生き抜くほうがあの世界では大事なことなんだと思います。

.. 2010年02月20日 19:56   No.660008
++ カン       
録画していた映画版を視聴したあと、単行本を引っ張りだして読み直しました。以前から思っていたんですが、中盤以降のストーリーに作者の迷いを感じます。皇弟、皇兄、ヴ王など、唐突に出て唐突に退場した感がありますし、巨神兵の設定やシュワの墓所についての記述も混乱していると思います。作中の人類の未来に関しても、迷ったんじゃないかなあ。

映画版のラストで、腐海の底でチコの実が芽を出していましたから、映画版の人類は腐海の底に移住することも可能ではないでしょうか。
漫画版の現生人類も、なんらかの処置をすれば清浄な大気を呼吸することも可能なようですし、鳥や虫が(おそらく世代交代を重ねて)できたように、適応して行けるのではないかと思いました。適応する前に、大地や水に含まれた毒によって滅びる可能性は捨てきれませんが、森の人とか蟲使いは、逆に腐海の植物が毒を固定しつつある環境にいるから、生き延びられるのではないかなあ。

.. 2010年02月21日 22:17   No.660009
++ 多足       
つかじさん。
「非難」に関して、ご理解感謝します。
映画版はやっぱり色々制限、というか表現上の無理もありますからね。対して漫画版は丁寧な描写が可能ですから、各キャラの人間味は段違いになります。

赤丸さん。
漫画版と映画版は、直接繋がってないと見るべきだと思いますねえ。その世界に入る導入として、映画版は良く出来てると思います。
浄化された世界で人類が生活できるかどうか、という点はカンさんの指摘に近い考え方です。なんらかの形で、適応していくのではないかと思うんですよ。ナウシカ自身、何人もの兄弟が母の体内の毒を引き受けてくれたおかげで正常に産まれることが出来たという点。血を吐いて絶命した次の瞬間にはもう次の世代が世界に挑むという話。その辺に、這い登っていく生命そのものの強さこそが未来の希望なんじゃないかな。

カンさん。
大筋で同意です。ただ、蟲使いや森の人が腐海で生活できるってのは、植物による毒の固定ではなく、人間の適応力の賜物なんじゃないかな、と思ってます。マスクや気泡みたいなアレとか、そういう道具を使う、という部分も含めての適応力かな、と。この適応力があればこそ、将来的に浄化された世界にも適応して行くのではないか、と感じるのです。

.. 2010年02月22日 17:26   No.660010
++ カン       
道具>
なるほど、はじめはマスクを着用して清浄な大気中で暮らす、というのはアリですね。考えたんですが、現在の大気が「甘くて強」く、肺から血が吹き出る、というのはどんな設定なんでしょう。酸素濃度が低くなっている?大気中にも有毒物質が含まれる状態、というのはちょっと想像できないかも。大気全体に含まれていたら、腐海の奥地に清浄な地が出来ても意味が無いように思えるんですが…
海が死の世界になっている、というのもよく考えるとすごい話だと思います。現在、海での光合成は陸よりも多いと、何かで読んだと記憶しているんですが、完全に死に絶えている訳ではないのかな?

あ、腐海の中の方が人類が生き延びられると思ったのは、トルメキアや風の谷で、毒のために人が少なくなってきた、という設定があったからです。でも蟲使いも3支族が絶えたともあったし、出生率の低下はどこも同じという可能性もあるか。

.. 2010年02月23日 21:20   No.660011
++ 多足       
ナウシカの世界でまず押さえないといけない点を整理しましょう。
@腐海は人の住める世界ではない。腐海の植物の発する瘴気が肺を犯し、死に至るから。
A腐海から拡散する瘴気のため、腐海の外でもその影響は大きい。
B腐海は拡大傾向にある。
以上三つがアニメ版から読み取れる世界観です。これに加えて
C腐海の植物は世界に広がった有害物質を無害化している。
ということがあります。ここで注意すべき点は、瘴気由来の「毒」と、腐海が分解する「有害物質」を同じに考えては混乱する、ということです。
「毒」も「有害物質」も人間に対しては致命的です。出生率の低下は作中で見る限り「毒」が由来のようですが、「有害物質」由来の可能性もあります。海に関してはどちらかというと「有害物質」由来の汚染に感じます。

で、自分の考える腐海による浄化と瘴気の発生メカニズムなんですが…
「有害物質」が何なのか。大きく分けて二つの可能性が考えられます。一つは、有機化合物などの化学物質。もう一つは、重金属。
腐海が分解する「有害物質」は、有機化合物の方だと思うのです。例えば各種石油製品は、有機化合物です。つまり、炭素、水素、酸素、窒素などの組み合わせでして、材料となる元素そのものは無害ですよね? でも組み合わせ次第で色々な物質になる。これらの基本的な元素に、フッ素や硫黄、塩素などを添加し化合物とすると、様々な化学製品が作れるわけです。ガソリンやアルコールのような日常品から、ホスゲンやサリンのような毒ガスに至るまで。ダイオキシンやPCBも、材料となる元素のほとんどは無害です。
腐海の植物は、これら有機化合物を分解し、無害な炭素、水素、窒素などと、有害な塩素、硫黄などを分離してるんじゃないか、と。つまり瘴気は有機化合物から分離された硫黄や塩素の化合物なんじゃないか、と。
腐海の植物が浄化するものが、ヒ素や鉛などの重金属だった場合。重金属元素そのものを分解することは出来ないでしょうから(それは核分裂とかになってくる)、重金属元素を他の元素、例えば鉄やリンなどで重金属元素を囲い込む結晶を作る、といった感じだと思います。実際、微生物がそういうことするんで。ただ、この場合腐海の規模が大きすぎると感じるんですよ。重金属元素なんて、地球の規模考えると微々たる量ですから。汚染範囲はかなり限定されるんじゃないかな。
なので、腐海は有機化合物を分解すると考えてます。

.. 2010年02月24日 08:41   No.660012
++ 多足       
我ながら脱線の凄まじさに愕然としてまうところですw

でまあ、今度は「毒」の拡散の話なんですが。毒は大気中に拡散ますが、当然濃度にムラがあります。腐海内部が最も高く、腐海から離れるにつれ低くなるのが普通です。腐海の底に毒が無いことから瘴気は空気より軽く、上空に漂っていくとも考えられますが、作中のいくつかの描写を見る限り、瘴気は空気より重いようです。となると、腐海の底の空洞に溜まりそうなものですが、そうはなっていない。ここから推測できることは、瘴気というものの、粒子としてのサイズが大きいのではないか、ということです。つまり、流砂の層でろ過されるくらいの大きさなのでは。
以上より、瘴気の正体を自分なりに考察すると、その組成に硫黄や塩素などを含んだ、胞子なのではないか。瘴気≒胞子、というのは今更感が強いですが(苦笑) ただ、硫黄化合物などの、胞子以外の物質も含まれると考えます。
ナウシカの世界の大気は、現在の地球の大気よりも、これら硫黄化合物等が多く含まれているのではないでしょうか。で、そのような不純物が多く含まれる空気を吸い続けてきた肺にとって、不純物による刺激が当たり前なわけです。それが急に無くなった結果、過敏に反応してしまうってことじゃないかなあ。

海の汚染に関しては、この画像見れば想像し易くなるかと。
ttp://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/09a/img/report09a_03.jpg
高度成長期の、福岡県北九州の海です。このように、流れ込む汚染物質によって死の海になるってのは必然でして。ただ、今の海がこうなってないのは、流れ込む量が海の総量に対して少ないから。多くなれば、こうなります。その水域が閉鎖的で、水の循環が鈍いと汚染物質の濃度は高くなる、ということです。
また、古代の生物を研究する人の間には、巨大隕石が地球に激突した結果、地表から硫黄酸化物が巻き上げられ、それを含む大量の雨が海に入り、海水の酸性化が進んだ、という学説があります。このためアンモナイトなどの貝殻が溶けてしまい、絶滅したのではないかという話。つまり、流れ込む物質により死の海と成り得るということ。

…うーむ、話が反れてるなあ。この長文は読めないレベルでござるw
以降ナウシカ関連は別スレでお願いします。


.. 2010年02月24日 09:17   No.660013


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