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「阪神8-2広島」(8日、甲子園)
アニキ、スゴすぎる-。阪神・金本知憲外野手(41)が自身初となる1試合3発、3打席連続アーチを記録した。4打数4安打で自己最多タイの7打点。前戦から6打席連続安打と勢いは止まらない。猛虎は新生甲子園で2連勝。打撃の神様が降りてきたような今のアニキ、怖いくらいです。
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一本の糸が張り詰めたような緊張感に包まれた。客席からは無数のフラッシュがたかれた。4万2300人の大声援に送られ、凛と左打席に立った金本の第4打席。場面は七回一死三塁。誰もがそのバットを一点に見つめていた。
そしてカウント0-1からの2球目、ドーマンの140キロ直球をとらえると、打球は高々と右翼ポール際へ舞い上がった。瞬時に地鳴りのような大歓声に包まれたが、打球は惜しくも右へ切れた。「一応、狙ってはみたんですけど、ファウルになってしまいましたね」。直後に自己最多タイとなる7打点目の右前適時打を放ったが、ファンからはため息が漏れた。それほど、前の3打席が圧巻だった。
初回一死二、三塁から斉藤の139キロ直球を、右中間へライナーでたたき込む。2号3ラン。一塁を回った金本自身が驚きの表情を浮かべた。
続く三回の第2打席では、真ん中に入ったスライダーを再び右中間へ3号2ラン。五回の第3打席では林の直球をはじき返し、右翼席中段へ特大の4号ソロを放り込んだ。
3打席連発どころか、1試合3発も「いや、ないです。初めてです」とお立ち台で明かした金本。甲子園での1試合3発は86年の真弓監督、3連発は85年の木戸ヘッド以来だ。
レフト方向への強烈な浜風が吹く甲子園で、左打者が本塁打を打つのは至難の業。金本自身、過去に「超ド級ウルトラスーパーメガトンな当たりじゃないとスタンドまで行かない」と嘆いたことがあったが、この日は3発。2打席目以降は、風がやんだとはいえ、左打者が右方向へ3連発したのは、85年の歴史の中で史上初の快挙。打率・565、16打点、4本塁打でリーグ3冠王に立ち、7日の第5打席から6打席連続打点。「まぁそれはマグレですね」と笑うが、勢いは止まらない。
左ひざの手術から復活を目指した2月の春季キャンプ。金本は岡野手チーフコーチに決意の一言を告げていた。「カネが『(盗塁の)サインを出してください』と言ってきた。チームのために何とかしたいという思いがあるんだろうね」。どんなに無理をしても勝ちたい-。逆襲のシーズンへと向かう主砲の思いがにじみ出ていた。
「本塁打どうこうより、勝ってなかったんで連勝が何よりです」とお立ち台を締めた金本。もはや“凄まじい”という形容詞以外に、金本を表現する言葉は見当たらない。
(124.97.61.216).. 2009年04月09日 13:19 No.137001
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