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軍隊のお話を再開しようかなあ、と。そろそろ「戦争」というものを考えて見ましょうか。 「戦争」とは。複数の国家間の懸案事項を、武力をもって解決しようと試みる状態、です。 国家間の懸案事項とは。A,B二国で例を挙げて考えてみましょう。単純に領土の帰属の問題だったり、A国内でB国と同じ民族が差別されてるとかだったり、B国内でA国の企業が不当な扱いを受けてる、だったり。 問題が発生すると、まずは話し合いです。この場合、しばしば第三国に仲介もちかけたり、「ウチの主張の方が正しいから、アッチを非難してよ」って他所を巻き込んだりします。外交努力ってやつですな。話合いでこちらの意見が通らなかった場合、各国と連携して非難決議とか出してみる。さらに経済制裁なんかやってみて揺さぶりをかける。それでも効果なかったら、「ウチの軍隊と喧嘩したら大怪我するぜ?」ってメッセージを送るため、大規模な軍事演習をしたり国境付近に部隊を駐屯させて示威行為をしたりする。さらに資産の凍結、外交官の撤退、入国規制など、具体的な行動で揺さぶりをかけ、その中でも交渉は続くわけです。 で、これらの段階を経ても互いに妥結できない場合… 実際に武力を用いて相手を黙らせる。それが戦争です。この際、「武力を用いる担当部署」ってのが「軍隊」。 戦争とは外交の一端であり、「武力を用いた外交努力」でもあるわけです。上記の段階を踏まえずにいきなりドカーンってこともあるし、さらに多くの段階を踏んだ末ドカーンってこともあります。 しかし、結局のところ「相手国にウチの要求を呑ませるため」の、目的のある外交であることには変わりがありません。 「お前の国の領土が欲しい」って要求に対して、「ダメだって! 他所あたってってば!」って要求を通す。これが防衛戦争ですな。
重要なのは、「戦争」とはルール無用の殺し合い、ではなく「交渉」である、ということ。何度も繰り返しますが、「戦場」はまた別の話です。 国家間の交渉であるため、一定のルール、不文律としてのルールなどが存在する、外交活動なのです。 外交交渉をする上で、実際に刃をふりかざし、盾を構え受け止めるのが軍隊。国家の中のお役所である軍隊、ってのはこういうこと。
以上が、一般的な戦争です。ここまでよろしいでしょうか?
.. 2009年08月28日 13:05 No.580001
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