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PTRD41の話が出てきてちょっと思い至ったんで、新規スレ立てといきます。 歴史上、沢山の種類の兵器が存在し、色々と評価を受けています。その評価基準って意外と曖昧でして、評価する人の主観がかなり入るので、「世界の駄作兵器」みたいな本読むと、傑作兵器なんじゃないのコレ? ってものまで駄作扱いだったりします。だからこそ面白いんですけどね、その考察が。 でまあ、自分の場合評価基準のひとつ、というかかなり重く見る項目として、「必要とされた状況に間に合ったか」があるのです。 例えば敵に強力な新型戦車が現れ、それに対抗する対戦車兵器が開発されます。その兵器の性能は素晴らしく、敵新型戦車を十分撃破可能だとします。ところが。その対戦車兵器を作るには希少金属が必要だったり、高度な冶金技術が必要だったりで、数がなかなか揃わない。結果、戦場に届かなかったり、届いても数が少なすぎて戦力になり得なかったり… 兵器単体のスペックを見ると、その新型対戦車兵器は傑作かもしれません。しかし、運用段階で決定的な問題が生じるようでは… それは駄作と言われても仕方ないでしょうねえ。
以上の理由から、自分はPTRS41を大して評価しておらず、PYRD41を非常に高く評価しています。どっちも威力はたいして変わらないんですが、モノの資料によるとPTRS41が100丁くらい生産された段階で、PTRD41はすでに1万5千丁以上生産されてたとか。ほぼ同時期に生産開始してこの差ですよ。つまり、非常にシンプルな構造のため生産が容易だった、と。 独ソ戦の初期にソ連歩兵が持つ対戦車兵器ってのは、(歩兵部隊にそんなに配備されてるわけではない対戦車砲を除けば)手投弾束ねたものだったり、モロトフカクテルと呼ばれる火炎瓶だったり。そんなもんですよ。 そんな大ピンチの中で、早期に大量生産されたPTRD41がモスクワ戦などでどれだけ重宝されたか、想像に難く無いですよね。 そりゃ、威力は微妙ですよ。V号戦車やW号戦車の正面装甲を打ち抜く程の威力は無い。でも、側面ならば! 相手が軽戦車や装甲車なら! 「必要とされる場所に、必要な数があった」というわけで、PTRD41は自分的には非常に評価の高い兵器なのです。
.. 2009年11月10日 11:20 No.618001
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